仮定法未来には3つのタイプがあります。「希望の仮定」「失望の仮定」「絶望の仮定」と(薮下が勝手に)呼んでます。仮定法未来の重要なポイントは、どこまでが妄想かを考えることです。前回やった「今の妄想」や「昔の妄想」は、条件節(ifがある方)も帰結節(ifがない方)も全部が妄想でした。だって、妄想じゃなければ「あたしは鳥」になってしまうし、「あんたのところへ飛んでゆける」ことになります。でも、仮定法未来は全部が妄想ではありませんよ!下の例文の赤い部分が妄想です。青い部分は現実です。
■もし明日晴れたら、ピクニックに行くつもりだ。(希望の仮定)
If it is fine tomorrow, I will go on a picnic.
■万が一にも明日晴れたら、ピクニックに行くつもりだ。(失望の仮定)
If it should be fine tomorrow, I will go on a picnic. 万に1つは実現する
If it should be fine tomorrow, I would go on a picnic. 万に1つしか実現しない
■仮に明日晴れたとしたら、ピクニックに行くつもりだ。(絶望の仮定)
If it were to be find tomorrow, I would go on a picnic.
一番上は「希望の仮定」です。だから実現可能性が大きいわけです。「もし明日晴れたら」は妄想です。だから「未来-1=現在形」になってますね。でも、「ピクニックに行くつもりだ」は現実の時間で表した予定です。だから未来は未来形になってますね。実はこれは「時や条件を表す副詞節では、未来の内容でも現在形」と覚えさされたやつです。
真ん中のが「失望の仮定」です。だから実現可能性がものすごく小さい。例えば、台風が列島直撃のコースをたどっていて晴れる可能性は万に1つくらいしかないわけです。和訳も「もし万が一」になってるでしょ!そこで「がっくりshould」を使って失望を表現します。ポイントは後半の帰結節です。もし万に1つでも実現可能性があると思えば現実の時間で予定のwill、万に1つしか実現可能性がないと思っていれば妄想時間でwillがwouldになります。
一番下は「絶望の仮定」です。だから実現可能性はゼロです。例えば、地球に直径が10㎞もある巨大隕石が衝突し、今まさに最後の日をむかえている。天候は荒れ、明日晴れる可能性はゼロ。だから「仮」の話しかできないわけです。神の采配によって晴れる幸運にでも恵まれない限りは晴れない!だから「運命のbe to」を使います。仮定法で使うbe動詞はwereでしたね。実現可能性がゼロなのですから、もうこれは完全に妄想の世界です。だから帰結節はwouldになってますね。
前に『英文法基礎のキソ』のところで「未来を表現するwillとshall」というのをやりましたね。こんなやつです。
・be going to そうするつもりだ(意志)
・be have to そうしなければならない(義務・責任)
・be able to そうすることができる(可能)
・be destined to そうする運命にある(運命)
この4つに共通するのがbe~toの形です。だから、be toだけを取り出して未来を表現する記号にしたのが助動詞be toです。その中に「運命のbe to」がありますね。これが絶望の仮定のwere toです。これで仮定法未来はお仕舞いです。
さて、ここまでのところで薮下はまたウソを吐(つ)いてしまいました。前に、説明の簡便さと分かり易さの為ならいくらでもウソを吐くと言ったのを覚えてますか?気がついた子はcommentしてくださいね。
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10 Comments
どうも、この手の挑戦状を突きつけられるとムキになって探して他の事が手に付かない気性のキュウべぇです。
眼を皿のようにして探してみた所、ここがアヤシイのではないかと思いました。
>そこで「がっくりshould」を使って失望を表現します。
折しも前々から『仮定法未来では何故sholdを使うのだろうか』と不思議に思っていたので、老師によるこの一行によって私の疑問は氷解したかのように思われました。
でもちょっと待って下さい。何かがおかしくはありませんか?
先ずは『びっくりshould、がっくりshould、当たり前だのshould、べきshould(構文045)』からがっくりshouldの定義を引用してみましょう。
>■彼女が君のことを好きだなんてガッカリだ。
It is a pity that she should love you.
それぞれの形容詞surprising(驚きだ)、natural(当然だ)や名詞a pity(残念なことだ)が真主語that+文の中でshouldを使うようにと要求しているわけです。これをそれぞれ「びっくりshould」、「がっくりshould」、「当たり前だのshould」と呼んでいます。
あれれ?「がっくりshould」は「It is…that」の文で使う物なのではなかったのですか?
そこで以前老師に紹介して頂いたスペースアルクの英辞郎on the webを紐解いてみますと、
9番目の用法に
“《感情》~であるとは、~するとは◆【用法】It is … thatの形で用いられる”
とあります。
やっぱり!
仮定法未来のshouldは10番目の用法の↓ではありませんか?
“(万一)~ならば◆【用法】仮定法でif節内に用いられ、帰結節は仮定法以外に現在形の文や命令文もよく見られる。”
久しぶりに投稿しました
真ん中の“失望の仮定”についてです。
この後半の帰結節の
万に1つでも実現可能性がある というのと
万に1つしか実現可能性がない
というのの違いがよくわかりません(泣)
P.S.
今日言った訳が違うところですが、これだけ英語構文の構文053の第4回の一番下の訳が
電話をかけるなくて済んだ になってます
正しくは
電話をかけなくて済んだ じゃないですか?
長尾君!あ、間違えた。風林火山君!返信が遅くなってごめんなさい。仮定法とは「自分の願望を話す時の話者の気持ち」ですから、実現可能性が小さい現実に対する妄想を表現できます。ポイントはこの「気持ち(mood)」です。話者が「万に1つでも実現可能性がある!」という気持ちなら、現実の時間で表現します。逆に「万に1つしか実現可能性がない!」という気持ちなら、妄想時間で表現します。気持ちや気分で表現方法が変わるのが面白いでしょ!要は「現実」か「妄想」かを判断すれば良いわけですよ!つまり、実現可能性があるモノは現実の時間で、実現可能性が低いモノは妄想時間で表現するわけですね。
なるほど!!
よくわかりました
ありがとうございました
次のwritingの期末テスト範囲は、
overviewの残りとPro-vision writingらしいです。
了解です。講義ノートでできる限り対応しましょう!
overviewの残りをとばして、
Pro-vision writingに入りました。
え!?それはすごいですね。英作の勉強に本格的に入ろうと言うことでしょう。高校コースではまだ英作には入りません。ちょっと薮下に考える時間をください。何とかします。
英作の問題集もいりますか?
はい、是非一度見せてください。
F510Y君、今PRO-VISIONのEnglish Writingを見てみました。この英作文教材は、短文暗記用ですね。基本的に左のページにある強調文字の部分を中心に、全文暗記するようにできています。そして、それを使って右側の問題を解くわけです。ところで、期末試験の範囲はどこまでですか?薮下にできることは何かと考えると、左のページの「Grammar」の部分を説明するくらいですが、それでOKですか?
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