an abecedarianさんからの質問
<質問>
お疲れ様でした先生。。
その話とは関係ないのですが、ひとつお願いがあってきました。
commonly-known、highly-recommendedなど、ハイフン表現というものがあると思います。
しかし、こういったものを体系的に、きっちり解説したものって見たことがないのです。
そこで、複合形容詞というかこういう系統の表現について、どの程度まで勝手に作っていいのか、どんな文法的な成り立ち方をしているのか、どんな意味があるのか、どの程度の文脈で使うのがいいのか、など、先生なりになるべく包括的に解説をして頂けないかと思うのです。
それからさらに、
今句動詞を解説されているようですができれば、今後どんな単語を取り上げていくのか、最終的にはどの程度を目指すのかなど、行き当たりばったりではなく俯瞰できるように、予習しやすいように道を示していただきたいのです。
<回答>
an abecedarianさん、お久しぶりです。アップルストアに電話すると、「アップルにとって、あなたの意見は大切です」という録音が流れるのですが、あんなのはウソだということがバレバレですよね。本当に疲れました。
ところで、複合形容詞についてのご質問ですが、僕にもよく分かりません。でも、かなり勝手に作ってもあまり文句を言われることはないような気がします。例えばこんな具合です。
⊿恋愛小説
a love story
an I-love-you story
ま、I-love-youはあまり使わないみたいですが・・・。ハイフンも付いていたり、付いていなかったりします。文法的には付けないといけないのですが、紙に書かない限り分かりませんから、使ってるうちに脱落するのだと思います。
⊿職業病
job-related diseases
job related diseases
ハイフンの有無で意味が変わる場合もあります。あ、丸ごと一匹のワニならan alligatorですが、切り分けていたら冠詞は要りません。
⊿僕は人食いワニを見た。
I saw a man-eating alligator.
⊿僕は人がワニを食っているのを見た。
I saw a man eating alligator.
ご存じの通り、テストに良く出るのは数字がらみの複合形容詞です。例の、「複数形の-sは付けない」というルールが試されます。そして、数字がらみは「期間」に関係しているので、年齢以外はlongを使って書き換えられます。
⊿200ページの本
a 200-page book
=The book is 200 pages long.
⊿15才の少年
a fifteen-year-old boy
=The boy is fifteen years old.
⊿2週間の休暇
a two-week vacation
=The vacation is two weeks long.
「副詞+過去分詞形容詞」というのもよく見ます。これは受け身が元になってるので、受動態で書き換えられます。
⊿著名な作家
a well-known writer
=The writer is known well.
⊿人口密集地域
a densely-populated area
=The area is populated densely.
でも「副詞+形容詞」にはハイフンを付けません。この辺のルールがいい加減です。あ、これも複合形容詞に分類するのでしょうかね?
⊿とても暑い日
a very hot day
=The day is very hot.
⊿とても頭がよい人
an extremely intelligent man
=The man is extremely intelligent.
「名詞+分詞形容詞」というのもあります。これも受け身や進行形に書き換えられます。
⊿風力発電
wind-powered electricity
=Electricity is powered by wind.
⊿おいしそうな苺
mouth-watering strawberries
=My mouth is watering, looking at strawberries.
「副詞+形容詞」にはハイフンを付けないのだから、「名詞+形容詞」にも付かないような気がしますが、そうはなりません。こちらは、名詞を「前置詞+名詞」の副詞にして書き換えることができます。
⊿世界的に有名な歌手
a world-famous singer
=The singer is famous around the world.
⊿禁煙エリア
a smoke-free area
=The area is free of smoke.
僕はここら辺の統一感のなさが気に入りません。そして、「形容詞+名詞」とか「形容詞+分詞形容詞」というのも見たことがあります。
⊿長編小説
a full-length novel
⊿美人な子
a good-looking girl
⊿古時計
an old-fashioned clock
この3つは本来の意味での分詞形容詞(形容詞化した分詞)ですから、バラバラにして書き換えることはできません。僕に今思いつくのはこのくらいです。
さて、句動詞の解説、「ヤバイ英熟語」ですが、文字の解説だけなら半年もあれば完了させることができます。でも、文字のインパクトは小さくて、あまり記憶には残りません。それよりも、子供達が自分で参加して作り上げる熟語集の方が絶対に面白いですよね。an abecedarianさん!是非一緒に作りませんか?だれか参加してくれそうな子供たちがいたら教えてください。NHKの「のど自慢」の様なイメージで、それぞれの学校やクラス、仲の良い友人たちで作ったtake awayの動画を集めることができればいいなあと思ってます。「行き当たりばったりではなく俯瞰できるように、予習しやすいように」というリクエストですが、見出し熟語の一覧を先ず示しておいて、その覚え方や動画のシナリオも大枠を載せておいて、あとは「行き当たりバッタリ」に動画を収集しようかと考えています。今度高3になる子のためにも、文字の方は作っておいてあげないといけないなあ、とも思ってます。ま、要するに、まだハッキリしてはいないということです。
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an abecedarianさん!そう言えば、「名詞+名詞」の複合形容詞もありましたね。名詞は形容詞としても使えるので、「名詞+名詞」の形はしていても、機能的には「形容詞+名詞」ってことがあります。
⊿夜間学生
a night-school student
a night school student
=a student who goes to night school
nightは名詞ですが、ここでは「夜にやってる」くらいの形容詞として機能しています。野球のnight gameと同じです。こんな場合は普通はハイフンでつながないようですね。ハイフンがついているのもよく見ます。ここら辺のルールはとっても曖昧です。
andの代わりにハイフンが使われる場合もあります。abecedarianさんが「どこまで名詞を並べて・・」と言ってるのも、この場合かと推察します。たとえば「美保ちゃんと、由紀ちゃんと、慶子ちゃんと、政子ちゃんの関係」のようにどんどん形容詞を長くすることもできます。
⊿夫婦関係(A and B)
a husband-wife relationship
=a relationship between husband and wife
ハイフンの有無で意味が変わる場合もあります。この場合、ハイフンで形容詞の塊をハッキリさせます。
⊿彼は年老いた本のセールスマンだ。
He is an old book salesman.
⊿彼は古本商だ。
He is an old-book salesman.
僕に思いつくのはこれくらいです。。
あ、前に言い忘れていた大切なルールがあります。それは、highly-recommendedやdensely-populated の様に「副詞+過去分詞形容詞」の「副詞」が-lyで終わる場合、ハイフンは付けない方が良いというものです。このルールはあまり守られていないみたいで、ハイフンが付いているのをよく見ます。僕が前に書いた例にもハイフンがついています。
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2 Comments
いつもわかりやすい解説ありがとうございます。
今回もだいぶ助かりました。。
no-holds barredなど、最近気になる表現をいろいろ覚えていたので。
それから、名詞+名詞の表現というか、どこまで名詞を並べて形容詞の様に使っていいのか…なんてことも気になります。
動画の件ですが、自分としても考えてみようと思います。誰か関心持ってくれそうな学生さんでもいたら、話聞いてみますね!
an abecedarianさん!そう言えば、「名詞+名詞」の複合形容詞もありましたね。名詞は形容詞としても使えるので、「名詞+名詞」の形はしていても、機能的には「形容詞+名詞」ってことがあります。
⊿夜間学生
a night-school student
a night school student
=a student who goes to night school
nightは名詞ですが、ここでは「夜にやってる」くらいの形容詞として機能しています。野球のnight gameと同じです。こんな場合は普通はハイフンでつながないようですね。ハイフンがついているのもよく見ます。ここら辺のルールはとっても曖昧です。
andの代わりにハイフンが使われる場合もあります。abecedarianさんが「どこまで名詞を並べて・・」と言ってるのも、この場合かと推察します。たとえば「美保ちゃんと、由紀ちゃんと、慶子ちゃんと、政子ちゃんの関係」のようにどんどん形容詞を長くすることもできます。
⊿夫婦関係(A and B)
a husband-wife relationship
=a relationship between husband and wife
ハイフンの有無で意味が変わる場合もあります。この場合、ハイフンで形容詞の塊をハッキリさせます。
⊿彼は年老いた本のセールスマンだ。
He is an old book salesman.
⊿彼は古本商だ。
He is an old-book salesman.
僕に思いつくのはこれくらいです。。
あ、前に言い忘れていた大切なルールがあります。それは、highly-recommendedやdensely-populated の様に「副詞+過去分詞形容詞」の「副詞」が-lyで終わる場合、ハイフンは付けない方が良いというものです。このルールはあまり守られていないみたいで、ハイフンが付いているのをよく見ます。僕が前に書いた例にもハイフンがついています。
動画の件!よろしくお願いします!僕が教えている高校の男子たちがいくつか作ったみたいで、4月にその子たちに会えるのがとても楽しみです。
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