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1 世界にはばたく日本人

最初は、三省堂が出している「CROWN English Expression1」という検定教科書と、その準拠版の問題集「WORKBOOK ADVANCED」を子供たちに解説するつもりだったのですが、このテキストがあまりに酷いので、予定を変更して「検証 English Expression1」にしました。こんなテキストでは新カリキュラムが目指す実用的な英語力なんて絶対につきませんよ!あ、何か質問があれば、コメントしてくださいね。
1-1
(a) Japanese astronauts are very good speakers of English.
(b) Japanese astronauts speak very good English.
「日本人宇宙飛行士はとても上手に英語を話す」
解説「He is a good swimmer =He can swim well」や「She is a good cook = She can cook well」などの書き換えも習ったと思うが、アメリカ人が好んで使うのは圧倒的に名詞表現のvery good speaker of Englishの方。だから、very good speaker of Englishを和訳する際には「とても上手な英語の話し手」を動詞化して「とても上手に英語を話す」としてやる。
1-2
(a)Ando Tadao discussed the project with the local government.
(b)Ando Tadao talked about the project with the local government.
「安藤忠雄はその計画について地方自治体と話し合った」
解説「discuss A = talk about A」で「Aについて話し合う」。ポイントは、「Aについて話し合う」の日本語に引きずられてdiscuss about Aとしないこと。なぜなら、discussは他動詞だから「話し合う+何を」の第3文型を取る。一方、talkは自動詞だから「discuss about」の2語が集まって句動詞(群動詞)になっている。aboutじゃなくてoverでもOK。詳細は「注意すべき類義語・話す」を参照のこと。
1-3
(a)When Takahashi Naoko reached the goal, she was cheered.
(b)When Takahashi Naoko got to the goal, she was cheered.
「高橋尚子がゴールにたどり着いたとき、彼女に歓声がおくられた」
解説  「reach A = get to A = arrive at A」で「Aに到着する」。ポイントは「Aに到着する」の日本語に引きずられてget Aとかarrive Aとしないこと。なぜならreachは他動詞だから「到着する+何に」の第3文型を取る。一方、getやarriveは自動詞だから「get to」、「arrive at」の2語が集まって句動詞(群動詞)になっている。詳細は「自動詞のようで他動詞のattend、reach、consult」「自動詞のように他動詞、他動詞のようで自動詞」を参照のこと。
2-1
JICA is sending sporting goods to developing countries.
解説「送る+何を」の第3文型。to developing countriesの「前置詞+名詞」が「どこ?」の文末副詞になってる。
2-2 The local people looked very pleased with the new well.
解説「A look B」は「AはBのように見える」の第2文型。pleaseは「満足させる」の意味の「させる系の他動詞」。だから、普通なら「人はしている」、「モノは人によってされる」で「人is -ing」「モノis -ed」なのに、させる系だから「人is -ed」、「モノis -ing」になっていて、受け身なのに状態進行形の訳語が、進行形なのに感情形容詞の訳語がつくし、受け身なのにbyがつかない。詳細は「これだけ英文法」の0-4「A=Bの仲間」「させる系の他動詞」を参照のこと。
2-3 The crew called him captain.
解説「呼ぶ+何を+どの様に」の第5文型。
2-4 The experiment in space made the astronauts busy.
解説「する+何を+どの様に」の第5文型。in spaceの「前置詞+名詞」が形容詞になってexperimentを飾っている。もちろんETの法則に従う。1つ言わせてもらうと、「make人busy」とは言わない。新カリキュラム、expressionの教科書の割には日本人が発想するような変な英語を載せている。普通ならここでは「keep人busy」とか「人is busy~ing」を使うところ。こんなのでは受験英語から一歩も抜け出せない。そもそも執筆陣が受験英語にドップリ首まで浸かっているんじゃないのか?!
3-1 Yamazaki Naoko told us her experiences in the ISS.
解説「語る+誰に+何を」の第4文型。in the ISSの前置詞+名詞がexperiencesを飾る形容詞になっているのに注意。
3-2 Japanese major leaguers give us dreams.
解説「与える+誰に+何を」の第4文型。
3-3 About 40,000 Japanese teach foreigners Japanese now.
解説「教える+誰に+何を」の第4文型。
3-4 The mission in space made Wakata Koichi world-famous.
解説「する+何を+どの様に」の第5文型。「どの様に」の所には形容詞が来る。

9 Comments

  1. 電柱治 wrote:

    質問していいでしょうか!
    1-1にspeakers of Englishって、ofの表現であるけど
    そのまんまEnglish speakersって書いたら
    ダメですか~?
    あと緑色の所ですがね、
    私たちにとってはmake A Bのほうが馴染みがあって
    使いやすいから、そっちを載せてるんじゃないでしょうかね~ 直すなら中学校から改めないと
    ダメなんでしょうかね~?
    それにしても先生過激に起こりはるから顔知らない人にとっては怖い人と思われてしまうかも知らないね~ 長文でごめんなさいね

    金曜日, 5月 10, 2013 at 7:58 PM | Permalink
  2. yabu wrote:

    English Speakerでもかまいません。日本人に馴染みがあるかどうかが問題なのではなく、実際にどっちの表現を使うかが大切なのですよ!中学の英語から改める必要があるでしょうね。日本はいつも付け焼き刃の場当たり的な措置しかとらないから上手く行かないのです。

    金曜日, 5月 10, 2013 at 8:25 PM | Permalink
  3. 電柱治 wrote:

    なるへそ・・・
    私ももしイートンいけたら
    がんばりますよ~

    金曜日, 5月 10, 2013 at 10:07 PM | Permalink
  4. 電柱治 wrote:

    テストでは先生の推奨するほうで答えた方がいいんですか?

    土曜日, 5月 11, 2013 at 5:14 PM | Permalink
  5. yabu wrote:

    atは不自然な英語だというだけで、文法的に誤っているわけではないので×にはしませんよ。緑色の部分はあくまでも教科書の著者に対する薮下の意見です。解答の正誤に関わりません。

    土曜日, 5月 11, 2013 at 10:44 PM | Permalink
  6. yoko wrote:

    英語の予習としてブログを拝見させていただきましたが、とてもわかりやすく参考になりました。教科書が難しく、自分ひとりではなかなか予習が大変でしたが、先生のブログに大変助けられました。今後(Lesson2以降)書かれていく予定はありませんでしょうか?

    水曜日, 5月 14, 2014 at 9:04 PM | Permalink
  7. yabu wrote:

    yokoさん!返信がおそくなってごめんなさい。僕のいる高校では去年からCrown English ExpressionⅠを使っているのですが、僕は1ヶ月でこのテキストを使うのを止めてしまいました。これを使って勉強しても、文法は中途半端、会話表現はメチャクチャなのでメリットが少ないと判断したからです。実は、このブログも去年の中間テストの対策用でした。
    あと2つあるので良かったら使ってください。
    2 幸福度NO.1の国ブータンの高校生
    http://blog.meigaku.ac.jp/yabu/?p=9763
    3 金メダルを目指して 国枝慎吾
    http://blog.meigaku.ac.jp/yabu/?p=9798
    でも、解説を付けたのは残念ながらこの3つだけです。今後、このテキストの解説をやる予定はありません。ごめんなさいね!もし、何か質問があれば、テキストとは関係なくてもOKですから、薮研に投稿してください。待ってます。

    木曜日, 5月 15, 2014 at 12:22 PM | Permalink
  8. yoko wrote:

    Lesson3までの解説を読ませていただきました。とても面白かったので、ここまでなのが大変残念です。それで、早速、質問があるのですが・・・。
    Lesson2
    3-4 和訳に「もう」とあったので、have already been~としたのですが、だめでしょうか?
    Lesson3
    2-3 help(人)with~とも教わったことがあるのですが、help(人)to~と何か違いはあるのでしょうか?
    3-1 Can(May) we~をCan(May) I~
    3-2 「かもしれない」なのでmayを使用
    3-3 「もっと熱心に」なのでharder
    解説以外のLessonについての質問もあるのですが・・・。
    Lesson4
    3-3 「現在、さまざまな実験がその宇宙船内で行われている」 Various experiments are (being done in the spaceship) now.
    [( )内が解答部分です。]
    p25
    4-5(並べ替え問題)
    そのゴルフ界の若いスターに多くの関心が注がれている。
    The young star of the golf world is paid a lot of attention to.
    5-2(英作文)
    宿題は明日までに終えなければならない。
    I have to finish my homework by tomorrow.
    Homework must be done by tomorrow.
    5-5
    私は彼女に駅で1時間待たされた。
    She kept me waiting at the station for an hour.
    質問が多くてすみません(>_<)
    ほかにも曖昧なものはありますが、特にわからなかった問題をあげてみました。
    ご教授お願いします

    水曜日, 5月 21, 2014 at 4:48 PM | Permalink
  9. yabu wrote:

    Lesson2
    3-4 和訳に「もう」とあったので、have already been~としたのですが、だめでしょうか?
    ★例えば「もう完了しています」ならit has already been completedになります。教科書が今手元にないのでハッキリとは断定できませんが、複数形のモノ主語だったら大丈夫でしょう。
    Lesson3
    2-3 help(人)with~とも教わったことがあるのですが、help(人)to~と何か違いはあるのでしょうか?
    ★「help人with+事」で「人の事を手伝う」、「help人to原形」で「人が~するのを手伝う」で、ほぼ意味は同じで、withの後ろには名詞、toの後ろには動詞の原形の違いがあるだけです。
    3-1 Can(May) we~をCan(May) I~
    ★日本語に「我々」がなければ大丈夫です。「自分1人」なのか「自分たち」なのかの違いは、なかなか問題文だけでは断定できない場合がありますね。
    3-2 「かもしれない」なのでmayを使用
    ★たぶん大丈夫です。
    3-3 「もっと熱心に」なのでharder
    ★たとえば「もっと熱心に勉強しなさい」はYou must study harder.と言えます。
    解説以外のLessonについての質問もあるのですが・・・。
    Lesson4
    3-3 「現在、さまざまな実験がその宇宙船内で行われている」 Various experiments are (being done in the spaceship) now.
    [( )内が解答部分です。]
    ★良い英語です。
    p25
    4-5(並べ替え問題)
    そのゴルフ界の若いスターに多くの関心が注がれている。
    The young star of the golf world is paid a lot of attention to.
    ★やっぱりA lot of attention is paid to the young star of the golf world.の方が自然です。
    5-2(英作文)
    宿題は明日までに終えなければならない。
    I have to finish my homework by tomorrow.
    Homework must be done by tomorrow.
    ★My homeworkの方が良いでしょう。「一般的に宿題というものは・・・」は変ですよね。
    5-5
    私は彼女に駅で1時間待たされた。
    She kept me waiting at the station for an hour.
    ★良い英語です。

    木曜日, 5月 22, 2014 at 11:30 AM | Permalink

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