【講義ノート38】「AよりもむしろBしたい」
■あなたとデートするよりも家にいたい。
I would rather stay home than go out with you.
このwouldは【講義ノート37】でやった仮定法のwouldです。だから「できることなら」という気持ちが裏にあります。それとrather A than B(BよりもむしろA)が組み合わさってできたのがこの慣用表現です。あ、辞書にはよくこの「あなたとデートするよりもむしろ家にいたい」の訳語がついていますが、普段の生活の中で使わないような訳語は覚える必要はありません。それよりも、仮定法がもつ柔らかで丁寧な表現の「できることなら」とか「どちらかと言えば」を覚えておくのが良いでしょう。また、後半のthan以下が省略されて、こんな風になることもありますので注意してください。
■あたしはできれば家にいたい。
I would rather stay home.
さらに、wouldは仮定法なのだから、「I wish+仮定法」とほぼ同じ意味で「I ‘d rather+仮定法」にもなります。
■あたしはできれば家にいたい。
I’d rather [that] I stayed home.
あ、rather A than B(BよりもむしろA)のパターンをまとめておきます。忘れた子はここを見直しておくこと!
▼かれは教師と言うよりもむしろ学者だ。
He is a scholar rather than a teacher.
=He is not a teacher so much as a scholar.
=He is more a scholar than a teacher.
それでは、類題を解いてみましょう。
パーティーに行くくらいなら、家にいたい。
(to / home / the party / stay / than / go / would / I / rather ).
→I would rather stay home than go to the party.
【第10章 助動詞(3)】
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This was written by
yabu. Posted on
金曜日, 10月 28, 2011, at 5:24 AM. Filed under
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2 Comments
TOEIC対策にHPを拝読している大学生です。
いつも勉強になるポストで助かっています。
さて、【講義ノート38】の投稿のなかに以下の例文が有りました。
He is more a scholar than a teacher.
これは以下のようにも言えるようです。
He is more of a scholar than a teacher.
このofはどのような経緯で挿入されているのか、ご教授いただけないでしょうか。
大学生さん!TOEIC対策に薮研を使ってくれているとのこと。ブリブリ嬉しいですね!最近の入試問題は、薮下が予備校で教えていた90年代に比べるとものすごく簡単になってしまっていて、これだけ易化したんじゃ予備校講師なんて必要ないんじゃないか、いっそTOEIC対策に切り替えて教えた方が楽しいのではないか、なんて話を仲間としているくらいです。確かに、今薮研を利用してくれているのは上位大学を狙うほんのわずかの受験生と、TOEICやTOEFLの勉強をしている数多くの卒業生だという噂をちらほら聞きます。ま、何はともあれ、役に立っているのは嬉しいことです。
さて、ご質問のofですが、これは「性質・特徴のof」といって、学校英文法では「of+抽象名詞=形容詞」と習うやつです。こんな具合です。
■彼は重要人物だ。
He is a man of importance.
=He is an important man.
■それらは役に立つ物です。
Those are things of use.
=Those are useful things.
importanceにはimportantという形容詞があるので、あまり気にならないのですが、実はこの「of+名詞」には、抽象名詞だけでなく、あらゆる名詞を強制的に形容詞化する力があって、「~的な」とか「~っぽい」などの意味の形容詞を作り出します。元々形容詞形のない名詞をエイヤーと形容詞にしてしまうには、「of+名詞」がとても便利なわけです。例えばこんな具合です。
▼女優っぽい、女優的な
of an actress
▼人間的な、人間っぽい
of human
これを第38構文「more A than B」に当てはめるとこうなります。
■彼女は歌手というよりも女優だ。
She is more of an actress than a singer.
■彼は人間と言うよりも動物だ。
He is more (of) animal than human.
humanやanimalの中には「人間」「動物」という名詞の意味と同時に「人間的な」「動物のような」の形容詞の意味も含んでいます。だから、必ずしも「of+名詞」の型に押し込まなくても良いわけです。そんなわけで、時代の流れの中でofを付けたり付けなかったりするようになり、今ではほとんどのofが省略可能になっています。ofが残っているのは、importance-importantのように名詞と形容詞の区別がハッキリしているものが多いと思われます。だから学校英文法は、この「of+抽象名詞」だけを取り上げて説明するのですが、ofの次に来るのは何も「抽象名詞」ばかりとは限らないわけですね。」
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