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構文150考(1)

原君からの質問以来、美誠社の『英語の構文150』をちょっと気をつけて見ていたのですが、間違いがやっぱり多いですね。昨日見つけたのが、【第2章不定詞】の「20.形容詞[副詞]+enough to do」のところのEXERCISES1の(5)の英語です。
学生が笑みを浮かべて(面接室に)入って来て、率直に私に口が利けるなら、ああこの学生は自信に満ちている、面倒を見る必要はないわという気分になるのです。
When a student comes in smiling and talks directly to me, it makes me feel like they are confident enough that I’m not going to have to babysit them.
単数形のa studentを後半でtheyやthemで受けることは出来ません。当然ながらどちらかに統一する必要があります。これは典型的なケアレスミスです。ここで書いたように『テレビで基礎英語』に出てくる英語にもスペルミスがありました。普通は推敲や校正の段階でこのくらいの単純なミスはあぶり出せるはずです。ということは、誰も推敲や校正をやってないってことでしょうかね。それならNHKも美誠社もこんなのでお金を取ってはダメでしょ!
この左側の解説も薮下には気に入りませんね。これを読んでも、ここで使われているtoやthatが「程度の副詞」だということが理解できません。つまり、こういう事です。
このベッドはその程度は大きい。
This bed is so large.
このベッドは十分に大きい。
This bed is large enough.
soは「そのくらい」です。だからso largeで「そのくらい大きい」の意味になります。一方、enoughは「十分に」の意味なのですが、soやveryと比べるとlargeにひっつく位置が違います。これがとても大切なポイントです。veryとsoは日本語と同じ語順なのですが、largeは全然違うことに注意してください。
⊿とても大きい
very large
⊿そのくらい大きい
so large
⊿十分に大きい
large enough
そして、どの程度大きいのか、どの程度十分な大きさがあるのかを後ろから説明するのが「程度のthat」や「程度の不定詞のto」です。
■類例2
このベッドはその程度大きい+(どの程度?)ジムが寝られるくらい
This bed is so large that Jim can sleep in it.
このベッドは十分に大きい+(どの程度?)ジムが寝るには
This bed is large enough for Jim to sleep in.
さて、ここで上の英語にはitが必要だけど、下の英語にはitが不要な理由を説明しなくてもいいのですか?ただ漠然と睡眠を取るならsleepでも良いのですが、具体的にどこかで眠る場合には「Aで眠る」の意味の句動詞sleep in Aを使わなくちゃいけないことって結構大切じゃないのですか?また、thatの直後には完全文が来るっていう説明はなくてもいいのですか?■類例3のところでenough thatのことなんか説明する暇があったら、itについてちゃんと説明するべきじゃないですか?!それにenough thatよりもso large as to sleep inを説明してあげた方が良いのではないのですか?
『英語の構文150』はやっぱり「クソ参」になってしまったのでしょうか?

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