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今井君からの質問

<質問>
2003年度早稲田大-商学部の問4の英文の中に次の様なところが出てきます。
When the late Rajiv Gandhi appealed for an end to the violence that broke out after the assassination of his mother, he went on television and spoke to his people in English.  Then there is English as a foreign language, used in countries like Holland or Yugoslavia where it is backed up by a tradition of English teaching.  Here it is used to have contact with people in other countries, usually to promote trade and scientific research, but to the benefit of international communication generally.
これの和訳はこうなってます。
母親の杏最後に勃発した暴動をやめるよう訴えたとき、故ラージヴ=ガンジーはテレビで国民に英語で話しかけたのだった。そして外国語としての英語が英語教授の伝統によって英語の使用が支えられているようなオランダやユーゴスラビアといった国々で使われている。これらの国々で英語は他国の人たちと接触するために、通常は貿易や科学研究を促進するために使われるが、国際交流全体の利益になるようにでもある
赤本はbutが「他国の人たちと接触するため」「貿易や科学研究を促進するため」しかし「国際交流の全体の利益になるため」の3つを結んでいるような訳をつけています。でも、僕にはこの3つが逆接のbutで結ばれているのが納得できません。この3つにはどこにも対立点が見あたりませんから、ここでbutが使われるのに納得ができません。薮下先生の考えを聞かせてください。
<回答>
今井君!リンガメタリカの次は早稲田ですか!?ま、たくさん英語の問題を解くことは良いことです。同じ大学の過去問をたくさん解けば、その大学の出題のクセが分かってきます。あ、「クセ」というのは赤本がやっている「出題形式」ではありません。例えば正しい選択肢を作るときのクセとか、空所を抜くときの場所のクセなどです。出題形式なんてだれが見ても分かりますから、あんまり意味がありません。
さて、ご指摘のbutですが、また赤本誤訳をしてますね。早稲田の赤本くらいちゃんとやって欲しいと思うのですが、英語が正確に読めるアルバイトの学生を確保するのが難しいのでしょうかね?
英語は左のことを右で説明します。ですから、it(=English) is usedで「英語は使われている」と言っておいて、「何するために?」の説明が右に来ます。それがto have contact with peopleです。つまり「他国の人々と交流するため」と先ず抽象的に言ってます。そして次に右側でその「交流」を具体化して「交易や科学研究の促進のための交流」だと挿入句を使って説明しているわけです。
だから、ここは赤本がやってるように3つのものがbutで結ばれているわけではありません。そうではなくて次の2つbutで結ばれている構造になってます。
一般的には交易や科学研究の促進を目的として他国の人々と交流するため
しかし
(それが結果として)国際交流全般に役立っている
赤本のミスはto have contact with people in other countries, usually to promote trade and scientific researchの2つのtoが独立していると考えているところです。そうではなくて、2つ目のtoはhave contactを飾ってるわけです。そう考えると、対立点は「交易や科学研究を促進する目的」だったのだが、「国際交流全体の役に立つ」ことにもなった、というところです。
今井君!また変な和訳があったら教えてくださいね。本になってると、書いてあることが何でも「正しい」と勘違いしてしまいますが、赤本に関しては「間違っている」と思って読んだ方が良いみたいですね。

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