乾君の挑戦・その1
「やり直しの英文法」や「Reading Drills」もまだ完結していないのに、別の連載を始めます。この「乾君の挑戦」で、国立大学2次試験に出題される英作文を添削します。あ、乾君以外の子の添削もここに収録します。もし有料(進学講座)で優先的に添削して欲しい子はyabu@meigaku.ac.jpまで申し出てください。
<問題>
子供のころに、本を読んで感動したり、わくわくしたりした思い出は、一生消えることのないほど強烈なものである。子供は未知の世界に対して新鮮な好奇心を持ち、想像力が豊かであるため、本の世界の中で生きることができるのだ。成長してさまざまな試練に出会ったときに、そのような経験が思わぬ力を発揮する場合がある。
京都大学2008年度・(1)
<答案>
The memory that you were inspired and excited by reading books in your childhood is so senssational that it will continue to stay in mind. Children are curious about unknown teritory and have great imagination, so they can live in the world of books. When they grow up and encounter a lot off difficulties, shuch an experience gives them unexpected abilities.
<読者への挑戦>
赤い部分の英語が間違っています。さて、どうしてそれが間違っているのか、またどうすれば正しい表現になるのかを考えてみてください。
<添削>
乾君!あ、本当は脇坂君なのですが、なかなか良く書けてます!次の3つの点に気をつければ、もっと良い英語になります。
1.同格のthatは使っちゃダメ!
「思い出」=「子供の頃、本を読んで感動したり、興奮したこと」ですから、乾君はmemoryを「同格のthat」でつなげようとしたわけです。でも残念ながら、名詞memoryは同格のthat節を従えません。英作文の大原則は、「知らない表現は使わない」です。もしmemoryが同格のthatを取るかどうか知らなかったら、使っちゃダメです。『ロイヤル英文法』の巻末付録に「同格のthatを従える名詞」の一覧が載ってますが、こんなの全部覚えてる子なんていないはず。だから、同格のthatは使わないのが無難です。
「同格のthat」はダメですが、実は「同格のof」は使えます。こんな具合です。
⊿子供の頃に本を読んで感動したり、興奮したという思い出
the memory of being inspired and excited by reading books in your childhood
でも、一番良いのは中学生でも分かる英語で書くことです。同格表現なんて中学生は知りませんよね。だから、関係代名詞を使います。こんな具合です。
⊿子供の頃に本を読んで感動したり、興奮した思い出
the memory in which you were touched and excited by reading books in your childhood
あ、「前置詞+関係代名詞」は中学では習わなかったっけ?それに、これはあまり知的な英語じゃありません。でも、文法的なミスはないので減点はできません。
memoryの使い方が分からなければ、使うのを止めるという手もあります。つまり「子供の頃に本があなたに与えてくれた感動と興奮」を主語にします。
⊿子供の頃本があなたに与えてくれた感動と興奮
The inspiration and excitement that books gave you in your childhood
ここでも関係代名詞のthatを使います。あ、赤本はこう言ってます。
◆「感動したり」by moved [touched / impressed ] by~ 名詞ならimpression。
え?!「感動」の意味でimpressionを使うことはありませんよ!impressionはあくまでも「漠然とした気持ち・印象」です。この赤本の根拠のない自信はどこからくるのでしょうか?
長くなったので、続きは次回にします。
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