ReadingDrill第16回(1)・センター英語詳説
成績処理も一段落したので、Reading Drillの講義を再開します。「ヤバ熟」の方は、動画の投稿を待っているところです。動画が手に入り次第、続きを書きます。
さて、このドリルは「マーカ抽出法」の実践演習が目的です。「マーカ抽出法」は内容一致問題の解法です。つまり、本文の内容と一致する選択肢を選ぶときの解法手続きです。今年受験をした車戸君や安藤君も、「マーカ抽出法」を使ってそれぞれ上智大学と慶応大学SFCに合格したので、上智や慶応にも有効な解法だということが分かります。元々「マーカ抽出法」は、薮下が河合塾で教えてた時に担当していた「南山大公開単科ゼミ」のために考案した解法ですが、他の大学にも通用するのですから、習得しておくのが良いでしょう。後日、車戸君には「マーカ抽出法」を実際に使って問題を解いてみた感想をレポートしてもらう予定です。あ、車戸君は京都大学にも合格したので、そちらに行くそうです。
実際に授業で使った問題プリントは、「薮研」右側の「目次・PDF教材」の下から3つ目にある「Reading Drills」をクリックすれば出てきます。他にも「予習プリント」、「解説・全訳」、「正解例」が載ってますので、利用してください。
それでは、今回から今年度のセンター英語を「マーカ抽出法」で解いてゆきます。前にここで今年のセンター英語を評して「そんなに勉強しなくても誰でも解けるバカみたいな問題」と言いましたが、これは設問の英語のことで、選択肢の正解と不正解がハッキリし過ぎているという意味です。一方、長文本文の方は良い英語でした。つまり、昨年度のような不自然さは少しもありませんでした。でも、語彙力のない子にとっては、読みにくい英語だったはずです。
今回は設問1の解説をします。設問1は、第1段落にある「具体文」と「抽象文」の境目にスラッシュを入れることが要求されてます。分かってない子のために、もう1度「抽象」、「具体」とは何かを書いておきます。
「抽象」とは、具体的、個別的な事物から抽出された、それに共通する目に見えない性質や要素のことです。逆に、「具体」とは実際に存在する1つ1つの(=個別的な)事や物(=事物)です。だから、固有名詞の場所や人名が出てきてたら、それは「具体」文です。一方、その人達に共通する性質や要素が抽出されていたら、それは「抽象」文です。
It’s a sunny afternoon here in Texas, and my wife Barbara is at the park again, counting and recording the number of eggs laid by monarch butterflies. After collecting her data, she’ll share it with the professional scientist who recruited her. In another state, our friend Antonio listens for frogs by visiting 12 different states, four times a year. He has been submitting his findings to scientists for almost 20 years now. And on the other side of the country, our niece Emily is catching native bees, putting tiny tags on them, and handing in weekly reports to the biology department at a local university. /Nobody is paying Barbara, Antonio, or Emily for their efforts, but all three consider themselves lucky to be “citizen scientists.”
こうして見ると、登場人物3人の具体的な記述から始まってますが、最終文だけは3人に共通する内容になっているのが分かります。だから、最終文の直前にスラッシュを入れたら正解です。あ、four times a yearの前にコンマがありますが、不要です。いや、ここにコンマを付けてはいけません。ここから分かるのは、これも日本人が手を加えた英語だと言うことです。作問委員が親切心でやったことなのでしょうが、それがよけいなお世話です。
・
3 Comments
「気がつくと」という表現を「when I realized」と模試で英訳したら減点されました。どこがいけなかったのでしょうか。
「気がつくと」をWhen I realizedとしても別に悪くはありません。でも、realizeは「事実に気がつく」の意味の他動詞ですから、普通はWhen I realized that she was ill(彼女が病気だと分かったとき)のように事実内容としての目的語が必要です。一方、「ボーッとしていて、ふと我に返ると」の様な意味での「気がつく」だと、when I noticedを使います。noticeは自動詞で使えますから、目的語は必要ありません。牛田君はまだまだ語法の勉強が足りませんね。ま、これからゆっくりやって行けば良いでしょう。でも、薮下はちょっと調子が悪いので、北沢先生にお願いしてみてはどうでしょうか?
あいにく、僕も調子が悪く、全く急いでいませんので、大丈夫です笑。
Post a Comment