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車戸君からの質問(10)その4

<質問>
前のブログを参照のこと
<回答>
やっと採点が終わったので、前の続きをやってゆきましょう。成績処理が終わるまでは不定期更新になってしまいますが、お許しください。
今日は「主節の主語」と「分詞節の主語」について考えます。ちょっと込み入った話になるので、英語が嫌いな子は読み飛ばしてくださいね。「主節の主語」と「分詞節の主語」が同じ場合は、分詞節の主語を消してしまいます。だって、2つあっても仕方がないですからね。
彼が警察を目にしたとき、彼は家に入った。
When he saw a policeman>, <He went indoors>.
時の接続詞whenが2つの文を結んでいます。「言いたい核心」がHe went indoors、「その付加的な説明」がWhen he saw a policemanです。普通は「言いたい核心部」→「その付加的な説明」の順番なのに、ここでは逆になってますね。これはどうしてかというと、2文が順接関係にあるからです。つまり、出来事が「警察を見つける」→「家に逃げ込む」の順番に起こっているからです。だから、When he saw a policeman,は「付加的な説明」というよりも、「先行する出来事」という感じなわけです。
さて、分詞構文は「付加的な説明」の方を次の手順で削ってゆき、「言いたい核心」はそのままにしておきます。だって、「言いたい核心」を削ってしまっては、言いたいことが伝わらなくなりますからね。
①接続詞を消す。
②主語が同じなら消す。
③動詞を現在分詞に変える。
そうやって出来たのが次の英文です。
警察を目にする、彼は家に入った。
Seeing a policeman, he went indoors.
さて、これを京都大学が出題した付帯状況分詞構文にしてみましょう。
彼は警察を見たので、家に入った。
Because he saw a policeman>, <he went indoors>.
これをいつもの手順で分詞構文化すると、前のと区別がつかなくなります。つまり、「警察を目にしたとき、彼は家に入った」も「警察を見たので、彼は家に入った」も分詞構文化すると、全く同じSeeing a policeman, he went indoors.になってしまうわけです。これじゃあいけません!
「警察を見たので、彼は家に入った」と言うとき、これは2つの出来事の順番だけじゃなくて、その関係も大切です。つまり「彼が警察を見た」のが「家に入った」ことの原因となっているわけです。ですから、ここではちゃんと「言いたいことの核心部その付加的な説明」の順番にしてやります。でも「家に入った」→「警察を見た」にすると、出来事の順番がひっくり返ってしまいます。そこで「警察を見た」方が先に起こったことを表現するために「he saw a policeman」ではなくて「he had seen a policeman」の完了形にしてやって、それを分詞構文化すれば時間のズレが表現できるわけです。こんな具合です。
警察を見、彼は家に入った。
He went indoors, having seen a policeman.
ね!京都大学の英文に近くなったでしょ!訳語も接続助詞の「て」を使いました。「主節の主語」と「分詞節の主語」が同じですからheは消えてなくなってますね。その点で、京都大学の英文とちょっと違いますがね。次回は主語が違う場合を考えましょう。

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