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マーカ抽出法講義(8)

マーカ抽出法講義の第8回目です。今回も引き続きTOEICの「Reading Section」での「マーカ抽出法」の使い方を勉強しましょう。今日は4つの中から「2つの選択肢を選べ(Select TWO answer choices)」のタイプを考えて見ましょう。設問の条件に該当する選択肢を1つ選べば良いなら、設問の英文からマーカを抽出すればOKです。逆に、4つの選択肢からマーカをそれぞれ抽出するのは時間の無駄です。でも、条件に該当するのが2つある場合は、やっぱり設問全部からマーカを抽出します。
さて、言いたいことが2つ[以上]あると分かっていれば「2つ目のalso、another」を探します。あ、これは「ルール16」の14番目のルールでしたね。忘れた子は薮研のここ(http://yabuken.sakura.ne.jp/wp-content/uploads/2011/04/31b7eceb56139d7ffeee763fd6b8b74e.pdf)を見直しておいてください。TOEICの英語は善意でできてますから「2つある」と書いてあれば必ずalsoかanotherなどの目印(marker)が出てきます。問題を解いていて時間が足りない子は、この様な目印にあまり注意を払ってはいないのではないでしょうかね。
それじゃあ、設問からそれぞれマーカを抽出してみましょう。いつも感心するのですが、TOEICでマーカに設定するのは「名詞」だけで十分です。TOEICが終わったら、私立で南山大学、国立で広島大学の問題を「マーカ抽出法」を使って解いてみるつもりですが、こっちは「名詞」だけでは不十分なので、次の6つまで考えないと上手く行きません。
1.その設問に独特の「名詞」をマーカとして抽出する。
2.特に、「固有名詞」や「数字」は理想的なマーカになる。
3.他の設問にも登場する「名詞」はマーカにならない。
4.1語の「名詞」が抽出できなければ、名詞相当語句(不定詞、動名詞、A of Bなど)をザックリとマーカにする。
5.それでもダメなら確定的な要素(時、場所、条件)をザックリとマーカにする。
6.やむを得ず副詞や形容詞をマーカにしても、動詞はマーカにしない。
最悪の場合、マーカが設定できないなんてこともよくあります。そんなときの対処法はこの先でゆっくり説明するつもりです。あ、話を元に戻しましょう。ではTOEICのマーカ抽出は「名詞」だけで十分だということをサッサと確認しておきましょう。
 Select the TWO answer choices that are mentioned in paragraph 5 as being features of Teotihuacan that may have attracted immigrants to the city. To receive credit, you must select TWO answers.
[A] The prosperity of the elite
[B] Plenty of available housing
[C] Opportunities for well-paid agricultural employment
[D] The presence of one or more religious shrines
移民達を魅了したテオチワカンの町の特質として第5段落で述べられているものを2つ選びなさい。2つ選ばないと得点はないものとする。
[A]エリート達裕福さ
[B]利用可能なたくさんの住宅
[C]賃金の良い農業雇用のチャンス
[D]神をまつった神社が1つ以上あること
選択肢自体が名詞なので、その中の核となってる名詞を抽出するだけです。[A]はいっその事The prosperity of the eliteを丸ごとマーカにしてもかまいません。要は本文中で探しやすければそれで良いワケですからね。[C]は「雇用」よりも「農業分野での雇用」の方が意味がハッキリするので、形容詞のagriculturalも一緒に抽出しましたが、別にemploymentだけでもかまいません。なぜなら、この段落は職業の多様性につての話じゃないからです。[D]も同じ理由でreligiousを付けましたが、なくてもかまいません。
さて、それではマーカを探しながら第5段落の英語を読んでみましょう。あ、その際には「2つ目のalso、another」に注意してくださいね。
¶5 Long-distance trade in obsidian probably gave the elite residents of Teotihuacan access to a wide variety of exotic goods, as well as a relatively prosperous life. Such success may have attracted immigrants to Teotihuacan. In addition, Teotihuacan’s elite may have consciously attempted to attract new inhabitants. It is also probable that as early as 200 B.C. Teotihuacan may have achieved some religious significance and its shrine (or shrines) may have served as an additional population magnet. Finally, the growing population was probably fed by increasing the number and size of irrigated fields.
すると、第1文前半にthe elite residents of Teotihuacan(テオチワカンのエリート住民)が、後半にはprosperous life(裕福な生活)が出てきます。ということは、段落冒頭にマーカ文が出てきているわけです。「give 人access toモノ」は「人がモノにアクセスできるようにする」から「人がモノを手に入れることを可能にする」と意味が広がります。
黒曜石の遠隔地貿易のお陰で、テオチワカンの一部の住民達は、比較的裕福な生活だけでなく、異国の物品を手に入れることができた。
Long-distance trade in obsidian probably gave the elite residents of Teotihuacan access to a wide variety of exotic goods, as well as a relatively prosperous life.
ならばこれが根拠文で、[A]は本文の内容に一致していると判断できます。直後の文には、ご丁寧に「そんな成功があったので、移民達はテオチワカンに惹かれた」と書いてあります。これ、設問文の英語と丸っと同じですよね。あ、その後ろのIn additionですが、これは「2つ目」のマーカ(目印)ではありませよ!in additionは「追加の論理語」ですから、1つ目の内容を補完するための情報が追加されているだけです。つまり、人がテオチワカンに魅力を感じたのは一部のエリート住民が裕福になっただけじゃなく、エリート達の成功を見て他の人達もテオチワカンに住みたいと思うようになったからだ、と言ってるだけです。これもここ(http://yabuken.sakura.ne.jp/wp-content/uploads/2011/04/2318213c71467f0a4ed62751a321a174.pdf)で復習しておいてください。
この先に出てくるのが「2つ目のalso」です。ここから、テオチワカンの2つ目の魅力が述べられているはずです。読んでみると[D]のマーカがヒットします。マーカ文は「町の神社が人を引き寄せるもう1つの磁石として機能したのだろう」とあるので、これが根拠文となって[D]が本文の内容と一致していると判断できます。
え?最後に出てくるirrigated fieldsは農業雇用の話じゃないのかって?いえいえ、全く違います。最後の文は「水田の数や大きさがどんどん増えていったので、人口が増えてもちゃんと皆食べてゆくことができた」と書いてあるので、雇用の話とは全く関係ありません。ここら辺がTOEICの潔(いさぎよ)いところで、マーカに設定した[B]のhousingや[C]のemploymentが本文中に出てこないと言うことは、そんなことは本文には書かれてないということです。そして、そんなことは本文のどこにも書かれていないから不正解なわけです。

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