Lesson 2 時制(Tense)・その1
前にも書いたが、「今までずっとその動作をやってる」や「今までずっとその状態にある」の「継続」の意味内容は現在完了で表現する。継続するのが「動作」ならば現在完了進行形(have been~ing)、「状態」ならば現在完了形(have+過去分詞)になる。これが現在完了のベタ基本なのだが、ExpressionⅠのテキストに「動作動詞と状態動詞」が出てくるのは32ページの「日本語と英語の発想の違いに注意」というコラムで、それまでは「動作」も「状態」も区別はなく、「継続」はすべて現在完了形(have+過去分詞)で表現されるが、これで本当に大丈夫なのか?つまり、あまり一般的でない、いやほとんど使わない表現をとにかく覚えさせて使わせるのが、今度の実用英語のやり方なのか?!
1-1
If the weather is good tomorrow, we will play outside.
もし明日天気が良かったら、僕らは外で遊ぶつもりです。
解説 「もし~なら」の意味のif文は頭の中の妄想時間だから、現実時間と区別するために「未来の内容でも現在形」で表現する。だから未来の副詞tomorrowがあるのに現在形のisになっている。でも、後半の「~するつもりだ」の文(帰結節)は未来の内容はちゃんと未来形で表す。詳細はここを参照のこと。
1-2
When I see you next week, I’ll give you more information.
来週君に会ったら、もっと情報をあげるよ。
解説 when文もif文と同じで「もし~したときには」の妄想時間が表現できる。だから、「未来の内容でも現在形」のルールが当てはまる。これをまとめると「時や条件を表す副詞節の中では、未来の内容でも現在形」となる。後半の「~するつもりだ」はちゃんと未来形になっているのに注意。
1-3
It is now possible to predict when a typhoon will come ashore.
いつ台風が上陸するのかを予測するのは今では可能です。
解説 同じwhenでも「いつ台風が上陸するかということ」は副詞節ではなくて名詞節。言い方を換えると、when文は「予想する(predict)+何を」の「何を」の所に来ているのだから、「何を」は名詞じゃないといけない。名詞節の中では未来の内容は未来形で表現する。詳細はここを参照すること。
1-4
Airlines will increase fares if the oil price keeps rising.
航空会社はもし原油価格が上昇し続ければ、運賃を値上げするだろう。
解説 1-1と同じで、時や条件を表す副詞節の中では、未来の内容でも現在形で表現する。increase faresで「料金を値上げする」、keep~ingで「~し続ける」の意味の慣用句。運賃はfareで、bus fare(バス)、train fare(電車)、taxi fare(タクシー)などと使う。
1-5
I would like to know if she will join our meeting.
彼女が僕らの集会に来るかどうか、僕は知りたい。
解説 同じifでも「もし~なら」じゃなくて「~かどうかということ」の意味もある。この場合が「彼女が僕らの集会に来るかどうかということ」の方。このif文は「知りたい+何を」の「何を(目的語)」の所に来るので、名詞じゃないといけない。名詞節の中では未来の内容は未来形で表現する。would like toはwant toと同じ意味のちょっと丁寧な表現だと考えれば良い。そして、1-3も1-5もwhenやifが「何を」の所に来ているのがポイント。
2-1
I was just about to phone Linda when the phone rang.
=I was going to phone Linda when the phone started ringing.
電話が鳴り始めたとき、僕はリンダに電話をしようとしていた。
解説 be~toは助動詞記号。これについてはここを参照すること。「約」とか「おおよそ」の意味のaboutだが、原義は「中心点の周辺」。「約100」という場合は、中心点が100でその周辺なのだから99とか101になるが、中心点が「リンダに電話すること」だと、その周辺とは「今まさにリンダに電話をしようとしているとき」を指す。そこからbe about to~に「今まさに~しようとしている」の意味が生まれた。一方、「be going to~」は文字通り「事態が~の方に向かって進んでいる」の意味だから、「今まさに~しようとしている」とほぼ同じ意味になる。副詞justは「ちょうと」とか「まさに」の意味で、文中副詞は否定文にしたときのnotの位置に入るのでbe not about toのnotのところにjustがある。
2-2
He came here two years ago and he is still here.
=He has been here for two years.
彼は2年間ずっとここにいる。
解説 He is hereはisが状態動詞だから進行形にはならない。だから、「ずっとここにいる」の「継続」の意味にするにはisをhave+過去分詞にすれば良い。期間なら for、起点ならsinceで、ここでは期間の for two years、起点ならsince two years ago。
2-3
She got her driver’s license five years ago.
=It is five years since she got her driver’s license.
彼女が運転免許を取得して5年になる。
解説 「~以来・・・だけの時間が経っている」の表現は次の3パターンを覚えておくこと。 「5年間ずっと免許証を所持している」と発想してhave hadにするのがポイント。
⊿僕は運転免許を取得して5年になる。
I have had a drivers license for five years.
Five years have passed since I got my driver’s license.
It is five years since I got my driver’s license.
他に良く出るのがこれ。人get marriedは「結婚する」動作を、人is marriedは「結婚している状態」を表現するので、have been marriedは「結婚し続けている」ではなく「結婚してずっと一緒に生活している」の意味になる。
⊿僕らは結婚して5年になる。
We have been married for five years.
Five years have passed since we got married.
It is five years since we got married.
1つ言わせてもらうと、執筆者はここではIt is five years~の構文だけを扱って、残りは「英語表現Ⅱ」に回すと言っている。これが構文かどうかは別にして、この3つを一度に学習することがそんなに大変なことなのか?逆に、バラバラで扱う方が子供達の理解を妨げやしないか?
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