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英語を読むためのルール16・その24

今回も赤本の2007年度、名古屋大学の長文を使って遊びましょう。先ず、宿題から片付けます。draw upの意味を推測して、下線部を和訳するのが宿題でしたね。今枝君!ちゃんと考えてみましたか?
From that research, scientists are gaining intriguing insights into the people we become as adults.  Does the manager who runs a congenial office call on the peacemaking skills learned in the family playroom?  Does the student struggling with a professor who plays favorites draw upon the coping skills acquired from dealing with a sister who was Daddy’s girl?  Do husbands and wives benefit from the inter-gender negotiations they experienced when their most important partners were their sisters and brothers?  All this is under investigation.  “Siblings have just been off the radar screen until now,” says Conger.  But today serious work is revealing exactly how our brothers and sisters influence us.
その研究から、成長してどのような人になるかということに関して、科学者たちは興味深い識見を手にしつつある。協調的な職場で指揮をとっている責任者は、課程の子供部屋で身につけた仲裁能力を働かせているのではないか。えこひいきをする教授と闘う学生は、パパのお気に入りだった姉妹とつき合う中で身につけた対処能力を生かしているのではないか。夫や妻たちにとって、最も大切な相手が兄弟姉妹であったときに経験した異性の兄弟姉妹とのやりとりが役立っているのではないか。それらすべてが、今、研究段階にある。「兄弟姉妹関係は、現在に至るまでレーダースクリーンの外にあったわけです」とコンガー(カンジャーが正しい)は言う。しかし今日の熱心な研究のおかげで、兄弟姉妹関係が我々に与える影響がまさに解明されようとしている。
青い部分の2つの英文に注目して見てください。2つともDoesから始まる疑問文で、文の構造がとてもよく似ているのが分かりますね。
Does the managercall onthe peacemaking skills ?
Does the student  draw upon the coping skills ?

この様に、英語は同じ内容を念押しするとき、内容だけでなく同じ文構造を繰り返し使うことが良くあります。だから、前の文の述語動詞call onは後の文のdraw uponと対比・対照されていて、ほぼ同じ意味内容だと推察できます。使われている前置詞もonとuponで同じですよね。あ、onの古い形がuponですからね。そして、前にも書いたように call on の表現する「頼る」の意味の大半をonが担っていたように、draw uponも全く同様に「頼る」の意味を表現していて、その意味の大半をuponが担っています。
君は他の人の助けに頼ることができる。
You can call on others for help.
=You can draw upon others for help.
模試や入試では、この様な「文構造の反復」を利用して問題を作ります。例えば宿題のように、call onからdraw uponの意味を推測させるような問題です。そんなときには、どの語句がそれぞれ対比・対照されているのかを見極められれば簡単に答えにたどり着けます。この様な解法テクニックを「対比・対照法」と呼んでいます。大学受験用の熟語集には普通、draw uponなんか載ってないので、見たことのない表現を問われるとすぐにあきらめる子がいますが、そこで「もしかして対比・対照法か?」と疑ってみることが大切です。
赤本はdraw uponを「生かす」と和訳してますが、call onと同じように「働かせる」とやっても全く問題ありません。
その学生は対処能力を働かせているはずだ。
Does the student draw upon the coping skills.
疑問文の形をしていますが、これは確実性の高い推測を表現しているので、「頼ってますか?」ではなく「頼ってるはずだ」としました。そして、the studentには長い飾りが付いています。
えこ贔屓をする教授と戦っている学生
the student struggling with a professor who plays favorites
2語以上の長い飾りだから、飾られる名詞の後ろに付いてますね。これを薮下は「ETの法則」と呼んでいるのですが、気になる子はここそこを参照してみてください。「ETの法則」はこの先の第4ルールのところで詳しく勉強します。あ、struggle with Aで「Aと戦う、奮闘する」です。そしてplay favorites(えこ贔屓する)はplay doctor(お医者さんごっこをする)と同じで「遊ぶ」の仲間なのが面白いですね。でも、えこ贔屓を遊びでやられ日には、こっちはたまりませ。また、the coping skillsにも長い飾りが付いてます。
お父さんっ子だった姉や妹との付き合いから学んだ対処能力
the coping skills acquired from dealing with a sister who was Daddy’s girl
「人は対処能力を学ぶ、対処能力は人によって学ばれる」からacquiredの過去分詞になってます。何から学ぶのかをfrom以下が表現しています。deal with人は「人と付き合う」「人と取引する」です。fromが前置詞なので、直後は動名詞になってます。あ、Daddy’s girlは、お父さんがえこ贔屓してかわいがってる娘の意味なのだけど、赤本のように「パパのお気に入り」とやるとちょっと変な感じなので「お父さんっ子」の方が良いでしょう。

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