森田君の挑戦(31)
<問題>
京都大学 1990年度(1)
使い捨ての時代だと言われている。まだ使える電気製品や家具ばかりか、ペットまでがゴミとして捨てられるしまつである。なるほど生活の物質面は豊かになったが、心の生活はますます貧しくなってしまったようである。身近な物や動物への愛情なくして、人間への温かい気持ちを期待できるわけがない。
<答案>
It is said that in this era people throw away things which are still usable. What people throw away as trash are not only furniture or electric tools which are still usable, but also pets. In fact, there are a lot of convenient tools around us, but people are spiritually poor. We cannot expect that other people take care of us because people don’t take care of tools or animals around them.
<読者への挑戦>
赤い部分の英語が間違っています。さて、どうしてそれが間違っているのか、またどうすれば正しい表現になるのかを考えてみてください。
<添削>
森田君!君は「使い捨ての時代」を上手く具体化しましたね。「今の時代、人はまだ使える物を捨ててしまう」としたのは大したものです。あ、そう言えば赤本も「一度だけしか使ってないのに人は物を捨ててしまう」と具体化したのですが、people throw things away even after using only onceと英訳してしまってます。これでは全くダメですね!なぜなら、useは他動詞ですから絶対に目的語が必要なのですよ。だから、even after using them only onceにしなくてはなりません。しっかりしてくださいよ!さて、今日は「人間への温かい気持ちを期待する」の表現を勉強しましょう。
We cannot expect that other people take care of us
まず、take care of 人で「人の面倒を見る」とか「人の世話をする」、一方take care of物なら「物を大事にする」、take care of事なら「事を処理する」とか「事を引き受ける」の意味になります。だから、「人に対する温かい気持ち」と「物に対する愛情」の両方をtake care ofでは表現できません。つまり、take care of tools or animalsは「道具や動物を大事にする」の意味にはなるのですが、take care of usとすると「僕らの世話をする」の意味になってしまい「僕らに対する温かい気持ち」の意味にはなりません。ここはもっと簡単に発想してother people are kind to usで良いでしょう。
take care of人=人や動植物の世話をする・面倒を見る
take care of 物=物を大事にする
take care of 事=事を引き受ける、事を処理する
さて、expectですが、かなり大きな確信と正当な理由をもって未来を「予期する」が原義です。だから、絶対に未来の助動詞willが必要で、we cannot expect that other people will be kind to usになってないといけません。または、「人が~するのを期待する」ならexpect人to~を使って、we cannot expect other people to be kind to usとしてやります。
あ、【総合問題演習】の第24回をアップロードしておきました。今回は文法・語法の特集です。時間をみつけてやっておいてくださいね。
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