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森田君の挑戦(30)

<問題>
京都大学 1991年度(1)
友情には、私利私欲をさしはさまないのが本当だと思う。私は友人に、私のために何か取りはからってくれと頼んだり、物質的な利益を得られるようにしてくれと頼んだりしたことはほとんどない。ただ友人とのつき合いを楽しみ、彼らも私とつき合って喜んでいるのを見て満足しているだけである。
 
<答案>
I think that you shouldn’t regard your friendships as what satisfies your hope.  I hardly ask my friends to do something for me or to do something that benefits me.  I am satisfied to spend good times with my friends and to see my friends enjoying times with me.
<読者への挑戦>
赤い部分の英語が間違っています。さて、どうしてそれが間違っているのか、またどうすれば正しい表現になるのかを考えてみてください。
<添削>
久しぶりの「森田君の挑戦」です。森田君!君は「友情には、私利私欲をさしはさまないのが本当だと思う」を「君は友情を自分の欲望を満たすものだと考えるべきではない」と上手に具体化しましたね!この発想はホームランですよ!でも、what satisfies your hopesにしてしまうと「自分の希望を叶えてくれるもの」の意味になるので、「打ち出の小槌」や「アラジンの魔法のランプ」になってしまいます。
①what satisfies your hope
だから「自分の望みを叶えてくれるモノ」ではなくて「自分の欲望を満たすための手段」にしなくてはなりません。つまり、what satisfies your hopesじゃなくa means to satisfy your desiresにしてやります。あ、して欲しいことは1つじゃないので複数形にしないといけません。それに、君が使ったhopesは未来に対する単純な期待なので「私利私欲」にはなりません。やっぱり「欲」とくればdesiresが良いでしょう。
②I hardly ask my friends to do something
日本語が「ほとんどない」になっているのは、ちょっとした引っかけです。確かにhardlyやscarcelyには「ほとんど~ない」の意味があるのですが、これは「程度」について表現する副詞です。こんな具合です。
僕にはそれがほとんど見えない
I can hardly see it.
一方、rarelyやseldomは「めったに~ない」の意味の「頻度」表現です。そして、hardly everやscarcely everも「頻度」として使えます。こんな具合です。
僕はめったに外出しません
I hardly ever go out.
問題文の日本語は「友人に頼むことはめったにない」の意味の「頻度」表現です。だからhardlyをhardly everにしてやります。もちろんrarelyやseldomを使ってもかまいません。
③see my friends enjoying times
前のところのspend good timesが良いのだから、see my friends enjoying timesも良いはずだと普通は思いますよね。ところが、good timesやfun timesのようにtimeに形容詞がついていないと複数形にはならないのですよ!これは、普通は数えないけれど、種類をいうときには数えられるようになるのと似ています。
この池にはたくさんの魚がいる。
There are a lot of fish in this pond.
この池にはたくさんの種類の魚がいる。
There are many kinds of fishes in this pond.
だから、see my friends enjoying timeとするか、形容詞をつけてsee my friends enjoying good timesとしてやります。

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