森田君の挑戦(26)
<問題>1993年度・京都大学
初対面の時には、相手が一体どんな人か分からない。何となく重苦しい雰囲気で、緊張しているし、多少とも不安である。そんな時、お互いにニコッと笑い合えたら、それで意志が通じ合えたような気になり、安心して話せそうに思えてくる。
<答案>
You know nothing about a person who you have never seen. In such a situation, you cannot be relaxed. You feel stress and something anxious. If you are in such a situation, smile with each other. Then you think that you can become close and that you can talk with the person with nothing anxious.
<読者への挑戦>
赤い部分の英語が間違っています。さて、どうしてそれが間違っているのか、またどうすれば正しい表現になるのかを考えてみてください。
<添削>
今回も一度やった問題ですが、久しぶりの「森田君」の答案です。「重苦しい雰囲気」を「くつろいだ気分になれない」と具体化し、relaxが「させる系の他動詞」なので、ちゃんと「人is relaxed」にしているところは感心です。あ、「させる系の他動詞」を忘れた子はここを参照しておいてください。さて、今日は「何となく」「多少とも」と、「お互いに」の表現を勉強しましょう。
①You feel stress and something anxious
something newが「何か新しいもの」、something wrongが「どこか間違っているところ」なのだから、something anxiousで「何か心配なこと」になりそうな気がします。でも、残念ながらそうはなりません。「something+形容詞」は「Something is 形容詞」に書き換えても意味が通じます。こんな具合です。
⊿何かがおかしい。
Something is wrong [with it].
⊿何かが新しい。
Something is new [to人].
⊿何かが心配している?
Something is anxious.
「物=おかしい」「物=新しい」は良いのですが、「物=心配している」はヘンですよね。だって、物が心配する事なんてできないからです。つまり、anxiousの主語は人じゃないといけないわけです。じゃあ「何だか心配」とか「多少不安」をどう英語にすれば良いかというと、こんな風に覚えておくと良いでしょう。
・少し~=a little~
・いくぶん、やや(格式語)=somewhat、rather
・どういうわけか=somehow
この3つならどれを使ってもOKです。だから、You feel stress and something anxiousをYou feel stress and a little anxiousにしてやります。あ、a littleは副詞です、念のため。
そして、with nothing anxiousも同じ理由で使えません。with no~で意味的にはwithoutと同じなので、後ろを動名詞にしてやれば良いでしょう。だから、with nothing anxiousをwithout being anxiousとかwithout feeling anxiousにしてやります。
②smile with each other
困ったことに、参考書や問題集にも「お互いに=with each other」と書いてあるのがあって、そう覚えている子が多いようです。もともとは「お互い=each other」で、前にどんな前置詞が来るのかは文脈によります。
⊿僕らはお互いに知り合いです(お互いを知っている)。
We know each other.
⊿僕らはお互いに同意した。
We agree with each other.
⊿僕らはお互いに微笑み合った。
We smiled at each other.
knowは他動詞ですから前置詞なしでknow人、「人に賛成する」のはagree with人、「人に微笑む」のはsmile at人です。だから、know each other、agree with each other、smile at each otherになるのです。
・
This was written by
yabu. Posted on
金曜日, 12月 14, 2012, at 4:50 PM. Filed under
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