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森田君の挑戦(23)

<問題>京大突破レクチャー
外国語は、ある程度話せるようになってからが問題だ、と聞いたことがある。なるほど、下手なうちは、相手の方がこちらの足りないところを補って聞こうとするので、それなりにコミュニケーションが成立するものだ。ところが、上達すると、先方もそんな気遣いをしなくなり、かえって誤解が生じやすい。
<答案>
I have heard that problems about foreign languages occur after we learn to speak them to some extent.  Surely, while we can’t speak English well, people who we speak to try to listen to our English by means of correcting the parts where we were speaking it with wrong usage, so we can communicate with them to some extent.  However, once we improve our ability to speak English, they don’t consider such a thing and, because of this, we are likely to misunderstand each other.
<読者への挑戦>
赤い部分の英語が間違っています。さて、どうしてそれが間違っているのか、またどうすれば正しい表現になるのかを考えてみてください。
<添削>
「京大突破レクチャー」というのは、駿台がやってるcrash course(特別講座)ですよね。森田君以外にもこのcourseを受講した子が何人かいて、この問題の質問を何度か受けました。森田君の答案の面白いのは、伝聞から個人の経験則になったときに「外国語」が「英語」に変わってしまうところです。採点者がどう判断するかは別にして、薮下はこの「すり替え」を評価します。なぜなら、この問題の話者が後半で「英語」のことを言ってないという確証なんてないからです。ま、危ない試みではあるのですがね!さて、今日は「外国語に関する問題」と「僕らが間違ったやり方で英語を話した部分」の2つの表現について勉強しましょう。
①problems about foreign languages
「~に関する問題」という表現なのですが、これが結構厄介なのですよ。駿台の偉い先生がどんな風に解説をしたのか知りませんが、problem(s) about Aの表現をここでは使えません。どうしてかというと、problem about Aは、A自体に問題がある時にしか使えません。
⊿大気汚染の問題
problems of [about] air pollution
本当はaboutよりもofが正しい使い方です。このaboutもofも「事柄・関連」なので、ofとaboutの混同が起こった結果だと思われます。「大気汚染」自体が諸悪の根源、問題の核心だとすぐに分かりますよね。それに対して、「外国語の問題」と言うとき、「外国語」が諸悪の根源なわけありません。つまり、これは「外国語にまつわる問題」とか「外国語に関連する問題」と言い換えることができるわけです。そんなときは、problems with Aを使います。だから、ここではproblems about foreign languagesをproblems with foreign languagesにしてやります。このproblems with Aなんかはもともとはこうでした。
⊿地球温暖化に関する問題
problems associated with global warming
このassociatedが省略されてwithだけが残ったと考えられるわけですね。
あ、他にもこんな表現をネットで調べてきた子がいます。
財政問題
problems on the financial side
社会問題
problems in society
確かに、この表現は間違ってはいないのですが、onやinがproblemsと結びついているのではなくて、on A side(Aの側にある)とかin society(社会の中にある)だったりするわけです。
②the parts where we were speaking it with wrong usage
次に、森田君は「僕らが間違ったやり方で英語を話した部分」のつもりで、we speak it(=English) with wrong usage at that partとしたかったのでしょうね。残念ながら、これはダメなのですよ!なぜかというと、その前の部分でwe can’t speak Englishと書いているので、we were speaking itと言ってしまうと、そこで矛盾を来してしまいます。つまり、「英語を話す」と言っちゃダメなのです!そうではなくて、「その(英語の)部分を間違って使う」と言わなくてはならないのです。だから、the parts where we were speaking it with wrong usageをthe parts that we were using wrongとしてやります。これは、we were using the parts wrongが飾り文の完全形です。もしwrong usageを使いたいのなら、by means of correcting our wrong usageとすればOKです。最後まで読まないと言いたいことが分からない日本語と、最初の部分で言いたいことを伝えてしまう英語の違いがハッキリと分かる答案でした!

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