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AKB47君からの質問

<質問>
2001年度のセンター試験、問6の最後の段落部分の和訳がよく分かりません。
  She was ready for a battle of wills, but he gave in at once.  It was no longer of the least importance to go to the bay.
赤本の全訳は「彼女は気持ちの食い違いを予測していたが、彼はすぐに折れた。あの入り江に行くのはもうほんの少しも重要なことではなかったのである」となっているのですが、no longerは「もはや~ない」、the least importanceは「重要性が低い」なのですから、一種の2重否定になっていますよね。だから「もはや重要性が低いことはない」、言い換えると「とても重要である」という意味になりませんか?納得の行く説明をお願いします。
<回答>
AKB47君!これは歴代のセンター英語の中でも、結構有名な問題です。ご指摘の最終段落は、設問Bの内容一致問題で問われています。ですから、この段落がちゃんと訳せないと、正しい選択肢を3つ選ぶことはできません。
AKB47君が言うとおり、no longerは「もはや~ない」の意味の慣用句です。でも、the least importanceは「重要性が低い」という意味ではないのですよ!次の例文を見てください。
彼女は何の心配もなくお婆さんの家に行きました。
She went to her grandmother’s house without the least concern.
=She went to her grandmother’s house without any concern.
この様に、the leastが否定の文脈で使われると、anyと同じ意味になるのです。センターのthe leastもno longerという否定の文脈で用いられているので、anyに置き換えられます。
入り江に行くことは何も重要なことではなかった。
It was no longer of the least importance to go to the bay.
=It was no longer of any importance to go to the bay.
だから、赤本の訳語は間違ってはいません。それよりも、薮下が前から言っている赤本の「誤訳」がこの年度の問題にもあるのですよ。
In the days that followed, Jerry hurried to the rocks every morning and exercised his lungs as if everything, the whole of his life, depended on it.  He counted how long he could hold his breath.  Each day he improved his time.  Even back at home he timed himself by the clock, and was proud to find he could hold his breath for two minutes.  The authority of the clock brought close the adventure that was so important to him.
その後の日々、ジェリーは毎朝例の岩場まで急いで出かけ、まるですべてが、つまり彼の人生全体がそれにかかってでもいるかのように、肺を鍛えた。彼は、どれだけ長く息を止めていられるか数えた。日毎に時間は長くなっていった。家に帰ってからも時計で時間を計り、2分間息を止めていられる様になったことが分かったときには誇らしかった。時計のお墨付きをもらったことで、彼にとっては非常に大切な冒険が手元に近づいたのだった。
赤本の著者はThe authority of the clockを「時計のお墨付き」と訳出してますが、「時計のお墨付き」って一体何ですか?薮下は生まれてこの方、時計にお墨付きをもらった事なんて一度もないんですがね。これはとってもひどい誤訳です。ここでのauthorityとは「人の力ではどうにもならないこと」くらいの意味で、the authority of the clockで「人がどんなに抗(あらが)っても、時間が勝手に流れて行くこと」くらいの内容です。だから、この英文の正しい和訳はこうなります。
時の流れは人を待たず、彼にとって非常に大切な冒険の時がどんどん近づいてきた。
薮下は前にロンドン五輪のキャッチフレーズの訳語があまりにも最低だったので、ここでケチョンケチョンに扱(こ)き下ろしました。それと同じことが、センター試験のこの問題でも起きているなら、ちょっと救いようがないですね。つまり、赤本のこの誤訳が、日本中に出回っているセンター英語に関連する問題集で使われているのなら、この国の英語教育って一体何なのでしょうかね?!ウソが書いていある問題集を使って勉強をしている子供達がとってもかわいそうです。それより何より、早く訂正しなさいよね!
それに、この英語はアメリカの小中学校で使われているテキストのレベルです。ということは、僕ら日本の英語教師は、むこうの小中学校レベルの英語もまともに読めないと言うことになります。もう、本当に恥ずかしくって仕方ありません!あ、必然的に設問Bの内容一致問題には正しい記述が2つしかないことになります。一体この責任を誰がとるのでしょうかね?

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