【講義ノート200】無生物主語(13)「させる系の他動詞⑥」
英文法講義ノートも今回で最後となります。長い間、よ~く頑張りましたね。『フォレスト』の章立てに従って英文法を約1年にわたって講義をしてきました。ずいぶん勝手なことを書いてきましたが、理論的に矛盾が多くて分かりにくい「文法体系」よりも、「腑に落ちる時のスッキリ感」を優先させたつもりです。コメントは全て解放しているので、質問があったらいつでもどうぞ。
さて、最終回は「動詞表現から名詞表現への書き換え」です。こんなやつです。
⊿彼女が僕らの申し出を断ったので、僕らはガッカリした。
We were disappointed to hear that she refused our proposal.
=Her refusal of our proposal disappointed us.
この書き換えのポイントは、動詞表現の「that she refused our proposal」を、名詞表現の「her refusal of our proposal」にするところです。あ、このA of Bは「BをAする」で「目的格のof」です。つまり、「僕らの申し出を断ること」なわけです。「目的格のof」を忘れた子はここを参照しておいてください。
そして、disappointは「ガッカリさせる」の意味の「させる系の他動詞」だから、「人is disappointed」、「モノis disappointing」、「モノdisappoint人」の形で使えることを分かってないといけません。また、人is disappointed at[with]Aなら「人はAにがっかりする」となるのですが、これだとAが名詞表現になってしまうので書き換えとして面白くありません。
⊿彼女が僕らの申し出を断ったことに、僕らはガッカリした。
We were disappointed at her resusal of our proposal.
=Her refusal of our proposal disappointed us.
だから、人is disappointed to hear thatS+Vの「SがVするのを聞いて人はガッカリする」を使って動詞表現にしてあるわけです。ね!面白いでしょ!
あ、「すでにやってしまったことシリーズ」の動名詞を使っても、同じ内容が表現できますよ。
⊿彼女が僕らの申し出を断ったので、僕らはガッカリした。
Her refusing our proposal disappointed us.
そして、この書き換えは「ラッキー問題」として出題してますので、ちゃんと勉強しておいてくださいね。
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This was written by
yabu. Posted on
金曜日, 9月 28, 2012, at 10:47 AM. Filed under
「ヤバイ英文法」. Bookmark the
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6 Comments
チェックドリルって更新されてますか・
今からアップロードします。
CHECK DRILL35章「名詞構文・無生物構文」の解説について。土曜日の授業中、させる系の他動詞[奪う]の解説中、次の例文を先生が書きました。”Online shopping will spare us of the trouble of going out.” 最初、この例文をdeprive+人+ofで書いていたため、先生が消し忘れただけだと思いますが…”spare A of B”ではなく”spare A B”の間違えですよね? ※シスタン、ネクステ、オレンジの問題集はすべて後者になってます、、
お察しの通り、これは薮下の大チョンボです。ついては、ミス発見のボーナスポイントを差し上げますので名乗り出てくださいね。そして、試験終了後の答案返却の際に訂正させていただきます。また、これに関連する問題は一切出題しないことにします。「薮研」の方はもうすでに訂正済みです。でも、よく気がつきましたね!さすがです!
こんばんは。
明日から2日間気象大学校を受験します。そこで少し確認しておきたいことが2つあります。
1つめは、前の続きになるのですが、it is ~ for 人
that ~ では、that節の中と人が違っていればこの構文は成立するのかということです。
2つめは、アドバイスがほしいだけなのですが、気象大学校の入試では文章全文の要約が出題される(例年は)のですが、どういうところに重きをおいてみればよいですか?
以上の2点、体調が優れていらっしゃらないかもしれませんが、よろしくお願いします。
飛べない豚君!夏休み以来ですね!明日が受験だとのこと。頑張ってくださいね!さて、ご質問のIt is~for人thatの形の英文はありません。あるのは、次の3つのパターンです。
1.べきshouldと仲の良い形容詞
⊿彼がすぐに出発することが必要だ。
It is necessary for him to go right away.
It is necessary that he should go right away.
2.物が主語になる形容詞
⊿子供がこの川で泳ぐのは危険だ。
It is dangerous for children to swim in this river.
This river is dangerous for children to swim in
3.人が主語になる形容詞
⊿あなたは親切にも僕を手伝ってくれた。
It was kind of you to help me.
You were kind to help me.
「It is形容詞for人that S+V」は、for人とthatの中の主語Sとが重複することになるので、とても無駄な英文になってしまいます。だからこんな英語はありません。パターンは「It→It」、「It→物」、「It→人」の3つで、「It→It」で使う形容詞はべきshouldと仲の良いもの、「It→物」で使う形容詞は物が主語になるもの、「It→人」で使う形容詞は人が主語になるものです。「It→It」と「It→物」はIt is形容詞for人to~、「It→人」はIt is形容詞of人to~の形をとります。詳しい説明は、「薮研」のPDF教材「これだけ英文法」の第2講を読み直してくださいね。
次に、要約のコツですが、全部で8つあります。こんな具合です。
1.原則的に、主張文は各段落の冒頭文にくるので、それをつなぎ合わせる。ただし、場合によっては最終文に段落のまとめがくる場合もある。普通は冒頭文をつなぎ合わせただけで要約の骨格が見えてくる!
2.冒頭文以外に著者の主張を表す語句(I think, I believe,~)、注意語(should, must, have to ~)、強調表現(It is ブリブリ+ that 残り、最上級、比較級)、などがあれば、冒頭文ではなくて、これらが含まれる文が主張文なので、これをつなぎ合わせる。
3.対立表現(but, however ,on the contrary ~)の直後に主張がくる。
4.例示(for example, for instance)の直前に主張がくる。
5.理由を表す語句(because, because of, as, for, since)の直前、結論を表す語句(so, therefore, thus, as a result)の直後に主張がくる。
6.言い換えを表す語(in other words, that is to say, namely)があれば主張が繰り返されていると思え。
7.文章全体のテーマと結論を必ず反映させた要約にせよ!
8.主張をつなぎ合わせて制限字数内でまとめる。超える場合は、「具体文」と「裏付文」を切り捨ててゆく。特にfor example やA such as B などで表現されている「具体文」は要約には入る必要はない。ただし、利用できる表現があれば具体例中の語句でも利用する。
これは「薮研」のPDF教材「ルール16」の中の「英語のロジック」の一番最後にまとめてあったものです。飛べない豚君!明日の君の健闘を祈ってますよ!
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