【講義ノート196】無生物主語(9)「させる系の他動詞②」
今回は、「させる系の他動詞」の中の「人の心の状態や感情」を表現するものを勉強しましょう。
◇良い心の動き
びっくりさせる:surprise、bewilder、astonish、amaze、frighten
・・・↓
興味を持たせる:interest、amuse
・・・↓
興奮させる:excite
・・・↓
満足させる:please、satisfy、delight ←ココに注意!
◇悪い心の動き
びっくりさせる:surprise、bewilder、astonish、amaze、frighten
・・・↓
当惑させる:puzzle、perplex、confuse、disturb
・・・↓
いらつかせる:irritate、annoy
・・・↓
失望させる:disappoint、depress、tire、bore
先ずは前回の復習をちょっとやっておきましょう。日本語では「びっくりする」「興奮する」と発想します。つまり、気持ちが自然にそう「なる」わけですね。一方、英語では「びっくりさせる」「興奮させる」と発想します。つまり、物が人をびっくり「させる」わけです。ここには「なる」の文化と「させる」の文化の違いがよく現れています。発想が根本的に違うわけですから、「させる系の他動詞」はそのままでは日本語になりません。ですから、「させる系の他動詞」だと意識して「させる」を「なる」に変換してやる必要があります。そして、普通なら「人はする・している、モノは人によってされる」で良いのですが、「させる系の他動詞」では「人はされる、モノはする・している」になることに注意します。言い換えると「人is -ed」「モノis -ing」になるわけです。あ、人の心の動きが、良い場合も悪い場合も「驚き」から始まっているのはとっても面白いですよね。
あ、あ、もちろん「人が人を」びっくりさせたり、いらつかせたりすることもあるわけですから、「人 is -ing」の可能性も当然あるわけです。こんな具合です。
⊿僕は一風変わっていて、とても面白い女性だ。
She is very interesting in a different way.
さて、ここまで分かると後は簡単で、上の「させる系の他動詞」を「人is -ed」「モノis -ing」の型に流し込めば文章が簡単にできるわけです。こんな具合です。
⊿僕は彼女のコミュニケーション能力のなさに驚いた。
I was frightened at her inability to communicate with other people.
⊿昨日の台風の風と雨はとても恐ろしかった。
The wind and rain of the typhoon yesterday was frightening.
あ、ほとんどの「させる系」が「人is -ed」、「モノ is -ing」になるのですが、「満足させる」の所には例外がいくつかあります。これは覚えておくほか仕方ありません。
⊿彼から花の贈り物をもらって嬉しかった。
I was delighted with his gift of flowers.
⊿パーティーで過ごした時間はとても楽しかった。
The time at the party was delightful.
delightは「満足させる」だから、「人is delighted with事」で「人は事をうれしいと思う」、「事is delighting」で「事は楽しい」となるはずなのですが、delightingという英語はないので、delightfulを使います。
⊿僕らはその結果にとても満足している。
We are pleased with the result.
⊿クリスマス休暇はとても楽しかった。
The Christmas holidays were very pleasant.
pleaseも「満足させる」だから、「人is pleased with事」で「人は事に満足している」、「事is pleasing」で「事は楽しい」となるはずなのですが、pleasingはとっても格式が高くて普段はあまり使わないので、pleasantを使います。
⊿今持っているモノだけで満足しなくてはなりません。
You should be satisfied with what little you have.
⊿あたしはその食べ物にとても満足した。
I found the food very satisfying.
⊿その食べ物は結婚式にピッタリだった。
The food was satisfactory for the wedding.
satisfyも「満足させる」だから、「人is satisfied with事」で「人は事に満足している」、「事is satisfying」で「事は満足のいくものである」の意味なのですが、satisfactoryという形容詞もあって2つの区別が結構厄介なのです。その食べ物が人を満足させている場合にはsatisfying、その食べ物が何かの要求や必要性を満たしていると言いたいときにはsatisfactoryを使います。ま、ここまでは大学入試で問われることはありませんからご安心を!
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This was written by
yabu. Posted on
月曜日, 9月 17, 2012, at 12:50 PM. Filed under
「ヤバイ英文法」. Bookmark the
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