【講義ノート195】無生物主語(8)「させる系の他動詞①」
⊿僕は英文学に興味を持っています。
I am interested in English literature.
⊿僕は長い時間運転したので、とても疲れています。
I am very tired after a long drive.
「be+過去分詞」の形をしているので「受け身」のはずなのですが、訳語は「~しています」の「進行形」です。ま、進行形と言っても実際に動作が継続しているわけではなくて、「住んでいます」とか「知っています」と同じで、身体や心の状態を表現しているだけですけどね。中学時代、「人is interested in事」や「人is tired from事」は熟語だから、そのまま覚えなさいと言われましたが、理由も説明せずにただ覚えろと言われても、困ってしまいますよね!
薮下はinterestやtireを「させる系の他動詞」と呼んで、普通の他動詞と区別しています。そして、普通の他動詞なら「人はする・している、モノは人によってされる」なのですが、「させる系の他動詞」ではそれが逆になって、「人はされる・モノはする・している」になるのです!ね、面白いでしょ!上の例文も「人is -ed(人はされる)」になってますよね。じゃあ、「モノはする」から1つ1つ見てみましょう。
★モノはする・させる
⊿英文学は僕に興味を持たせる。
English literature interests me.
interestは「興味を持たせる」の意味の他動詞で、欧米の「させる」の文化を象徴する表現です。そして、日本の「なる」の文化にはない表現なので、このままでは和訳不能です。つまり、「モノが人に興味を持たせる」の発想が日本語にはなのですから仕方ありません。だから、次の「★人はされる」で訳出します。
★人はされる
⊿僕は英文学に興味を持たせられている。
→僕は英文学に興味を持っています。
I am interested in English literature.
これは、上の「モノはする・させる」を受け身にしたものです。でも、「させる」の受け身は「させられる」で、やっぱり英語の発想のままでは和訳できません。つまり、「モノが人に興味を持たせる」を受け身にすれば「人はモノによって興味を持たせられている」になってしまい意味不明なわけです。日本の「なる」の文化では、「モノが人に興味を持たせる」のではなくて「人がモノに対して自然に興味を持つようになって、今興味を持っている」じゃないといけません。だから、「人is – ed」の受け身は心の状態を表す「人は興味をもっている」の訳語を付けるとピッタリくるわけです。つまり、受け身なのに進行形の訳語が付くわけです。
発想が行為動詞の「英文学が興味を持たせる」、その受け身の「人は英文学に興味を持たされる」でも、結局は「英文学に興味を持たされている心の状態」を表現している感情形容詞なのがinterestedです。あ、形容詞化した過去分詞のことを「過去分詞形容詞」と呼んでいます。
★モノはしている
⊿英文学は僕の興味を引きつけている。
→英文学は僕には面白い。
English literature is interesting to me.
「be +現在分詞」の形をしているので「進行形」なのですが、英語の発想のまま進行形の訳語を当てて「興味を引きつけている」としたのでは、意味不明です。日本語ではやっぱり「面白い」とか「興味深い」の訳語がピッタリくるわけです。つまり、進行形なのに進行形の訳語が付かないわけですね。
発想が行為動詞の「英文学が人の興味を引きつけている」でも、結局は「英文学が人の心を引きつけている状態」を表現している感情形容詞なのがinterestingです。あ、形容詞化した現在分詞のことを「現在分詞形容詞」と呼んでいます。
・
This was written by
yabu. Posted on
金曜日, 9月 14, 2012, at 4:31 PM. Filed under
「ヤバイ英文法」. Bookmark the
permalink. Follow comments here with the
RSS feed. Trackbacks are closed, but you can
post a comment.
Post a Comment