【講義ノート185】名詞構文(6)
今までは動詞を名詞表現にしていましたが、今回は形容詞を名詞化することを考えます。
■僕はクラブの打ち合わせに出席しなかった。(文)
I was absent from the club meeting.
・・・・↓
⊿僕がクラブの打ち合わせに出席しなかったこと(名詞表現)
my absence from the club meeting
・・・・↓
■僕がクラブの打ち合わせに出席していなかったことに、誰も気がつかなかった。(名詞表現を含む文)
Nobody noticed my absence from the club meeting.
形容詞absentを名詞化するには、(文)の主語をmyに変えて意味上の主語にして、形容詞absentを名詞absenceにしただけで完成していますね。つまり、名詞表現には「形容詞がfromなら名詞もfrom」を使えば良いわけです。次の例文を見てください。
⊿彼は会社経営ができる。(文)
He is able to manage a company.
・・・・↓
⊿彼が会社を経営できること(名詞表現)
his ability to manage a company
・・・・↓
⊿僕らは彼には会社経営の才などあるとは思えない。(名詞表現を含む文)
We don’t believe in his ability to manage a company.
形容詞の中には「まだやってないこと、これからやるべきことを表す不定詞」と仲の良いモノがあります。そんなときは「形容詞がtoなら名詞もto」を使います。名詞表現は、いつも前置詞を使って作るとは限らないわけですね。あ、不定詞と動名詞の違いを忘れた子はここを復習しておいてくださいね。
これを見てると、形容詞を名詞化するときには「その周りに必要な要素を付け加え」る必要はないし、「形容詞がfromなら、名詞もfrom」「形容詞がtoなら名詞もto」だったら頭を使わなくてもすむような気がします。でも、なかなかそうは行きません。いつもこうなら、言語の習得はとっても簡単なのですが、言語には例外はつきものだから困ります。!
⊿彼は自分の息子のことを自慢に思っている。(文)
He is proud of his son.
・・・・↓
⊿彼が自分の息子を自慢に思っていること(名詞表現)
his pride in his son
・・・・↓
⊿彼はいつも自分の息子の自慢になってしまう。(名詞表現を含む文)
It is hard to hide his pride in his son
この様に、形容詞proudは「事柄・関連のof」を従えて「be proud of」という慣用句を作るのですが、これが名詞prideになると「視点・観点のin」や「事柄・関連のon」と仲良くなってしまいます。つまり、「形容詞がofなら名詞もof」とは行かないわけですね。
⊿彼は自分の息子のことを自慢に思っている。
He is proud of his son.
He takes pride in his son.
He prides himself on his son.
ま、「名詞構文」の知識は無駄にはならないのですが、結局は大切な慣用句は1つ1つちゃんと覚えなくちゃならないわけですね。
【第35章 名詞構文・無生物主語】例文=313
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This was written by
yabu. Posted on
日曜日, 8月 26, 2012, at 8:01 AM. Filed under
「ヤバイ英文法」. Bookmark the
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4 Comments
こんばんは
2つ質問があります。
英語問題総整理の126ページ426番のような問題で
複合関係詞を選択する時に、(この問題にはありませんが)whicheverとwhateverがあると、どちらを選べば良いか迷ってしまいます。何か明確に判断する方法はありませんか。
2つ目は、
128ページ431番(1)でliveが現在完了進行形で使われていますが、liveは状態動詞なので進行形にならないのではないでしょうか。
委員長!回答が遅くなってごめんなさい。先ず最初の質問ですが、これは日本語でも同じ事なのですが、「何の本でも=whatever books」でも「どの本でも=whichever books」でも、どっちも空所に入ります。あ、薮下は今、「どっちの言葉も」空所に入ると言いましたね。
■どっちの選択肢も空所に入れることができます。
You can use whichever words you fill the blank with.
選択肢が2つしかなくて、選択の幅が狭いので、日本語でも「何の言葉でも」じゃなくて「どっちの言葉も」を使うでしょ。選択肢が2つではなくても、目の前にある限られた選択肢の中から選ぶときは「どっちでも」ではなくて「どれでも」です。「どっちでも」も「どれでも」も英語は同じwhicheverです。要は、選択肢の幅が狭かったり限定的だったりしたらwhicheverだと思えば良いのです。一方、「何でも」となると、選択肢の幅が大幅に広がりますよね。場合によっては無限大です。そんなときはwhateverを使います。
■何でも好きなのを選びなさい。(選択肢の幅が広い)
Choose whatever you like.
■どれでも好き何を選びなさい。(選択肢の幅が狭い)
Choose whichever you like.
問題の英文ですが、「研究に必要な本は何でも借りられます」でも「研究に必要な本はどれでも借りられます」でも意味は成り立ちます。ですから、もし選択肢にwhicheverとwhateverの両方があれば、どちらも正解となってしまい、問題が成立しなくなります。
さて、2つ目の質問ですが、liveは「状態動詞」なので進行形にはならないはずじゃないか?ということですね。先ず、結論から先に言うと、「ずっと住んでいる(た)」の意味を選ばせたくて、選択肢「have lived」と「have been living」を同居させることはありません。言い換えると、次の英文は両方とも正しいわけです。
■僕は名古屋に10年間ずっと住んでいます。
I have lived in Nagoya for ten years.
I have been living in Nagoya for ten years.
liveは「状態動詞」です。ですから、その状態がしばらくの間続くことを前提としています。言い換えると、ある瞬間名古屋に住んでいて、次の瞬間に北海道に住むことはできないわけです。じゃあ、どうしてliveを「動作動詞」として使うようになったのかと言うと、普段は名古屋に住んでいるのだけれど、仕事か何かで一時的に北海道に住んでいると言いたい様なとき、それは「長期的な状態」ではなくて「一時的な動作」と考えられるのでhave been livingという表現が成り立つからなのです。でも、現代米語ではこの2つを「長期的」や「一時的」の区別なく普通に使っています。2つの表現が混ざってしまったわけですね。結果的には、liveを「状態動詞」と考えても「動作動詞」と考えても良いわけです。言葉って厄介ですね!
あと、もう一点、
130ページの434番のCは
なぜ、inでなくonなのでしょうか。
委員長!「もう1点」ときましたね!なかなかやりますね!さて、onは後ろの名詞farmとセットになってます。問題集の右側の説明にも「on a farm=農場で」と書いてあるでしょ。同じように、on a reservation(保留地)やon an island(島)もonとセットになります。イメージとしては平面上に家や人が立っている感じですね。でも、これは理屈じゃなくて、セット・フレーズ(set phrase)です。
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