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【講義ノート181】名詞構文(2)

名詞表現を作るときに使う『フォレスト』の言う「その周りに必要な要素を付け加える」操作に付いてもう少し細かく見てみましょう。
彼は新しいウィルスを発見した。(文)
He discovered a new virus.
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彼が新しいウィルスを発見したこと名詞表現)
his discovery of a new virus
the discovery of a new virus by him
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■その科学者は、自分が新しいウィルスを発見したことを報告した。(名詞表現を含む文)
The scientist reported his discovery of a new virus.
先ず、他動詞discovered(発見した)を「発見したこと」の意味の名詞表現に変えることを考えます。他動詞には目的語「何」が必要で、それがa new virusなわけです。そして、他動詞を名詞表現にする時に使う「その周りに必要な要素を付け加える」操作が「A of B」でしたね。このA of Bは「BAする」の意味で、このofを「目的格のof」と呼びます。他動詞には目的語が必要なので「目的格のof」、目的語は「何」なので「BAする」と覚えます。
(文)の場合はHeが主語でdiscoveredが動詞ですが、(名詞表現)になると、hisとdiscoveryの間には(文)だった時のSVの関係が残っているのだけれど、(名詞表現を含む文)の事実上の主語ではなくなるので、hisはdiscoveryの「意味上の主語」だと言います。あ、他動詞は受け身になるので「彼によってそのウィルスが発見された」と考えると、「by+名詞」も意味上の主語になります。他動詞が名詞化してできた名詞表現で、「意味上の主語」は2通りの方法で表すことができるわけです。
彼は首相官邸に到着した。
He arrived at his official residence.(文)
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彼が首相官邸に到着したこと。
his arrival at his official residence(名詞表現)
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僕らは彼が首相官邸に到着したなんて聞いてなかった。
We didn’t know about his arrival at his official residence.(名詞表現を含む文)
さて、今度は自動詞arrived(到着した)を「到着したこと」の意味の名詞表現に変えることを考えます。自動詞には目的語「何を」が必要ありません。だから、at his official residenceはarrivedの目的語なんかじゃなくて、「どこ?」の情報を補足説明している副詞です。ま、「前置詞+名詞」は副詞か形容詞にしかならないのだから、これを目的語だなんて考える子はいないでしょう!そして、(文)の主語が人称代名詞の時、自動詞は「A of B」を使って名詞表現にはしません。つまり、「その周りに必要な要素を付け加える」必要はないわけです。
他動詞の時と全く同じように、(文)の場合はHeが主語でarrivedが動詞だけど、名詞表現になると、hisとarrivalの間には(文)だった時のSVの関係が残ってはいるのだけど、(名詞表現を含む文)の事実上の主語ではないので、hisはarrivalの「意味上の主語」だと言います。あ、自動詞は受け身にはならないので、by himが「意味上の主語」になることはありません。あ、あ、know Aで「Aを直接見たり経験したりして知っている」、know about Aで「Aのことを間接的に人から聞いて知っている」くらいの意味になります。
さて、今回は文の主語が人称代名詞 Heの場合を見てきました。次回は文の主語を人称代名詞ではなくDr. Yamauchiやthe prime ministerにすると、その名詞表現がどう変わるのかを考えてみましょう。
【第35章 名詞構文・無生物主語】例文=312

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