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【講義ノート179】「重文」の転換

文の中に文が入っている文の多重構造を「複文」と言います。言い換えると「接続詞」がセットになって、別の文とつながっているわけです。あ、「複文」にはもう1つ、左右を入れ替えられるものもあるので覚えておいてください。こんな具合です。
Kateがここに来たら教えてください。
Please tell me if Kate comes here. =If Kate comes here, please tell me.
Kateがここに来たかどうか分かりませんでした。
I didn’t know if Kate came here.
上のは「接続詞+文」がセットになって左右を入れ替えられるモノ、下のが「接続詞+文」が別の文の中に入っていて入れ替えが利かないものです。前にやったのは、下の文の中に文が入っているやつでしたね。
さて、今回のは「重文」と言って、and、but、orが文と文とを結んでいるやつです。言い換えると、文が単純にandやbutやorでつながっていて、左から右へと文が連なっているだけです。「複文」の様に、文の左右を入れ替えたり、文の中に文が入っているようなことはありません。こんな具合です。
その人は、「私は昨日ここに着いて、3日間滞在するつもりだ」と言った。
The man said, “I arrived here yesterday, and I will stay for three days.”
The man said that he had arrived there the day before, and that he would stay for three days.
「英語を読むためのルール16」の16番目に、「and、but、orが出てきたら、直後に注目して直前に同じ形を探せ」というのがありました。「重文」の話法を転換するときには、このルールがちゃんと成り立つように、and、butの後ろにthatを補ってやることが大切です。
彼女は、「昨日は気分がすぐれなかったのですが、今は大丈夫です」と言った。
She said, “I didn’t feel well yesterday, but I’m all right now.”
She said that she had not felt well the day before, but that she was all right then.
butの場合もandと全く同じで、thatを補いさえすればOKです。
彼はあたしに「疲れたの?それとも気分が悪いの?」と言った。
He said to me, “Are you tired? Or do you feel sick?”
He asked me if I was tired or if I felt sick.
一方、orは疑問文(Yes/No疑問文)を結んでるので「~かどうか」の意味の if か whether を補うことになります。
【第34章 話法】例文=309

2 Comments

  1. 委員長 wrote:

    こんばんは
    質問があります。
    I am not finished with my homework.
    →私はまだ宿題を終えていない。
    こういう文をセンターの過去問で見つけたのですが、
    このように受身のような形をしていて完了の訳出をする英文はよく出てくるのでしょうか。

    木曜日, 8月 16, 2012 at 10:19 PM | Permalink
  2. yabu wrote:

    <回答>
    委員長は以前ここ(http://blog.meigaku.ac.jp/yabu/?p=6517)でconcernとbe concernedの違いについて質問してましたよね。concernは「関係させる」の意味の「させる系の他動詞」でした。今回、委員長が質問しているfinishも「終わらせる」の意味の「させる系」です。ま、日本語では普通、「終える」と言いますけどね。どうしてかというと、英語は「させる」の言語だけど、日本語は「なる」の言語だからです。「させる系」の特徴は「人is -ed」の形で、その人の状態を説明できることでしたね。そして、これは受け身の形をしているのだけれど、「人は~の状態でいる・ある」の様に受け身の訳語がつきませんでした。「させる系」についてはここ(http://blog.meigaku.ac.jp/yabu/?p=1831)で説明しています。
    ⊿やっとその仕事をやり終えた。(動作)
    I have just finished the job.
    ⊿その仕事ならやっちゃったよ。(状態)
    I am finished with the job.
    だから、上のように「人finish事」で「人は事をやり終える」という動作を、「人is finished with事」で「人は事をやり終えている」という状態を表現します。あ、動作のfinishは完了形を使うのが普通です。ですから、正確に言うと「受け身の形をしていて完了の訳出をする」のではなくて、「受け身の形をしていて完了している状態を表現する」わけです。他にもこんなのがあります。
    ⊿その出来事で、民主党は議席を失った。(動作)
    The incident has lost the Democratic Party their seats.
    ⊿森で道に迷ってしまった。(状態)
    I was lost in the woods.
    loseも「失わせる」の意味の「させる系」です。上の例文は「その出来事が民主党から彼らの議席を失わせた」が原義になります。だから「人is lost」の形で「道を見失った状態」を表すことができます。
    ⊿彼は中国に出張していて、今いません。(動作)
    He has gone to China in business.
    ⊿彼は行っちゃったわよ。(状態)
    He is gone.
    このgoには「させる」の意味はありません。だから「人is gone」を「させる系」から説明することができません。「させる系」で説明できるのは他動詞だけです。でも、goのような自動詞も過去分詞化すると状態をあらわすことができるわけです。言い換えると、他動詞が過去分詞になると「させられた状態」を、自動詞は「勝手にそうなった状態」を表現しているわけですね。
    別の見方をすると、他動詞は受け身になるので「人is -ed」は一見すると受け身のように見えます。でも実際は「人is形容詞」と同じ状態文だというのが「させる系」でした。でも、自動詞は受け身にはならないので、自動詞が「人is -ed」になっても状態文だとすぐに分かるわけです。薮下が「させる系」を意識させたいのはそういうワケです。

    金曜日, 8月 17, 2012 at 10:22 AM | Permalink

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