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【講義ノート177】「場所や時の副詞」と「指示代名詞」

■彼は僕らに、「君たちはここで今日は野球をしてはいけないよ」と言った。
He said to us, “You can’t play baseball here today.”
He told us that we could not play baseball there that day.
さて、話法の転換で注意しなくちゃならないのは、場所や時間の副詞を変えなきゃならないことです。例文も「今日ここで」が「その日、そこで」になってますね。
あたしは警察に、「これはあたしのハンドバッグよ!」と言った。
I said to the police officer, “This is my handbag.”
I told the police officer [that] that was my handbag.
場所や時間の副詞だけじゃなくて、指示代名詞も変わります。例文も「これ」が「それ」になってますね。あ、複数形のtheseはthoseに変わります。
この「時と場所の副詞」や「指示代名詞」については、『フォレスト』にも付表が付いていて、ちゃんとまとまっています。でも、いつもこの表通りには行かないのが厄介なところです。特に、セリフをしゃべっている現実時間がtodayやyesterdayに限定されている時には注意が必要です。こんな具合です。
彼は今日、「明日には戻ってきます」と言った。
He said today, “I will come back tomorrow.”
He said today that he would come back tomorrow.
かぎカッコをはずすと、普通はtomorrowがthe next dayとかthe fololow dayになるのですが、セリフをしゃべっているのがtodayなのだから、そのカッコを外しても明日は明日です。あ、todayなのになぜ過去形なのか悩んでる子はいませんか?「今日」には時間の幅があるので、そのセリフはもうすでにしゃべったことなのに、「今日」はまだ終わってないことだってあるんですよ。
彼は昨日、「明日には戻ってきます」と言った。
He said yesterday, “I will come back tomorrow.”
He said yesterday that he would come back today.
今度は、セリフをしゃべったのがyesterdayで、そのセリフの中に出てくるtomorrowは時間が1つ古くなるとtodayですよね。あ、今日のまとめは「フォレスト」の表を参照しておいてくださいね。
【第34章 話法】例文=302

2 Comments

  1. 飛べない豚 wrote:

    質問があります。お願いします。
    yetの逆接を訳するときについてです。
    Thus,most of the paper remains unread ,
    yet you still have to buy all of it.
    (英文和訳道場第8回より)の先生の訳は 
    「だから、新聞のほとんどは読まれることはないのだが、それでも新聞を一冊全部購入しなくてはならないのだ。」になっています。一方、妾の拙い和訳は「ゆえに、あなたは新聞のすべてを買わなければならないが、その大部分はよまれないままだ。」という風になっています。「~だが」がかかる部分が違っているのです。
    これはアウトですか??
    それと、これはお願いなのですが、今プリンターを修理に出しています。戻ってくるまでまだ大分時間がかかるみたいなので第22回からまたコピーしていただきたいのです。お手数だとは思いますがお願いできませんか?

    月曜日, 8月 13, 2012 at 11:28 PM | Permalink
  2. yabu wrote:

    飛べない豚君!和訳道場の第8回まで進んだみたいですね。ちゃんと続いているところは、なかなか感心です。さて、ご質問のyetですが、これは従属接続詞ではなくて等位接続詞です。つまり、thoughではなくてbutと同じ使い方です。
    「しかし」の意味を表す接続詞には2種類あって、それが等位接続詞か、従属接続詞かをちゃんと分かってないといけません。
    ⊿かれは細心の注意を払ったが、それでも間違いを犯した。
    He took great care, yet he made a mistake.
    He took great care, but he made a mistake.
    文は左から右へ文が流れるので、等位接続詞を中心に2つの文を入れ替えることはできません。つまり、「朝起きて、そして学校へ行った」を「学校へ行って、そして朝起きた」にすることはできないわけです。
    ⊿かれは細心の注意を払ったが、それでも間違いを犯した。
    Though he took great care, he made a mistake.
    He made a mistake though he took great care.
    一方、従属接続詞の方は「接続詞+文」がセットになっているので、2つの文を入れ替えても文意は変わりませんでした。
    ご質問のyetはbutと同じ等位接続詞ですから、「学校へ行って、そして朝起きた」にはなりません。つまり、飛べない豚君がやってる様に、「新聞を1冊全部買わないといけないが、新聞のほとんどを読むことはない」としてはいけないわけです。ですから、飛べない豚君の和訳はアウトです!
    多分、飛べない豚君は自分の和訳の正当性を、「彼は若いのだがお金持ちだ」=「彼はお金持ちなのだが若い」の等式が成立することに求めたんじゃないかと思われます。つまり、逆接関係にある2文は左右を入れ替えても矛盾を生じませんよね。順接関係でも連続じゃなく同時に起こった2文は左右を入れ替えられます。例えば「おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行った」の左右を入れ替えて「おばあさんは川へ洗濯に、おじいさんは山へ芝刈りに行った」としても論理的には正しいわけです。でも、これは飛べない豚君が勝手に自分で組み立てた文脈なのですよ!著者の書いた文脈はちゃんと尊重しなくてはなりません!桃太郎のお話は、先ずおじいさんがどこにいったのかから始まらないといけないのです。A and BやA but Bの等位接続詞が結ぶ文は左から右へと文が流れるのが自然なのですからね。あ、それから第22回以降の和訳道場は20日に印刷してあげますよ。

    火曜日, 8月 14, 2012 at 10:43 AM | Permalink

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