【講義ノート156】「どんなにしてもし過ぎることはない」
■君は車を運転するとき、どんなに注意してもし過ぎることはない。
You cannot be too careful in driving a car.
=You cannot be careful enough in driving a car.
inは「視点・観点のin」で「車を運転するという点で」の意味。「注意し過ぎる」んだから形容詞carefulを副詞のtooやenoughで飾ってやります。あ、副詞のtooとenoughの位置に注意してください。
・very careful(とても注意深い)
・too careful(注意深すぎる)
・careful enough(十分に注意深い)
だから「車を運転するという点で、君は注意深すぎるということはあり得ない」「車を運転するという点で、君は十分に注意深くなんてあり得ない」が原義です。じゃあ、次の例文はどうでしょうか。
■僕は君にどんなに感謝してもしきれない。
I cannot thank you too much.
=I cannot thank you enough.
今度は「感謝し過ぎる」んだから動詞thankを副詞too muchやenoughで飾ってやります。動詞を飾る場合にはtoo muchにしなきゃダメ。そんなことは中学生でも知ってるよね。だって、Thank you very much!だもんね。
・thank you very much(君にとても感謝している)
・thank you too much(君に感謝し過ぎている)
・thank you enough(君に十分感謝している)
まとめておくと、形容詞・副詞はtooとenough、動詞はtoo muchとenoughで飾れ!となります。それでは類題を解いてみましょう。
車の運転をするときは、いくら注意してもし過ぎることはない。
You [ when / be / drive / careful / you / cannot / car / too / a ].
→You cannot be too careful when you drive a car.
[難]自由貿易の重要性をいくら強調してもしすぎることはない。
I cannot [free trade / the importance / emphasize / too much / of ]
→I cannot emphasize too much the importance of free trade.
■too muchやenoughを動詞の直後に置いてあるのはなぜかというと、もし文末に置くと「何を(目的語)」が長過ぎて「僕は強調できない」という単なる否定文だと間違えられる可能性があるから。曖昧性を排除するのは、とても大切だと言うことですね。enoughを使っても同じです。
I cannot emphasize enough the importance of free trade.
【第33章 否定(2)】例文=294
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This was written by
yabu. Posted on
日曜日, 7月 15, 2012, at 8:35 AM. Filed under
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3 Comments
お忙しいところすいません。
3つ質問があります。
A new survey indicated that there were
only 23000 wild lions left.
たったの2万3千頭しか野生のライオンが存在しない
ことが新たな調査で示された。
この英文の文末のleftがなくても文が成立する気がするのですが、省略しても構わないんでしょうか。
Why a language becomes a global language
has little to do with the number of
people who speak it.
なぜある言語が世界中で使用される言語になるのかは、その言語を話す人々の数とはほとんど関係がない。
この和訳文中の
なぜある言語が世界中で使用される言語になるのか
を、
ある言語が世界中で使用される言語になる理由
と訳すのは不適切なんでしょうか。
最後に、
~するためにのtoと、in order to,so as toの
用法の違いをお教えください。
長々とすいません。
委員長の考えるとおり、There were only 23.000 wild lions.でも文が成立します。でも、今までと比較して現在の残存数を論じているこの文脈ではleftが必要です。日本語にしてみるとこんな具合です。
・たったの2万3千頭の野生のライオンしかいない。
・たったの2万3千頭の野生のライオンしか残っていない。
whyS+Vの「疑問詞+文」は間接疑問文だから、「なぜSがVするのかということ」でも「SがVする理由」でもOKです。これはwhereS+Vが「どこでSがVするのかということ」でも「SがVする場所」でも良いのと同じです。これはそれぞれ先行詞が省略されているthe reason why S+Vやthe place whereS+Vを考えれば簡単に分かりますね。
in order toもso as toも1語の不定詞toと全く同じ意味・用法です。薮下はin orderやso asが脱落してtoだけが残ったのが不定詞の副詞用法「何するためにのto」と覚えなさいと言っています。実際にはin order toやso as toの方が格式張った硬い表現になります。でも、受験英語ではこの3つを区別しません。注意するのは、否定形のin order not toとso as not toでしょうかね。ま、toの直前にnotを入れると覚えておくと良いでしょう。
ご丁寧にありがとうございます。
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