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【講義ノート131】「仮定法過去、仮定法過去完了」

■もしあたしが鳥なら、あんたの所へ飛んで行けるのに。
If I were a bird, I could fly to you.
■もしあのときあたしが鳥だったら、あんたの所へ飛んで行けたのに。
If I had been a bird, I could have flown to you.
「明るい妄想」なんてあまりないので、「仮定法」をやっているとだんだん気分が悪くなってきます。「お金があれば・・・」とか「彼氏がいれば・・・」など、大方の例文が悔やんでばかりいるからです。そんな中で、数少ない「明るい妄想」がこの例文です。
「妄想」には、目の前の事実とは反対のことを妄想するか、実現不可能なことを妄想するか、の2つがあるとテキストには書いてありますが、別に区別する必要などありません。妄想の種類なんかよりも、「現実時間-1=妄想時間」の方がずっと大切です。言い換えると、上の例文は「今あたしは鳥じゃないので、あんたの所へは飛んで行けない」という実現不可能な現実が隠されているのですが、それよりも「もしあたしが鳥ならば、あんたの所へ飛んで行けるのに」が「現在形-1=過去形」で過去形で表現され、「仮定法過去」と呼ばれていることの方がずっと大切です。つまり、「を悔やむときは過去形で悔やむ」わけです。
一方、下の例文は「あの時あたは鳥じゃなかったので、あんたの所へは飛んで行けなかった」という実現不可能な現実が隠されているのすが、それよりも「あたしがあの時鳥だったら、あんたの所へ飛んで行けたのに」が「過去形-1=過去完了形」で表現され、「仮定法過去完了」と呼ばれているわけです。つまり、「を悔やむときは大昔(大過去形)で悔やむ」わけですね。
<今を悔やむときは過去形で悔やむ>
I am not a bird.→If I were a bird~
I cannot fly to you.→I could fly to you.
こっちはすごく分かりやすいですよね。amがwasじゃなくてwereになっているのは、これも一種の妄想記号で、普通じゃI wereとかhe wereなってあり得ないですよね。だから一目で妄想時間だと分かるわけです。あ、でも最近の口語ではwasを平気で使います。
<昔を悔やむときは大昔(大過去)で悔やむ>
I was not a bird.→If I had been a bird~
I could not fly to you.→I could have flown to you.
こっちはちょっと注意が必要です。昔を悔やむときはhad+過去分詞(大過去・大昔)で悔やむのですから、was が had been になるのは分かりますよね。じゃあ、後半の帰結節はどうかというと、こっちもhad flownで悔やみたいのです。でも、助動詞couldの後ろは原形だから、had flownじゃなくてhave flown!と覚えてください。あ、帰結節には普通、助動詞のwould、could、mightがつきます。これはテキストにあるとおりの意味です。
・would=だろうに
・could=できるだろうに
・might=かもしれないだろうに
shouldがないのは、今ではwouldで間に合うからです。古くて格式の高い英語の一人称では良くshouldが使われていたみたいです。こんな具合です。
■お手洗いを貸して欲しいのですが。
I would like to use your bathroom.
=I should like to use your bathroom.
では類題を解いて見ましょう。
If it had not been so cold, I (      ) to see you yesterday.【①】
①should have come・・・・②should come
③had come・・・・・・・・・・・・④came
■もし昨日そんなに寒くなければ、君に会いに行ったのに。
If I knew his address, I (      ) to him.【①】
①could write・・・・・・②could have written
③have written・・・・④had written
■今彼の住所が分かっていたら、彼に手紙が書けるのに。
If I (      ) enough money then, I would have bought the mansion.【④】
①have・・・・・・・・②had  
③have had・・・・④had had
■あの時十分なお金があれば、マンションを買っていたのに。
He would go mad if he (      ) that.【②】
①hears ・・・・・・・・②heard 
③has heard・・・・④would hear
■もし彼がそれを聞いたら、怒るだろうなア。
【第28章 仮定法(1)】例文=241・242

6 Comments

  1. moumoon wrote:

    この講義に関係のない質問ですいません。
    三年一学期中間テストのこれだけ英語構文1~10は日本語訳はついた状態(元々ついてないものは除く)ですか?
    あとオレンジの総復習も訳のついた状態ですか?

    木曜日, 5月 24, 2012 at 10:26 PM | Permalink
  2. yabu wrote:

    牛の鳴き声ならば「moo」ですが、薮下のは「moumoon」の意味が分かりません。ごめんなさいね。単刀直入な質問に、ちょっとビビッてます。英語構文は、日本語訳の有無にかかわらず、【類題】をやっておいてください。あ、和訳はつきませんよ!当然、オレンジの方も和訳はつきません。出題形式によって付く場合もありますがね。今日は寝ずに頑張って!!

    木曜日, 5月 24, 2012 at 10:47 PM | Permalink
  3. Z社長 wrote:

    僕もこの講義には関係ないですが質問があります。
    It is regrettable that Anne should waste her artistic talent.
    この文のshouldはどう訳せばいいのでしょうか?

    木曜日, 5月 24, 2012 at 11:15 PM | Permalink
  4. yabu wrote:

    Z社長!なんだかブリブリ久しぶりですね。コメント機能をなるべく早く回復しようと思ってます。サーバの移行までもうチョット待っていてくださいね。さて、ご質問のshouldの訳し方ですが、これは「がっくりshould」で、形容詞regrettable(残念だ)がshouldを使えと要求しているだけです。ですから、shouldを訳出する必要はありませんよ!前にここでshouldについては講義しましたね。その時、薮下は和訳の仕方にまでは言及していませんでした。ごめんなさい。このshouldは省略できるくらいですから、わざわざ訳語に反映させる必要はまったくありません。

    金曜日, 5月 25, 2012 at 9:02 AM | Permalink
  5. 電柱治 wrote:

    wereをheとかIに使うということは、
    youやtheyにはwasを使う、といった感じでしょうか?

    日曜日, 9月 28, 2014 at 8:19 AM | Permalink
  6. yabu wrote:

    歴史的に仮定法は「現実時間-1」で全て表現していました。つまり、If I was a bird,~とかIf they were birds,~、If you were a bird,~のような単なる過去形でした。ところが、最近になって、1・3人称単数主語でwasじゃなくてwereを使うようになってきました。だから、youやtheyにはwasという具合にはなりません。単純に仮定法ではbe動詞は全部wereになったわけです。どうしてかというと、妄想するのは普通は自分のことだから、1人称単数形がwereになって、それに引きずられて他の単数主語も全部wereになったと思われます。ま、単純に、仮定法のbe動詞は全部wereを使うと覚えれば良いでしょう。これは「言葉の単純化のベクトル」に合致してると思いませんか?複雑な仕組みの角が取れて単純化するわけです。

    月曜日, 9月 29, 2014 at 5:55 AM | Permalink

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