【講義ノート64】「seemの4つの時間」
■彼女は怒っているようだ。
It seems that she is angry.
She seems to be angry.
■彼女は怒っていたようだ。
It seems that she was angry.
She seems to have been angry.
■彼女は怒っているようだった。
It seemed that she was angry.
She seemed to be angry.
■彼女は怒っていたようだった。
It seemed that she had been angry.
She seemed to have been angry.
seemに限らず、入れ籠(文の中に文が入っている)構造の時間パターンは次の4つしかありません。言い換えると、これが英語の時間表現の限界なわけです。つまり、これ以外の時間を英語は表すことができません。
・彼女は今思う+「自分は今幸せだ」と(今+今)
・彼女は今思う+「彼女はあの時幸せだった」と(今+昔)
・彼女はあの時思った+「彼女はあの時幸せだった」と。(昔+昔)
・彼女はあの時思った+「彼女はそれより前は幸せだった」と。(昔+大昔)
先ず、中心文(主節)の時間は「現在(今)」と「過去(あの時)」しかありません。一方、内容文(従節)の時間はそれと「同時」か「ズレがある」かです。つまり、同時なら「今+今」「昔+昔」、ズレがあれば「今+昔」「昔+大昔」になるわけですね。
この8つの英文はいつでもすぐに書けるようになっておいてくださいね。え?!難し過ぎてできないって?いえいえ、そんなことはありません。だって「It seems that+基本形」の方は簡単ですよね。「今思う」ならIt seems that、「あの時思った」ならIt seemed that。内容は「今幸せだ」ならShe is happy、「あの時幸せだった」ならShe was happy。1つだけ注意が要るのが「昔+大昔」の一番最後の例文です。「あの時思った」が過去形で、「彼女はそれ以前は幸せだった」は過去より古い大過去(had+過去分詞)にすれば良いだけです。
▼過去より古いhad+過去分詞
It seemed that she had been angry.
一方、助動詞seem toを使う方はメチャ簡単です。助動詞の後ろは原形で、「今+今」や「昔+昔」には時間にズレがないのでそのまま原形、でも「今+昔」や「昔+大昔」は時間にズレがあるのでhave+過去分詞になるのです!ね、簡単でしょ!
▼「今+今」「昔+昔」は原形
She seems to be angry.
She seemed to be angry.
▼「今+昔」「昔+大昔」はhave+過去分詞
She seems to have been angry.
She seemed to have been angry.
これと全く同じ事がIt appears that文、It happens that文、It chances that文、It turns out that文、It is said that文、It is thought that文、It is believed that文、It is known that文などでも起こります。一度、例文を辞書で調べておいてくださいね。
それでは、類題を解いてみましょう。
It seemed that he had been an honest man.【同志社大】
=He seemed (to)(have)(been) an honest man.
■彼は正直な人だったようだった。
It seemed that he knew nothing about it.【岩手大】
=He seemed to (know) nothing about it.
■彼はそのことについて何も知らないみたいだった。
It is likely that he will pass the examination.
=He is (likely)(to)(pass) the examination.
■彼はその試験に合格しそうだ。
【第15章 不定詞(3)】
・
This was written by
yabu. Posted on
土曜日, 11月 26, 2011, at 8:37 AM. Filed under
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2 Comments
お体の調子はいかがですか?
さっそくですが、質問があります。
辞書を引いたときに、次の英文がありました。
Our bodies are made up of cells.
⇒我々の体は細胞から成り立っている。
この文では、made up ofのように前置詞が二つも
使われているし、upがなくても文が成立する気が
します。どうしてこうなっているのかを
教えてください。
委員長!心配をかけてごめんなさい。気合いでは熱はなかなか下がりませんね!ところで、ご質問の前置詞が2つも使われている件を説明しましょう。ご指摘の通り、upがなくても文は成立します。こんな具合です。
■酸素と水素が水を構成する。
Oxygen and hydrogen make water.
■酸素と水素が水を作り上げる。
Oxygen and hydrogen make up water.
上のmakeは中学の時に習った「作る」「構成する」です。下のmake upは「作り上げる」くらいの意味で、makeとほとんど意味は変わりません。このupは「完全のup」です。「食べ尽くす=eat up」「飲み干す=drink up」「使い果たす=use up」のupと同じです。じゃあ、今度はこれを受け身にしてみましょう。
■水は酸素と水素で構成されている。
Water is made of oxygen and hydrogen.
■水は酸素と水素で作り上げられている。
Water is made up of oxygen and hydrogen.
「A=Bされる」までが受け身です。だから「Water is made」「Water is made up」で受け身は完結します。そして、普通なら「by+人(行為主)」が続くのですが、oxygen and hydrogenは人ではないのでbyにはなりません。そこで「構成要素のof」を使ってof oxygen and hydrogenとします。もともと「構成要素のof」は「分離のof」から生まれたモノで「~から離れている」が言語。「酸素と水素から」できているって、日本語でも言うよね。
だから、委員長の質問の「前置詞が2つも使われている」というのは、「句動詞make up」とbyの代わりの「構成要素のof」がたまたまつながっていただけです。ま、この英文も間違ってはいないのですが、小学生がしゃべるような子供の英語ですね。大人なら「A consist of B」を使ってこう言います。
■水は酸素と水素で構成されている。
Water consists of oxygen and hydrogen.
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