今日は「盗む」を勉強しましょう。3つの「盗む」の意味と用法の違いに注目してください。
■だれかがロッカーからあたしのバッグを盗んだ。
Someone stole my bag from my locker.
■若い男があたしのバッグを奪い取った。
The young man robbed me of my bag.
■怒った民衆は独裁者からあらゆる権力を奪った。
The angry people deprived the dictator of all his power.
先ず、steal は日本語化していて、野球で「ホームスチール」というのがあります。あ、これは和製英語で、正しくは steal home とV+Oで表現します。これはバッテリーが気がつかないうちに、こっそりとホームベースを盗むことを言います。だから、steal は「こっそり盗む」が原義です。人のモノをこっそり盗むのは犯罪ですね。そして「盗む+何を」 の第3文型で表現します。
次に、rob は 「強奪する」 が原義です。つまり、暴力によって人のモノを奪うことです。だから 「銀行強盗をする」 の表現も rob を使います。間違って、夜中にこっそり銀行に忍び込んでお金を盗むなんて思っちゃだめですよ!当然、これも犯罪です。銀行強盗は第3文型、「襲う+何を」で表現します。
▼あの銀行強盗はルパンの仕業だ。 It was Lupin who robbed the bank.
でも、rob は普通、例文にあるように、「奪う+誰から+of 何を」の第4文型で表現します。of は off と親戚語の 「奪う of」 です。of に人からモノを引き離す様な乱暴さを感じてください!この 「誰から+of 何を」 については「奪う系」の動詞のところで詳しく説明します。
最後に、deprive は 「合法的に奪う」 です。だから、これは犯罪にはなりません。de- は「強調」、prive- はプライベート( private )やプライバシー( privacy )にも含まれる語幹で、「自分のモノ」くらいの意味があります。だから deprive は 「合法的に自分のモノにする」 くらいの意味だと分かります。これも rob と同様に、「奪う+誰から+of 何を」の第4文型を取ります。deprive の合法性は応用範囲が広く、「人から日当たりを奪う」などの表現にも使われます。
▼あの高いビルのお陰で、家に日が当たらなくなった。
That tall building deprived our house of sunlight.
それでは類題を解いてみましょう。
Burglars ( ) the bank last night.【②】
①stole・・・・・②robbed
③got
■強盗たちは昨夜、銀行を襲った。
A moment’s hesitation may ( ) a pilot his life.【②】
①deprive・・②cost
③take・・・・・④rob
■一瞬の躊躇でパイロットは命を落としかねない。
第4文型をとるのは「take」と「cost」。犠牲にするの意味ではcostだけ。あとは「A of B」。
point
①「こっそり奪う」=steal+何を
②「強引に奪う」=rob+誰から+of何を
③「銀行強盗をする」=rob a[the] bank
④「合法的に奪う」=deprive+誰から+of何を
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