悪魔の語法(動詞編11)注意すべき類義語 【話す】
今回は「話す」を勉強しましょう。他動詞のspeakやtalkの特徴は「口から言葉が出る」ことで、何かまとまった内容を話すのではありません。言い換えると、say や tell のように that+文や”文”は使えません。こんな具合です。
■僕はいつも本当のことを言っている。
I always speak the truth.
■彼女は一言も話をしなかった。
She didn’t speak a word.
■他人の悪口を言うな。
Don’t speak ill of others.
■君のお姉さんはいつも君のことを褒めている。
Your sister always speaks well of you.
日本語の「悪口」や「褒め言葉」は名詞ですが、ill や well は実際には副詞で speak を飾っています。これは日本語の 「悪く言う」 や 「良く言う」 に当たります。of は「事柄・関連の of」で「~について」の意味のaboutと同じです。
■日本では以前は女性が政治の話をあまりしなかった。
Women didn’t used to talk politics in Japan.
■バカなことを言うな。
Stop talking nonsense.
一方、自動詞の speak や talk は前置詞と一緒になって「事について話す」の意味を表現します。「事柄・関連の on 」でも「事柄・関連の about 」でも両方とも使えます。この場合も、何かまとまった内容を話すわけではありません。
■僕は来週地球温暖化について講演する予定だ。
I will speak about [on] global warming next week.
I will talk about [on] global warming next week.
また、自動詞 speak や talk は前置詞 to と一緒になって「話しかける」の意味を表現します。「動詞編4」でも使った例文をもう1度載せておきます。
■彼は振り返って、後ろの女の子に話しかけた。
He turned around to talk [speak] to the girl behind him.
「全体を覆うover」には「~全般について」の意味があります。そこから talk over A で「Aについて議論する」の句動詞になります。これは以前やった他動詞 discuss を使っても表現できます。
■あたしたちは自分たちの問題について議論した。
We talked over our problems.
= We discuss our problems.
では、類題を解いてみましょう。
He ( ) me he had read the book already.【①】
①told・・・・・・・②said
③spoke・・・・・④told
■彼は僕に、その本はもう読んだと言った。
Don’t ( ) such foolish things!【①】
①say・・・・・・・・②tell
③speak・・・・・・④talk
■そんなバカなことを言うんじゃない!
When I was traveling in Italy, I was often ( ) to by strangers on the street.【④】
①said・・・・・・・②saying
③speaking・・・④spoken
■僕がイタリアを旅行しているとき、よく通りで知らない人に話しかけられた。
We would often ( ) far into the night.【③】
①say・・・・・・・②speak
③talk・・・・・・・④tell
■僕らはよく夜遅くまで話をしたものでした。
point
speak や talk は 「口から言葉が出る」 が共通の特徴で、「言葉」 は文ではなく名詞の形を取る。
①「Aの悪口を言う」= speak ill of A
②「Aのことを褒める」= speak well of A
③「Aのことについて話す」= speak about [on] A / talk about [on] A
④「Aに話しかける」= speak to A / talk to A
⑤「Aについて議論する」= talk over A = discuss A
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This was written by
yabu. Posted on
日曜日, 8月 21, 2011, at 5:19 AM. Filed under
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4 Comments
TOEICとセンター試験 どちらが難しいですか?
TOEICはセンター試験みたいに対策をすれば8割9割とれる気がしますが気のせいでしょうか
卒業した先輩が薮研を見てくれていることを心から嬉しく思います。さて、TOEICの難易度のことですが、センター試験が目指しているのがアメリカのSATという大学進学適性検査で、これの外国人バージョンがTOEFLです。つまり、センター試験はTOEFLを目指しているといっても過言ではありません。要は文科省は大学入試のハードルを下げて資格試験化したいわけです。その意味では先輩の言うように、センター試験もTOEICもそんなに難しい試験ではありません。
でも、大学入試を突破した学生は、英語を日常的に読まなくなるので、途端に英語力が落ちてきます。大げさに言うと、人生での英語力のピークは大学受験時だと言うことです。大学生になって毎日英文を読むことがなくなると、TOEICに結構苦戦しますよ。入試直後にTOEICの読解問題を解いてみると、もの凄く簡単に思えるのですが、時間が経つにつれて解きづらくなります。また、大学入試の語彙力はせいぜい2000語レベルですが、TOEICでは最低でも5000語は知っていた方が良いでしょうね。
文法・語法でも、入試では絶対に出題されないような選択肢の組み合わせが起こります。これも入試で要求される語彙力よりもTOEICの語彙力の方が高いことを示しています。例えばこんな問題です。
The situation will ( ) that you should contact him at once.
(a) require、(b)request、(c)requiem、(d)requisite
(c)レクイエムや(d)必需品は名詞なので空所には入りません。だからrequireとrequestの簡単な2択問題なのですが、大学入試レベルでは2つとも「要求する」の意味で、目的語にthat+文を取り、文中に「べきshould」が来るとしか習いません。だから、どっちも正解のように感じるはずです。解法の発想は、「requestは人が主語、requireは人もモノも主語になる」です。だから正解は(a)requireとなります。ほらね、結構むずかしいでしょ!
結局、TOEICの攻略は語彙の攻略です。入試とTOEICとの語彙力ギャップをちゃんと埋めさえすれば大丈夫。問題になっているポイント自体はセンターとあまり変わりません。先輩、頑張ってくださいね!質問は薮研に寄せてください。
discussとtalk overとtalk aboutの
見分け方の問題は、出ますか?
「言う」や「話す」は類義語の定番です。ちゃんと覚えておくのが良いでしょう。
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