普通、目的語は「何を」と訳出できるのですが、「自動詞のようで他動詞」に出てくるものは「何に」となるのが特徴です。前にやったenterは「部屋に入る」でしたね。今回の answer も「質問に答える」でしょ!これはなぜかというと、もともとは「部屋の中に入る」、「質問に対して答える」の省略形だからです。そして「の中に」とか「に対して」は前置詞で表現されるのが普通なので、前置詞が要りそうに見えるわけですね。
■【に答える】 彼はその質問に答えられなかった。
He couldn’t anwer the question. (answerは他動詞だから前置詞to不要)
=He couldn’t reply to the question.(自動詞reply / respondを使って書き換えたらto必要)
=He couldn’t respond to the question.
▼このトラブルの件で消費者に対して我々は責任を負うべきだ。(answer to 人 for 事で「事について人に対して責任をとる」)
We must answer to the consumers for the trouble.
answer は歴とした他動詞です。だから「その質問に対して答える」だとしても answer to the question としない!一方、同じ意味の自動詞 reply や respond を使って書き換えると to が要るわけです。ならば、answer to なんて表現はないのかというと、answer to 人 for 事で「事について人に対して責任を取る」の意味では使えるのです。to は「指さすto」、for は「事柄・関連のfor」です。だから、この慣用句は「事に関して、人に対して責任を持って答える」が原義だと分かります。answer for事だけでも使用可能です。こんな具合です。
◇その事故に対して、あんたは儂(わし)に責任を取らせるつもりか?
Do you want me to answer for the accident?
=Do you want me to take responsibility for the accident?
answer を他動詞として使う場合には確かに to は不要なのですが、名詞として使うと to が必要になります。これは「前置詞+名詞」が形容詞になるからですね。
◇その問題に対する君の答えは正しくない。
Your answer to the question is not correct.
それでは類題を解いてみましょう。 I will ( ) you for his honesty.【②】
① answer ・・・ ・・・・・② answer to
③ assure ・・・・・・・・・ ④ assure of ■彼が正直者であることは僕が保証します。
Please ( ) the question for me.【①】
① answer ・・・・・・・・ ② answer to
③ assure for ■僕の代わりにこの問題に答えてください。
point
①自動詞のようで他動詞なので、前置詞は不要
②別の自動詞を使って書き換えると、当然前置詞は必要
③自動詞として使えば「自動詞+前置詞」で全く別の意味になる
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3 Comments
お久しぶりです。お体の調子はいかがですか。
早速ですが質問があります。夏休みの課題に次のような文がありました。
Famous works of children’s literature have become widely known to the public through animation.
⇒有名な児童文学作品はアニメを通して一般人に知られるようになった。
正しい訳は上のようになると思うのですが、
僕はこの英文には、haveとbecomeの間にbeenが必要なのではないかと思うのです。
僕の考えが、正しいのか、間違っているのか、そして間違っているのなら、その理由も教えください。
委員長!心配を掛けてごめんなさい。今はリハビリのために首を吊ったり(牽引治療)プールで泳いだりしています。
ご質問の英語ですが、beenは必要ありません。では、説明しましょう。先ず、「有名な児童文学作品famous works of children’s literature」をtheyで置き換えます。次に副詞の「広くwidely」と「アニメを通してthrough animation」を消してしまいます。すると、こうなりますね。
■それは一般に知られるようになった。
They have become known to the public.
次に、現在完了を過去形に変えてしまいます。日本語には現在完了はなく、それを過去形が代用しているので、和訳は同じになります。
■それは一般に知られるようになった。
They became known to the public.
ここがポイントですが、「A become B」は動作(変化)、「A is B」は状態を表します。これは、「彼は医者になった」と「彼は医者だ」の関係と同じです。He became a doctorもHe is a doctorも同じ第2文型でしたね。では、becomeをbe動詞に変えてみます。
■それは一般に知られていた。
They were known to the public.
もう分かりましたね。委員長の質問は「A is become B」が正しいと言っていることと同じだったわけです。動作(変化)と状態とは全く別の表現ですから、「A become B」と「A is B」を合体させることはできません。
ありがとうございます。
どうやら、僕の中では、be動詞+過去分詞=受動態となってしまっていたようです。
これからも精進していきます。
リハビリ頑張ってください。
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