■彼はその机を動かさなかった。
He didn’t move the desk.
他動詞とは、他者が必要な動作や状態。彼の「動かす」という動作は「動かされる他者」が必要です。この「他者」のことを目的語と呼びます。目的語は日本語の「何を」に当たります。この例で見ると、「動かす+何を」の関係が成り立っていますね。目的語は名詞でなければなりません。「机」は名詞ですよね。だから、動詞の後ろに名詞が来ていたら、それは他動詞だということが分かります。
■彼はしばらくの間動かなかった。
He didn’t move for a while.
自動詞とは、自分で勝手にやる動作や状態。彼の「動く」という動作は他人が関わらない。自分で勝手に動くわけです。他動詞と違い、目的語(何を)は不要です。だから、動詞の後ろに名詞がなければ、それは自動詞だということが分かります。例を見ると、S+Vの第1文型だと分かります。第1文型は5文型の中で一番短い文型です。短すぎてそれだけでは情報が不足してしまいます。だから、直後に「前置詞+名詞」の形をした副詞が来て、不足する情報を補います。例では、for a whileの「前置詞+名詞」が来ていますね。
■ちょっと彼の名前を思い出せません。
I can’t think of his name.
前の例で見たように、自動詞の後ろには名詞は来ません。情報を補うために前置詞が良く来ます。そこで自動詞と前置詞とが合体して、1つの他動詞になることがあります。例文では、自動詞thinkと前置詞ofとが結びついて、「思い浮かべる」の意味の他動詞ができあがっていますね。つまり「思い浮かべる+何を」の第3文型になっているわけです。この「自動詞+前置詞」のことを句動詞と呼びます。
あ、文法では、このofを前置詞ではなくて副詞と呼びます。前置詞とは「名詞の前に置く詞(ことば)」でしたね。だから、of his nameに注目した場合には、このofを前置詞と呼びます。一方、thinkは動詞で、動詞を飾るモノのことを副詞と呼びます。だからthink ofに注目した場合には、このofは動詞thinkと結びついているので副詞と考えるわけです。全くバカでしょ!元は同じ of なのにね。これが分類学の弊害です。元はキレイな形をしていたモノを粉々に砕いて、その破片に名前を付けてゆきます。視点が変わると、同じ破片が別の名前を獲得します。これを繰り返すうちに、元のキレイな形をした対象物を僕らは見失ってしまうわけです。アホとしか言いようがないよね!!
あ、think of Aもthink about Aも「Aのことを考える」の意味があります。でも、「Aを思い浮かべる」、「Aを思いつく」の意味があるのは「think of A」だけです。
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