構文090「動詞構文」その18「頭にくる」
■彼女が他の男と時々デートしているので僕は頭にきてる。(状態)
I am angry at her because she dates other men sometimes.
I am mad at her because she dates other men sometimes.
「Mad Max」というオーストラリア映画があって、警官のマックス(Max)が暴走族に奥さんと子供を殺されて、「頭にきたマックス(mad Max)」が復讐をするというストーリーです。だから、angryもmadも両方とも「頭にきている」という形容詞です。そして、何に対して頭にきているのかを「敵意のat」で指さします。atは「①一点を指す」、「②一点集中のものすごいエネルギー」、「③それが時には敵意になる」でしたね。虫眼鏡でネコに火を点ける話を思い出してください。あ、相手の「他の男」が不特定多数のmenになっています。
■彼女が他の男と時々デートしているので僕は頭にきてる。(状態)
I am upset with her because she dates other men sometimes.
upsetも「頭にきている」の意味の形容詞ですが、「敵意のat」ではなくて「事柄・関連のwith」を使って頭にきている対象を示します。元々upsetは「下を上にセットする(set up)」から生まれた動詞で「ひっくり返す」の意味の他動詞として使えます。そこから「安定した精神状態をひっくり返す」と意味が広がり、「動揺させる」「憤慨させる」が派生します。あ、このsetはset-set-setの過去分詞で「動揺させられた状態」を表現する形容詞になってます。
■彼女がマイクとデートして、僕は頭にきた。(動作)
I got angry at her because she dated Mike.
I got mad at her because she dated Mike.
I lost my temper with her because she dated Mike.
今までの例文は全て「人is形容詞」の形で「人が頭にきている状態」を表現していました。そのbe動詞をgetにして「人get形容詞」にすると、今度は「人が頭にくるという動作」を表現できます。さて、日本語の「機嫌を損ねる」に当たるのがlose one’s temperです。temperが「機嫌」で、それがなくなってしまうわけですから「頭にくる」の意味と同じです。これも頭にくる対象を「事柄・関連のwith」で示してますね。
それでは、類題を解いてみましょう。
Mr. Jones is angry ( ) never being invited to the parties.【①】センター試験
①about・・・・②with
③to・・・・・・・④against
■ジョーンズ氏はパーティーに招待されないことに腹を立てている。★about+事柄、with+人、at+両方
Don’t worry. I am not mad at you.【②】青山学院大
①am disappointed with・・②am not angry with
③am not crazy about・・・・④am pleased with
■心配しないで。君にに怒っているのではありませんよ。
I tried to be calm but finally I ( ) my temper.【④】甲南大
①overcame by・・②found
③exploded・・・・・④lost
■僕は冷静でいようとしたが、最後には堪忍袋の緒が切れた。
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This was written by
yabu. Posted on
水曜日, 7月 27, 2011, at 6:35 AM. Filed under
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2 Comments
どうも、キュウべぇです。
これだけ語句整序50のアップロードありがとうございます!
これで勉強にも一層精が出るというものです!
さて、本日は質問が有ってここに参りました。
This was not the sort of reception he had anticipated,nor was ( ) he was prepared to tolerate.
1,one it 2,it one 3,it that 4,that it
答えは2らしいのですが、二つのレベルで理解出来ません。
第一に、it wasがnorによってnor was itになっているのは分かるのですが、the sort of reception he had anticipatedを受けるのはoneではなくてthatではないのでしょうか?
そして第二に、oneが関係代名詞等により限定される場合冠詞が付く、という事をNEXT STAGEで学んだ記憶が有るのですがこの問題では何故oneに冠詞が付いていないのでしょうか?
先ず「the sort of reception he had anticipatedを受けるのはoneではなくてthatではないのでしょうか?」の質問ですが、やはりoneで受けます。キュウべぇ君の主張の骨子は「thatは既出のthe+名詞の度繰り返しを避ける。このthe sort of receptionこそまさにthe+名詞。だからthatを使うべきである」というものですね。実は、このルールは「文法規則」というよりも、「英語を読むためのコツ」みたいなもので、例外の方が多いと思ってください。特に、大学受験用の学習者向け問題集の解説には、著者が勝手に考えた「問題を解くためのコツ」がたくさん載ってます。
根本的な文法規則で云うと、指示代名詞のthatは「それ」とか「あれ」など具体的に指がさせる特定の物を指し示します。一方、不定代名詞のoneは不特定の物、同種の物を指し示します。だから、具体的に特定の物を「これ」とか「あれ」と指さすことができません。次の英文を見てください。
■これは僕らがいつもやっている種類のことだ。
This is the sort of thing that we always do.
この例文に出てくるthe sort of things that we always doもthe+名詞の形をしてますが、「僕らがいつもやっている種類のこと」は漠然としていて、その行為を具体的に「これ」とか「それ」と指さすことはできませんね。普通the+名詞は、特定の「それ」に限定されますが、the kindやthe sortは例外です。たとえ飾り予告のtheが付いていても、特定の「それ」には限定されません。ね!「問題を解くためのコツ」って、あんまり信用できないでしょ!じゃあ、もし問題文がこうだったらどうでしょうか。
■これは彼が期待した応対ではなかったし、それを我慢するつもりもなかった。
This was not the reception he had anticipated, nor was the one that he was prepared to tolerate.
ほらね!今度はthe oneになってるでしょ!だって、sortやkindが取れて「彼が期待した応対」が特定の「それ」だと限定することができるからです。
次に「oneが関係代名詞等により限定される場合冠詞が付くのでは?」の質問ですが、これもさっきと同様に、後ろに飾りが来るからと言って、必ず飾り予告のtheがつくわけではない。確かに、名詞の後ろに飾りが来ると特定の「それ」に限定されることが多いのですが、例外もあるわけです。「問題を解くためのコツ」の効果は、とても限定的であることを覚えておいてください。そして、この問題が成り立つのは4択だからでしょうね。もし空所補充だと誰もできないでしょうね。
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