<質問>
同じ程度・その程度;not so much A as B と not so much as V と~も同然だ;as good as~ の違いが分かりません。前者は名詞と動詞、後者は名詞と形容詞に使える、ということですか?
<回答>
ピカチュウ君!最近、ちゃんと続けて勉強をやってますね。夏休みを有意義に過ごすためにも、それに向けた助走期間である今の過ごし方がとても大切です。頑張ってくださいね。そして、ピカチュウ君の質問のすごいのは、コロケーション(何と結びつくのか)を考えたところです。これはもう文法学者の領域ですよ!
さて、ピカチュウ君の質問に対する答えですが、not so much A as BのA、Bには「名詞」「形容詞」「副詞」が、not so much asの直後には「動詞」が、as good asの直後には「名詞」「形容詞」「動詞」が来ます。でも、何が来るかが大学入試で問題になったことはありませんから安心してくださいね。では、1つずつ例を挙げておきますね。
◇僕は今、百円しかない。彼も僕と同じ程度のお金しか持っていない。
I have only 100 yen with me. He has as much money as I have.
muchの意味は「量が多い」ですが、as much asになると「同じくらい量が多い」ではなく、「同じ程度」の意味に成ります。もし彼も僕も同じくらいたくさんのお金があると言いたかったらこうします。
◇彼は僕と同じくらいたくさんのお金を持っている。
I have much money, and he has much money, too.
◇そのことで僕も悪いのだが、君も同じくらい悪い。
It is as much your fault as mine.
今度は目に見える「お金」を、目には見えない「責任」に代えてみました。君の責任も僕のと同じ程度だと言っているわけです。次に、これを否定文にしてみましょう。するとピカチュウ君が質問している構文の形に成ります。
■そのことで悪いのは君ではなくてむしろ僕の方だ。
It is not so much your fault as mine.
ほらね!やっと「not so much A as B」の形になったでしょ!notに引きずられてasがsoに変わっています。「僕の責任の程度に比べると君の責任の程度はそれほど大きくはない」が原義です。your faultやmineは名詞ですね。でも、AやBに来るのは名詞ばかりではありません。
■彼の話は興味深いというよりもむしろ滑稽だった。
His story was not so much interesting as funny.
さっきは「僕の責任」と「君の責任」の大きさの程度を比較しましたが、今度は彼の話の「面白い」程度と「滑稽な」程度とを比較しています。
■彼女はキレイに踊ると言うよりもむしろ優雅に踊る。
She dances not so much beautifully as gracefully.
この例文では、彼女が「美しく」踊る程度と「優雅に」踊る程度を比べています。これで、AとBに来るのは「名詞」でも「形容詞」でも「副詞」でも良いと分かりましたね。
■彼は自分の名前さえ書くことができない。
He cannot so much as write his own name.
さて、ここでは「not so much A as B」のAもBも消えて無くなります。だから、何かと何かを比較しているわけではありません。そうじゃなくて助動詞canと結びついて「その程度のことさえできない」の意味の否定語になると考えてください。だから動詞と結びつきます。では、as good asと比べてみましょう。
■僕の車は新車も同然だ。
My car is as good as new.
■彼はシロウト同然だ。
He is as good as an amateur.
■この人たちは馬鹿な思いつきで学校を台無しにしたのも同然だ。
Those people as good as ruined the school with their foolish ideas.
最後の例文に注目してください。as good asの直後に動詞が来ていますね。「新品も同然だ」で形容詞が、「シロウトも同然だ」で名詞が、「台無しにしたのも同然だ」で動詞が来るのが分かります。ピカチュウ君!くれぐれも「何が来るのか」ではなくて「どうしてその様な意味に成るのか」が大切だということを忘れないでくださいね。
薮研の右側には「サイト内検索」の窓が開いています。例えば質問の「not so much as」を検索すると、「2つのas」がヒットします。これは第1構文を説明している「英文法基礎のキソ」の投稿です。この「サイト内検索」も上手に活用してみてくださいね。
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2 Comments
お久しぶり?です! ぷっちょです。 突然ですが、大学は同志社の経済を狙ってるんですが、夏の英語の勉強方法を教えてください!お願いします。
学校ではいつも顔を合わせるのですが、薮研では久しぶりですよね!気合いが入っている様子、とても頼もしく思います。さて、高2の夏の勉強法ですが、これは先生によって言うことが大分違っているようです。でも藪下はこう考えます。漠然とした英語の勉強から本格的な受験勉強に取りかかるのが高2の夏!そして、本格的な受験勉強と言うのは、自分の志望大学に合格するための勉強です。そのためには先ず、志望校の赤本を手に入れて、過去問をやってみる。そして1年半後に受験する志望校の問題形式と傾向とを把握する。出来なかった問題が1年半後に解けるようになるにはどうすればよいのかをじっくりと考えて作戦を練る。合格最低点を1点でも上回れば合格です。そのためには、何を補強するべきなのか、何を捨てるべきなのかを具体的に考えます。1年半の時間ではどうしようもないと思えば捨てる勇気も大切なのですよ!赤本が出そろうのが夏前後です。ですから、高3になってから赤本を手に入れようとすると、この時期まで待たなくてはなりません。高2の時点で手に入れておくのも大切なことですよ!昨年度の一番新しい同志社経済の英語を解いてみて、採点結果を藪下の所に持ってきてください。一緒に対策を考えましょう。
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