構文063「仮定法構文」その2「お化けシリーズ①」
■彼女はまるでお化けを見たような顔をしている(していた / しているだろう)。
She looks as if she had seen a ghost.
She looked as if she had seen a ghost.
She will look as if she had seen a ghost.
今回は as if +仮定法です。意味は「まるで~であるかの様に」です。前回の「鳥だったらシリーズ」は仮定法過去も仮定法過去完了も両方とも I wish の後ろに来ましたね。こんな具合です。
◇今、あたしが鳥だったらなあ。
I wish I were a bird.
◇あの時、あたしが鳥だったらなあ。
I wish I had been a bird.
では、as if ではどうでしょうか?次の例文を見てください。上の英語が現実的でないことが分かりますか?
◇彼女はまるでお化けを見ているような顔をしている。
She looks as if she saw a ghost.(×)
◇彼女はまるでお化けを見たような顔をしている。
She looks as if she had seen a ghost.(◎)
そう!上の英語では、話者自身がお化けになってしまいます。つまり、彼女が「今」お化けを見ている様な顔を「今」しているということは、彼女の目の前にいる話者がお化けだと言うことです。彼女は「さっき」お化けを見たような顔を「今」しているんじゃないと困るわけです。前回の最後にやったやつを思い出してください。現実時間と同時なら「仮定法過去」、現実時間よりも前のことなら「仮定法過去完了」でしたね。
・I wish I were a bird. (今鳥だったらなあと、今思っている)
・I wish I had been a bird. (あの時鳥だったらなあと、今思っている)
・I wished I were a bird. (あの時鳥だったらなあと、あの時思っていた)
・I wished I had been a bird. (あの時よりも前に鳥だったらなあと、あの時思っていた)
今回の「お化けシリーズ」では、現実時間と同時では困るわけです。つまり、彼女が「今」お化けを見たような顔を「今」してちゃいけない!彼女が「さっき」お化けを見たような顔を「さっき」していちゃいけないわけですね。必ず「お化けを見た」時間と「表情をしている」時間にズレがないといけない。そのことを頭に置いて、もう一度例文を眺めてください。as if の直後はどれも had seen の仮定法過去完了でしょ!「表情をしている」時間は現在、過去、未来と変わっても、as if の直後は3つとも時間のズレを表す仮定法過去完了が来てるのはそういうわけです。
それでは、類題を解いてみましょう。
He looked as if he ( ) a ghost.【②】
①saw・・・・・・・②had seen
③has seen
■彼はまるでお化けを見たような顔をしていた。
She looks as if she ( ) a ghost.【③】
①has seen・・・②were to see
③had seen
■彼女はまるでお化けを見たような顔をしている。
・
This was written by
yabu. Posted on
水曜日, 6月 8, 2011, at 5:33 AM. Filed under
「ヤバイ英語構文」. Bookmark the
permalink. Follow comments here with the
RSS feed. Trackbacks are closed, but you can
post a comment.
6 Comments
補習後に職員室に行ったところ、先生がいらっしゃらなかったので、ロッカーの上に置いてあった「これだけ英文法」を持って行っておきました。
OKですよ!その「これだけ英文法」はZ社長のために印刷したモノです。
■彼女はまるでお化けを見たような顔をしている(していた / しているだろう)。
She looks as if she had seen a ghost.
She looked as if she had seen a ghost.
She will look as if she had seen a ghost.
She had looked as if 〜
になることってありますか?
相変わらず君の質問の視点はユニークですね!その視点は実際に研究者に向いていると思います。さて、実際ピカチュウ君の言うとおりで、She had looked as if~の形は存在します。特に、過去形を基調に書かれた物語文では良く見かけます。例えば「昔々、あるところにおばあさんがいました。おばあさんは山田花子の様な顔をしていました。でも前は、まるでETが人間になったように見えました」などという場合です。物語の流れは過去形です。それよりも前のことを言いたければhad+過去分詞形を使うわけです。でも、入試問題には出題されることはありませんから安心してくださいね。
◇彼女はまるでお化けを見ているような顔をしている。
She looks as if she saw a ghost.(×)
上の英語では、話者自身がお化けになってしまいます。つまり、彼女が「今」お化けを見ている様な顔を「今」しているということは、彼女の目の前にいる話者がお化けだと言うことです。
どうしてそこに二人しかいなくて、彼女が話者を見ていることになるのかわかりません
例えば三人いて、もう一人を見て、今まさにその様子を話者が観察して述べた文とはみなせないのですか?
これはCHIさんの仰るとおりで、薮下は話を単純化して分かりやすくしようとしています。でも仮にそれが、第3者である話者が観察している文だとしても、その場面にオバケ(または、それくらい怖い物)が居なくてはならないのは事実です。そして、常識的にオバケはいないと考えるので仮定法過去完了にするみたいです。
Post a Comment