構文053「無生物主語構文」第1回「させる系」
■この薬を飲めば、君は気分が少し良くなるよ。
This medicine will make you feel a little better.
=You will feel a little better if you take this medicine.(条件)
同じ言葉として日本語と英語を比べてみて、一番隔(へだ)たりが大きいのが、今回から講義する「無生物主語」と「名詞構文」です。国立大学2次試験の和訳で頻出なのも、やっぱりこの2つです。しばらくの間、無生物主語構文を5回にわたり解説します。第1回目は「させる系」です。これをマスターすれば、劇的に「自然な日本語」で和訳することができるようになります。以後、次の様な順番で講義を進めます。
第1回「させる系」
第2回「させない系」
第3回「連れて行く系」
第4回「奪う系」
第5回「興味を持たせる系」
もともと古代大和言葉にはモノ主語なんかなくて、絶対に人が主語でした。一方、英語はモノ主語が普通なわけです。現代日本語にモノ主語がこれだけ入り込んだのは、英語の影響がとても大きかったと言われています。学者の中には「日本語が英語にレイプされた」と言っている人もいます。
モノが主語になると、「モノが人をある状態にする・させる」の構造になり、そのまま和訳したらちょっと変な日本語になってしまいます。これはどうしてかというと、英語は「する・させる」の言語であるのに対して、日本語は「なる」の言語だからです。つまり、人やモノが目の前の状況を思い通りに「する・させる」と発想するのか、目の前の状況が勝手にそう「なる」と発想するのかの違いなわけです。
だったら、英語が「モノが人をある状態にする・させる」ならば「モノによって、人はある状態になる」と言う日本語に変換すると良いことになりますね。言い換えると、「する・させる」を「なる」に変えてやるのです。例文も「この薬は君を少し良い気分にさせる」が「この薬によって、君は気分が少し良くなる」になってるでしょ!
動詞は「させる」を「なる」にすれば良いと分かりましたが、じゃあ無生物主語はどうすれば良いのかというと「①原因」「②条件」「③手段」で訳出するのです。そして、目的語(人)を主語にして訳し直します。「何を+どの様にする・させる」の「何を」が目的語ですよ!例文を使ってやってみると、こんな具合です。
◇原因=この薬のおかげで、君は気分が少し良くなるよ。
◇条件=(もし)この薬を飲めば、君は気分が少し良くなるよ。
◇手段=この薬によって、君は気分が少し良くなるよ。
もし「モノが人に何かさせる」ならば「モノのせいで、人は何かする」と訳出すれば良い。こんな具合です。
■重い病気のせいで、学校を退学して、長い日々をベッドで過ごした。
A serious illness caused me to leave school and spend long days in bed.
=Because of a serious illness, I have to leave school and spend long days in bed.(原因)
causeにも「モノが人に何かさせる」の用法がある。だから「もののせいで人は何かする」と訳出すればOK.でも「make+人+原形」だったのに対して、「cause+人+to不定詞」であるのに注意が必要!書き換えも「cause→because」で覚えやすいね!
もし「モノが人に無理矢理する・させる(force, oblige, compel)」なら「モノのせいで、人はしなければならない」に、「モノが人に何かを可能にさせる(enable)」なら「モノのおかげで人は何かが可能になる」に変換します。
■飛行機のお陰で、僕らは数日で世界を一周することができる。
Airplanes enable us to go around the world in a few days.
=Airplanes make it possible [for us] to go around the world in a few days.
=We can go around the world in a few days by airplanes.(手段)
それでは類題を解いてみましょう。
“What are you so irritated?”【①】
“That traffic jam ( ) arrive late.”
①made me・・・・②caused me
③had me・・・・・④forced me
■「なせそんなにイライラしてるの?」「あの交通渋滞のせいで、着くのが遅くなったんだ」
What ( ) you to change your mind?【③】
①had・・・・・・②let
③caused・・・④thought
■どうして君は決心を変えたの?
Ships can avoid dangerous rocks thanks to lighthouses.【enable】
=Lighthouses (e ) ships to avoid dangerous rocks.
■灯台のお陰で、船は危険な岩礁を避けることができる。
彼は読んでいる本に集中するのが難しいと分かった。
He found ( book / concentrate / hard / it / on / the / to ) he was reading.
→He found [ it hard to concentrate on the book ] he was reading.
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This was written by
yabu. Posted on
土曜日, 4月 30, 2011, at 5:58 AM. Filed under
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2 Comments
中間テストの構文の範囲ってどこですか?
キャベツとレタスの違い君!中間テストは、今講義をしている無生物主語構文までにしようと考えています。正式には連休明けに授業で発表しますので、それまで待っていてください。
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