下の英文の( )の中に入る関係代名詞を考えてみましょう。
I have a friend ( ) lives in Nagoya.
I have a friend ( ) name is Mike.
I have a friend ( ) it is difficult to know well.
①who ②whose ③whom
中学時代に塾や予備校で「関係代名詞whoの必殺技」とか言うものを習ったことはないでしょうか?こんなやつです。
「①空所直後に動詞がくればwho、②名詞が来ればwhose、③SVが来ればwhom」
一見すると、もの凄い威力を持った必殺技のような気がします。でも、S(主語)も名詞なのだから②と③の区別が曖昧です。それに、高校英語ではこの必殺技封じのためのこんな問題が出題されます。
■彼こそ君のことを助けてくれると僕が信じている男です。
He is the very man.^-言いたい文
★I believe [that] he can help you.-飾りの文
→He is the very man who I believe can help you.
問題を面白くするために、ことシリーズのthat(従属接続詞)は絶対に省略されます。関係代名詞whoの直後なのにSVが来てますね!さっきの必殺技が正しければ、whoの後ろはSVが来るはずですが、そうなっていません。さらに、I believe can helpと動詞が2つ続いていて、奇妙な英語に見えますよね!でも、これは入れ籠(いれこ)であるthat he can help youの主語heが★になったのだから、正しい英語です。
だいたい、世の必殺技の類(たぐい)はいかがわしいものが多いですよね。先ずは自分の目で見て確かめることが肝要です。あ、「入れ籠」とは、ロシアのマトリョーシカという人形の様に、大きな人形の中にいくつも小さな人形が入っているような構造を言います。I believe that he can help youという大きな文の中に、he can help youという小さな文が入っているのですから、マトリョーシカと同じですね。
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2 Comments
ここには、先行詞が人の場合の関係代名詞の目的格はwhomを用いると書いてありますが、教科書にはwho(m)と書いてありました。
教科書を読む限りでは、whoでもwhomでもどちらでもいいと解釈できますが、実際のところどうなのでしょうか?
Z社長!久しぶりの質問ですね。教科書の「who(m)」の記述は、どちらを使っても良いと言っています。実は、目的格のwhomは徐々に消滅しつつあります。風化によって岩石の角がとれて丸くなるように、言語も時間と共に人が使いやすいように簡易化してゆきます。関係代名詞「人はwho」と「モノはwhich」の格変化を比べると、whichは主格と目的格とが同じ分、簡単ですよね。
who-which
whose-whose
whom-which
人間は簡単で安易な方向に流されやすいでしょ!だから、格変化の複雑なwhoが、簡単なwhichに近づいてきているわけです。多分10年もすればwhomは完全に消滅してしまうでしょうね。
who-which
whose-whose
who-which
whomは関係代名詞としてだけではなく、疑問詞としても消えつつあります。
■君は誰を見たのですか?
Whom do you see?(◎)
Who do you see?(△)
「誰を」は目的格なのだから、本当はWhomじゃないといけません。でも、ほとんどのネイティヴがWho do you see?を使っています。この分だと、近いうちに英文法のテストができなくなるかもしれませんね。
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