■君は新聞を読んでばかりいる。
You do nothing but read newspapers.
■僕は予約を取り消さざるを得なかった。
I had no option but to cancel the reservation.
■彼は金儲けのことしか考えない。
He is always thinking of nothing but making money.
butは意外な意味を持つ単語の1つで、大学入試には頻出です。中学の時は、接続詞で「しかし」だけでしたね。
◇彼は若いのだが、お金持ちだ。
He is young but rich.
さて、「等位接続詞のand、but、orが出てきたら直後に注目し、直前に同じ機能語を探せ(ルール16)」ですから、直後は形容詞richなので、直前に形容詞を探すとyoungがあります。だから、このbutはyoungとrichとを結んでいると分かります。等位接続詞や従属接続詞については、ここで一度説明していますよ!次に、高校になるとこんなbutが出てきます。
◇彼は医者ではなくて(そうではなくて)弁護士だ。
He is not a doctor but a lawyer.
このbutも等位接続詞なのですが、notとセットになって「そうではなくて」の意味を表します。直後は名詞のa lawyerなので、直前に名詞を探すとa doctorがあります。だからこのbutは、a doctor とa lawyerとを結んでいると分かります。逆接のbutの根底には「それとは逆に」とか「それとは反対に」の意味があるわけですから、「そうではなくて」の意味で使われてもおかしくありません。さて、だんだん難しくなってきて、こんなのも出てきます。このbutは初めから右の文と結ばれている「従属接続詞」です。
◇誰もがもう学べないくらい年老いたということはない(年老いてしまってもう学べない人などいない)。
No man is so old but he may learn.
◇彼はそんなことを知らないほど馬鹿ではない。
He is not such a fool but he knows it.
これはものすごく古くて格式の高い表現で、今ではほとんど使いません。よく見ると中学の時に習ったso~that構文やsuch~that構文に似てますよね!
◇誰もがもう学べないくらい年老いたということはない(年老いてしまってもう学べない人などいない)。
No man is so old that he may not learn.
◇彼はそんなことを知らないほど馬鹿ではない。
He is not such a fool that he does not know it.
このthatは「程度のthat」と言って、soやsuchとセットでよく使います。まず「誰もそのくらい年老いてしまうことはない」と言っておいて、そのくらいとは具体的にどの程度かをthat以下で説明します。2つ目も「彼はそれほど馬鹿ではない」と言っておいて、それ程とは具体的にどの程度なのかをthat以下が説明するわけです。だから「程度のthat」と呼ぶのですね。あ、soもsuchも「そのくらい」の意味ですが、soの後ろには形容詞か副詞、suchの後ろには名詞が来きます。逆接のbutの原義は「それとは逆に」とか「それとは反対に」で、「そうではなくて」の意味もあったのですから、butには否定語notと同じような意味があるわけです。だから接続詞butは「that~not」としても使えるのですね。ここから派生したのが関係代名詞のbutです。
◇欠点のない人など1人もいない。
There is nobody but has their faults.
= There is nobody that does not have their faults.
ほらね!「but=that~not」になってるでしょ!関係代名詞butの文は、ほとんどが「There is no~but・・・」の形で登場しますから、すぐに分かります。安心してください。さて、butの原義は「それとは逆に」とか「それとは反対に」で、そこから否定の意味「それではない」が出てきました。そして、「Aとは逆に」、「Aとは反対に」、「Aではない」から「A以外」の意味が派生します。例えば「彼は馬鹿ではない」なら「彼は馬鹿以外の何かだ」と同じ意味なわけです。これが、今回の例文に出てくる「除外のbut」です。
◇君は新聞を読むこと以外はなにもしない=君は新聞を読んでばかりいる。
◇予約を取り消すこと以外は何も選択肢がなかった=予約を取り消さざるを得なかった。
◇金儲けのこと以外は何も考えていない=金儲けのことしか考えていない。
ほらね!3つともちゃんと「A以外」の意味が含まれているのが分かります。最初の例文のように「but+原形不定詞」で使う場合が多いので、butの後ろには必ず原形不定詞が来ると思い込んでいる子がたくさんいます。確かに、butの後ろには原形不定詞がよく来ます。こんな具合です。
■思わず笑ってしまった。 I could not but laugh.
=I could not help but laugh.
でも、そうではないことが例文を見れば分かります。この「除外のbut」は等位接続詞ですから、同じ機能語同士を結ぶのが基本です。だから、butの後ろに必ずしも原形不定詞が来るわけではありません。
■僕は予約を取り消すという選択肢以外は何の選択肢もなかった。
I had no option but [the option] to cancel the reservation.
■金儲けのことを考える以外は、彼は何も考えないので困ったものだ。
He is always thinking of nothing but [thinking of] making money.
the option to cancel the reservationのtoは形容詞用法のtoでa book to read todayと同じです。だからbutはno optionとthe optionの名詞同士を結んでいるのが分かります。次のbutは、thinking of nothingとthinking of making moneyを結んでいますね。前置詞ofの後ろは動名詞じゃないといけないのでmaking moneyになっているわけです。
最後に、「金儲けのこと以外は何も考えていない=金儲けのことしか考えていない」なわけですから、butはonlyと同じ意味を含んでいます。
■彼はその時ほんの子供でした。
He was but a child then.
= He was only a child then.
このonlyの意味を表す「副詞のbut」は、副詞(オマケ)なのですから消してしまっても文が成り立ちます。そうやって見分けると良いでしょう。それでは類題を解いてみましょう。
Linda did nothing but ( ) the book on weekends.【①】
①read・・・・・・・・②to read
③reading・・・・・④to have read
■リンダは週末は読書ばかりしていた。
When I missed the last bus, I had no ( ) but to take a taxi.【②】
①chance・・・・・・②choice
③method・・・・・④possibility
■最終バスに乗り遅れると、タクシーに乗るしかなかった。
Even since I was a child, my inherent recklessness has brought me ( ) trouble.【④】
①all but・・・・・・・・・・②all over
③anything but・・・・④nothing but
■私は親譲りの無鉄砲で、子供の時から損ばかりしている。
4 Comments
自分はよく洋楽を聴くんですけど、あるアルバムの名前が
nothing but the beat となっていました。
これを構文051のところを参考にしたり、省略とか考えて自分なりに「ビートを刻まないものなんて何もない」と訳してみました。
これであってますか?
あんまりテストと関係はないかなと思ったんですけど、気になったんで質問させてもらいました。
王虎ワンフー君!ブリブリ面白い質問です。We have nothing but the beat.なら、ワンフー君の言うように「皆、ビートを刻んでいる」の意味になる。でも、多分There is nothing but the beat.か何かのつもりで「僕らのビートの他には何もない」とか「僕らのビートは最高だぜ!」みたいな意味だろうね。ま、あんまり深い意味はないだろうけど。でも、身近な英語で遊ぶのは、とっても良いことですよ。また質問してくださいね。待ってます。
テストギリギリの時にバカな質問ですみませんm(-_-)m
例文の
No man is so old that he may not learn
のmayってなんですか?
返信が遅れてごめんなさい。ORB君、これはcanと同じ意味の助動詞で、「~することができる」と考えると良いでしょうね。つまり、「学ぶことができないくらい、そのくらい年をとってしまった人などいない」が原義で、「人はいつになっても学ぶことができる」という意味になります。
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