■僕は人に時計を修理させた(してもらった)。
I had a person to fix my watch. (原形不定詞)
I got a person to fix my watch. (不定詞)
ここでは、使役動詞have、getに出てくる「原形不定詞」の勉強をしましょう。to+動詞の原形を「不定詞」、toがなくなってしまい動詞の原形だけが残ったものを「原形不定詞」と呼んでいます。でも、もとはtoがあったわけです。さて、不定詞の形容詞用法を思い出してください。こんなやつです。
◇今日読む本
a book to read today
◇何か飲むもの
something to drink
◇僕の時計を修理する人
a person to fix my watch
一番最後のやつにはちょっと違和感があるかもしれませんが、名詞の後ろのto不定詞ですから、これも立派な形容詞用法ですね。
◇今日読む本手に入れた。
I had [got] a book to read today.
◇何か飲むものを手に入れた。
I had [got] something to drink.
◇僕の時計を修理してくれる人を手に入れた。
I had a person to fix my watch.
I got a person to fix my watch.
実はこれが使役動詞haveやgetの原義です。つまり「~してくれる人を手に入れる」が「人に~させる」の意味で使えるわけですね。ではなぜhaveもgetも両方とも原形不定詞にならないのかというと、getは多義語で、haveに比べてたくさんの意味があるからです。こんな具合です。
・It got dark. 外の様子が暗くなった。
・I got there. 僕はそこに到着した。
・I got you mad. 僕は彼を怒らせてしまった。
・I got you. 君の言いたいことはわかった!
・I got you. お前をやっつけてやった。
・I got you to go there.僕は君をそこへ行かせた。
ほらね!下の4つは途中まで全部I got youでしょ!toが出てきて初めて使役の意味だと分かります。だから、getではtoを残しておいて、これが使役の表現ですよという記号にするのです。でもhaveの意味は「所有・摂取」か「使役」です。ですから、toがなくても「使役」だと分かりやすいわけです。
■僕は彼に時計を修理してもらった。
I had [got] my watch fixed by him.
■僕は誰かに時計を盗まれてしまった。
I had [got] my watch stolen by him.
さて、英語で一番大切なルールは「人はする・モノは人によってされる」です。次の3つの例文も過去分詞が来てますね。
◇英語で書かれた本
a book written in English
◇彼によって修理された時計
my watch fixed by him
◇誰かに盗まれた財布
my wallet stolen by someone
これを「分詞による接触節」などと呼んでますが、授業ではETの法則のところで勉強しましたね。さっきと同様に、I had [got]をつけるとこうなります。
◇僕は英語で書かれた本を手に入れた。
I had [got] a book written in English.
◇僕は彼によって時計が修理されるという状況を手に入れた。
I had [got] my watch fixed by him.
◇僕は誰かによって時計が盗まれるという状況を手に入れた。
I had [got] my watch stolen by someone.
この「have / get +モノ+過去分詞」の使役は、訳語に注意する必要があります。本人にとってありがたい場合には「してもらう」、ありがたくない場合には「されてしまう」の訳し分けが大切です。まさか、例文をこう訳す人はいませんよね!?
◇僕は彼に時計を修理されてしまった。
◇僕は誰かに時計を盗んでもらった。
使役動詞makeやletはそれぞれ「無理矢理させる」や「させてあげる」と理解がし易いのですが、使役動詞haveとgetについてはあまり説明を見ませんよね!これは「やらせて当然・やって当然」の関係で成り立つ使役だと覚えておいてください。例えば会社の上司が部下に、学校の先生が生徒に、両親が子供に何かさせる場合に使います。やらせる方にはそうする権利があり、やる方にはそうする義務があるわけです。
使役動詞haveとgetの話はこれでお仕舞いです。それでは類題を解いてみましょう。
I must get someone ( ) move this TV set.【④】
①help・・・・・・・②helped
③for help・・・・④to help
■誰かにこのテレビを動かすのを手伝ってもらわなければならない。
When he returns from lunch, please have ( ) to my office.【①】
①him come・・・・・・・・②him to come
③he should come・・・④him coming
■彼が昼食から戻ったら、僕の事務所に来てもらってください。
4 Comments
電子の世界ではお久しぶりですね。キュウべぇです。
今回は質問とお願いが有ってやってまいりました。
まずは質問から…
The part of the story I enjoyed most was ( ) the hero decided to revenge himself on his enemy.
1.which 2.in which 3.what 4.where
答え:4
私の理解の範囲では、関係副詞のwhereと関係代名詞のin whichは相互に書き換えが可能だと認識していたのですが、見ての通りそうではなかったようです。
しかしだからといって何故in whichではいけないのかが分かりません。
The hero decided to revenge himself on his enemy in the part of the story.
のin以下が節の頭に行っているという事ではないのでしょうか?
さて、次はお願いです…
本来このような私事をここに書き込むべきではないのかもしれませんが、今は実力テスト前とあって様々な理由で直接先生にお会いする事が難しい状況でありますので、どうかお許し下さい。
私は先日老師に語法のプリントを頂きました。その際老師は『別冊の講義プリントが今は無いから少し(学習は)難しいかも…』と憂慮していらっしゃいました。そして、その懸念は現実のものとなってしまいました。明日と言わず、来週でもいつでも構いませんので、老師の都合がよろしい時にそのプリントを頂けたら幸いです。
そして、重ねて厚かましい事を申し上げるようなのですが、最近薮研の新項目に加わった『これだけ英文法』についてのお話です。この新トピックは基礎英文法をほぼ独学で(最終的にそうなってしまったのは一重に中学、高校前半期までの私自身の授業への怠慢故なのですが)学習してきた為基礎的な事項に穴が多い私にとって、正に福音とも言うべき物でございました。文章も読みやすく、内容も大変分かりやすいため私はここに掲載されて以降貪るように読んでいたのですが、少々問題が有るのです。
それは、恐ろしく目が疲れる事と、持ち運びが効かない事です。無論、プリントアウトも試みたのですが、ざっと計算してみますと既に公開されている四章までだけでも何と100ページ前後あります。どうか、先生のお力でこちらも先生のご都合が良い時で構いませんから、プリントして頂けるととても嬉しいです。
キュウべぇ君。薮下は現在インフルを拗(こじ)らせてしまい、熱がなかなか下がりません。ですから、「これだけ英文法」と「これだけ動詞語法」の印刷はちょっと待ってください。
英語の質問の方には答えられそうです。「関係副詞whereと関係代名詞in whichは相互に書き換えが可能だと」考えていたのに、そうは行かない英文に出会ったとのこと。でも、これは先行詞the placeの省略ですから、先行詞を復活させればin whichで書き換えられるのですよ!こんな具合です。
The part of the story I enjoyed most was the place where the hero decided to revenge himself on his enemy.
=The part of the story I enjoyed most was the place in which the hero decided to revenge himself on his enemy.
ほらね!でも、問題文では先行詞the placeがないのでin whichは使えない。だから2ではダメなのですよ。そして、もう1つ言っておかねばならないのは、必ずしも「where=in which」じゃないということです。
I knew the hotel.
+
He stayed at the hotel the other day.
=I knew the hotel where he stayed the other day.
=I knew the hotel at which he stayed the other day.
ほらね!whereがat whichになってるでしょ!だって「stay at the hotel」で「ホテルに泊まる」だからね。
■僕は彼に時計を修理してもらった。
I had [got] my watch fixed by him.
■僕は誰かに時計を盗まれてしまった。
I had [got] my watch stolen by him
中の語(この場合はmy watch)が「される」のときは、
gotを使う時、toが消える ということですよね?
そうです。「中の語」がモノの場合には、「モノは人によってされる」だから「モノ+過去分詞」になって、toは消えてしまいます。
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