英語と日本語とを比べると、そこには「鏡像現象」が見られます。鏡像(きょうぞう)とは文字通り、実像が鏡に映ってできる映像のことで、実像とまったく逆の絵になります。例えば、こんなのがそうですね。
◆テーブルの下に ←→◇under the table(下+テーブル)
◆君を愛してる ←→◇love you(愛してる+君を)
◆朝起きたとき ←→◇when I got up(時+朝起きた)
英語の勉強を始める入門期に、真っ先に教わらなければならないのがこの「鏡像現象」です。これを教わることで、英語と日本語の違いをハッキリと意識することができます。でも、小学校でも中学校でもあまり聞きませんよね!薮下も教わった記憶がありません。これを教師から教わらずに経験から悟りなさいなんて、とっても大変です!鬼畜です。あ、ジュンちゃん!笑いましたね?!さて、従属接続詞becauseの使い方にも、これと同じような「鏡像現象」が見られます。次の例文を見てください。
■時間が遅いので、店は閉まっている。
Because it is late, the shop is closed.(◎)
The shop is closed because it is late.(◎)
これをイメージ図化したのが下です。直線が鏡面だと思ってください。+は文と文との接合点です。う~ん!文字絵が上手に描けるといいのですが、かなり苦しいですね。あ、赤字が実像、青字が鏡像です。
<Because it is late>,←このコンマは必要。なぜならどこで文が区切れるかわかりにくいから
+
the shop is closed
__________
The shop is closed←ここにコンマは不要!なぜならbecauseで区切れることが明らかだから
+
<because it is late>
従属接続詞とは、すぐ右側の文と初めからひっついている、言い換えると「従属している」、そんな接続詞のことを言います。つまり、becauseは初めからit is lateの文とひっついています。この2つはバラバラに離れてしまうことはなく、必ず<セット>になっています。そして、片手(+)を出してもう一方の文と手をつないでいるイメージです。
ほらね!上が実像だとすると、下は鏡像(=鏡面に映った像)の様に上下が反転してますよね!まさに「鏡像現象」です。この2つの英文は実像も鏡像も両方とも正しい英文です。じゃあ、等位接続詞の場合はどうでしょうか。同じ内容を等位接続詞forを使って書き換えてみます。
■店は閉まっている。なぜなら時間が遅いからだ。
The shop is closed, for it is late.(◎)
For it is late, the shop is closed.(×)
等位接続詞とは、2つの文を「等しい位の力」で結ぶ接続詞です。ですから、初めからどちらかの文とひっついてるわけではありません。2つの文の真ん中にあって、それらから独立しています。そして両手を広げ2つの文をむすんでいるイメージです。両手ですから+が2つありますね。
The shop is closed,←ここにコンマは必要!なぜならfor以下の理由文から独立しているから
+
for
+
it is late
じゃあ、これを「鏡像現象」を利用して、上下をひっくり返すことはできるのでしょうか?つまり、こんな風になるのでしょうかね?
It is late,
+
for
+
the shop is closed
これだと「時間が遅い。なぜなら店が閉まっているからだ」となってしまい、因果の逆転(原因と結果が逆転すること)が起こっていて、論理的におかしいですよね。つまり、等位接続詞には「鏡像現象」は起きないのです!まとめると、従属接続詞は、接続詞とその直後の文がセットになっているので、鏡像現象が起こるが、等位接続詞は結ばれる2つの文から独立しているので、鏡像現象は起こらない、となります。
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