<質問>
ネクステージの問題でどうしても合点がいかない所が有ったので御聞きします。
162:The driver kept the engine ( ) while we waited.
1.run 2.to run 3.running 4.ran
163:I cannot keep my eyes ( ) to his terrible situation.
1.to close 2.close 3.closing 4.closed
これは目的格補語となる分詞が目的語との関係によって現在分詞になったり過去分詞になったりするのを問う定番の問題だと思うのですが、その区別がどうもよく分からないのです。
ここで2つの問題の分詞と目的語の関係を整理してみましょう。
162:エンジン←かかっている
163:目←閉じている
こう考えますと答えは162は3,163は3となります。
しかし実際にはそうではありません。
163の答えは4なのです。
つまり、
目←閉じられている
というわけですね。
しかしこれはどうも妙です。
そうなると何故
エンジン←かけられている
ではいけないのでしょうか?
御答え下さい。
<回答>
キュウべぇ君がいう通り『目的格補語となる分詞が、目的語との関係によって現在分詞になったり過去分詞になったりする』のですが、日本語で考えても上手く行きませんよ。そもそも「目=閉じられている」、「エンジン=かけられている」の発想が間違っています。
農耕民族である日本人は、周りの自然を思い通りにコントロールするのは不可能だと分かってますから、自分以外のことやものは「自然にそうなる」と発想します。一方、自然を支配していると思わないとやってられない狩猟民族である欧米人は、モノは人によってコントロールされるものだと発想します。だから「人はする、モノは人によってされる」が欧米人の考え方の根本にあるのです。当然、彼らは人間の体もモノだと考えるので、「人は目を閉じる」、「目は人によって閉じられる」と発想します。これには例外があって、「させる系の他動詞」と呼ばれているモノ(あ、藪下が勝手にそう呼んでます)がそれに当たりますが、これは別のところで説明します。
さて、「人はする、モノは人によってされる」のですが、さすがの欧米人にも自分では絶対にコントロールできないモノがあります。例えば心臓。心臓を自由にコントロールできる人はいませんよね。好きなときに動かして、嫌になったら止めるなんてことは不可能です。つまり「人は心臓を動かす、心臓は人によって動かされる」とはならない。心臓は勝手に自分で動いてます。だから、こういうのは自動詞で表現します。
■あたしの心臓は力強く(勝手に)鼓動している。
My heart is beating strongly.(◎)
■あたしは心臓を力強く動かしている。私の心臓は私によって力強く動かされている。
I am beating my heart strongly.(×)
My heart is being beaten by me.(×)
さて、問題162です。キュウべぇ君は「僕はエンジンをかける、エンジンは僕によってかけられる」と書いてますね。確かにエンジンをスタートさせる場合には君のいうとおりです。
■僕はエンジンをかける、エンジンは僕によってかけられる。
I start the engine, and the engine is started by me.
でも、問題162の選択肢を見てください。startなんてありませんよね。あるのは自動詞runです。自動詞runは「機械が勝手に動く」の意味です。ですから、さっきやった心臓と同じ発想なわけです。
■車のエンジンはちゃんと動いている。
The car engine is running smoothly.
ほらね!心臓と同じでしょ!車のエンジンをかけたり止めたりするのは人間ですが、その後はエンジンが勝手に動いているわけです。だから「機械が動作する」や「エンジンが動く」は自動詞なのです。
□162「エンジン←勝手に動いている
□163「目←人によって閉じられる」
この発想はSVOCの「OC」関係だけではなく、付帯状況のwithの「OC」関係でも出てきます。ちゃんと覚えておいてくださいね!
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4 Comments
質問です。
とても初歩的なことで申し訳ないのですが、未来形と未来完了形の違いが全くわからないのです・・・。
どうかお教えください。
アサイ君、あれ?サアイ君。初投稿ですね!完了形は次の様に簡単に考えると良いでしょう。「現在完了した」とは「今終わった」。すると「今までずっとやっていた」わけだし、「今までに経験したことがある」わけだ。これを過去形や未来形に置き換えれば次の様になります。
◇現在完了
「今終わった」
「今までずっとやっていた」
「今までに経験したことがある」
◇過去完了
「その時終わった」
「その時までずっとやっていた」
「その時までに経験したことがあった」
◇未来完了
「その時までに終わっているだろう」
「その時までずっとやっていることになる」
「その時までには経験しているだろう」
じゃあ、未来形って何かというと、人の意志に関わる「~するつもりだ」「~させるつもりだ」の表現と、人の意志とは関係のない「~になるだろう(状態)」「~するだろう(動作)」の表現のことを指しています。「~しているだろう」になると未来進行形です。未来形についてはここやここでも書きました。あ、時制について言うと、今の英文法ではほとんど論理が破綻しています。これについてはまた今度ゆっくりやりましょう。
「その時までずっとやっていることになる」
というのは未来完了進行形になるのでしょうか?
サアイ君!返事が遅くなってごめんなさい。完了は日本語にない表現です。日本語では全部過去形で間に合ってしまいます。だから、僕らは完了が苦手です。せっかくですから、完了について簡単にしゃべっておきます。
先ず、サアイ君の質問に答えておきます。「その時までずっとやっていることになる」は未来完了進行形で表現するのかということですが、答えは「やっている」が動作なのか状態なのかによって異なります。次の例文を見てください。
■僕らは知り合って今年の夏で10年になります(10年間ずっとお互いを知っていることになる)。
We will have known each other for ten years by this summer.
■あと1時間で僕は3時間ずっと勉強していることになる。
I will have been studying for three hours in one more hour.
ほらね!「ずっと知っていることになる」と「ずっと勉強していることになる」では表現の仕方が違います。つまり、「動作」は未来完了進行形になるけれど、「状態」は未来完了で表現しなくてはなりません。それじゃあ、「現在完了」「過去完了」「未来完了」の3パターンを全部まとめておきます。繰り返し読んでみてください。
◇現在完了-今終わった
■僕はたった今家に着いたところだ。
I have just arrived home.
■その列車はたった今出発したところだ。
The train has just left the station.
◇現在完了-今までずっとやっていた
■僕らは知り合って10年になる(10年間ずっとお互いを知っている)。
We have known each other
■あれから今まで僕は2時間ずっと勉強をしていた。
I have been studying for two hours since then.
◇現在完了-今までに経験したことがある
■僕は今までに3回その小説を読んだことがある。
I have read the novel three times.
◇過去完了-その時終わっていた
■彼が家を出たとき、僕はちょうど家に着いたところだった。
I had just arrived home when he left [home].
■僕が駅に着いたとき、その列車は出発してしまっていた。
The train had already left the station when I got there.
◇過去完了-その時までずっとやっていた
■僕らが結婚したとき、知り合って10年になっていた(10年間ずっとお互いを知っていた)。
We had known each other for ten years when we got married.
■君が電話をくれたとき、それまで僕は2時間ずっと勉強をしていた。
I had been studying for two hours when you called me.
◇過去完了-その時までに経験したことがあった
■大学生になるまでに、その小説を3回読んだことがあった。
I had read the novel three times by the time I entered college.
◇未来完了-その時までには終わっているだろう
■君が家を出る頃までには、僕は家に帰っていることだろう。
I will have arrived home by the time you leave [home].
■僕が駅に着く頃までには、その列車は出発してしまっているだろう。
The train will have left the station by the time I get there.
◇未来完了-その時までずっとやっていることになる
■僕らは知り合って今年の夏で10年になります(10年間ずっとお互いを知っていることになる)。
We will have known each other for ten years by this summer.
■あと1時間で僕は3時間ずっと勉強していることになる。
I will have been studying for three hours in one more hour.
◇未来完了-その時までには経験しているだろう
■もしもう1度その小説を読めば、僕は3回それを読んだことになる。
If I read the novel again, I will have read it three times.
ね!もう分かったでしょ!
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