譲歩構文2つ目のパターン、「たとえAであろうとも、B」の4回目です。これで譲歩構文は終わりです。第34構文でやったif anyとよく似た表現でif everをここではやります。
■彼はたとえあるにしてもめったに映画には行かない。
He seldom, if ever, goes to the cinema.
= Even if he ever goes to the cinema, it is rare.
if anyは「たとえあるにしても少ない」でしたが、if everは「たとえあるにしてもめったにない」です。つまり、if anyは「存在する数量」のことを、if everは「今まで経験した回数」のことを言っています。「あるにしてもめったにないなのですから、必ずseldomとセットになります。seldom以外にもscarcelyやrarely、hardlyも使えます。ここでも注意しておくと良いのは「もしあれば」との区別です。ただし、これは省略表現ではありません。
■もしいるなら、彼こそが天才だ。
He is a genius if ever there was one.
= He is a genius if there was ever one.
このif everは「今まで経験した回数」ではなくて「今までに人がいれば・モノがあれば」の意味です。if ever there was oneまでがセットです。wasは仮定法で、頭の中だけの妄想時間を表現しています。つまり、「実際はいないのだけれど、もし仮にいるとするならば」くらいの意味です。参考書や解説書の中には、if ever there is oneとやっているのを見かけますが、これは間違いです。
■もし英雄というものがあるとすれば、彼こそそうだ。
He is a hero, if ever there is one.(×)
さて、ifに絡む譲歩には、あとこんなのもあります。ここから先は聞き流しておいてください。
■全部とはいわないまでも、会社のほとんどの重大決定を彼がやっている。
He makes most, if not all, of the important decisions for his company.
■今すぐにとは言わないが、急いだ方が良い。
You had better do it soon, if not right away.
このifも、やっぱりeven ifと同じ「たとえ~であっても」です。そして必ず対立する言葉が出てきます。ここでは「mostとall」、そして「soonとright away」ですね。さてさて、ついでと言っては何ですが、譲歩じゃないけどif絡みでこんな表現もあります。
■どちらかと言えば、彼はロマンチストだ。
He is, if anything, the romantic type.
= If anything, he is the romantic type.
if anythingは文頭でも文中でもOKです。これはif there is anything to sayの省略表現だと考えると良いでしょう。「どちらかと言えば」とは、どちらともハッキリとは言えないのだけれど、「あえて言うならば」「もし言うことがあるのなら」くらいの意味です。
入試問題の作問委員は、第33~35構文が大好きです。なぜなら、これ1つで、省略と譲歩の両方を試すことができるからです。だから、国立大学の2次試験の下線部訳にはよく登場します。ちゃんと覚えておいてくださいね。これで譲歩構文は全巻の終了です。よ~く頑張りましたね!次回からは「目的構文」をやります。あ、太田ちゃん。手術が無事に成功することを祈ってますよ!
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