ここからは、譲歩構文2つ目のパターン「たとえAであろうとも、B」です。譲歩構文は、今までにやった「Aなのだが、しかしB」と、これからやる「たとえAであろうとも、B」のどちらかに分類されます。ここでは「複合関係詞」が導く譲歩をやります。例の「たとえいつ・どこで・誰が・何を・どんなにやっても」というやつですね。
■たとえ君が何を言っても、僕はそれを信じないよ。
Whatever you say, I don’t believe it.
No matter what you say, I don’t believe it.
■たとえ誰がそう言っても、僕はそれを信じないよ。
Whoever says so, I don’t believe it.
No matter who says so, I don’t believe it.
■たとえ君がいつ僕のことを必要としようとも、僕は君を支援してあげるよ。
Whenever you need me, I will help you.
No matter when you need me, I will help you.
■たとえ君がどこにいても、僕は君を支援してあげるよ。
Wherever you are, I will help you.
No matter where you are, I will help you.
■たとえ僕がどんなに君のことを忘れようとおもっても、忘れられないよ。
However hard I try, I can’t forget you.
No matter how hard I try, I can’t forget you.
複合関係詞については、「これだけ英文法」でガッツリ扱う予定です。でも、ここで少しでも説明しておけば記憶の手助けになるんじゃないかと思うので、ちょっとだけ書いておきます。
□matterは「問題」の意味の名詞
それにnoが付いてno matterで「問題じゃない」。だから、No matter what you say,~で「君が何を言おうともそんなことは問題じゃない」が原義。これが「たとえ君が何を言ってもそんなことは問題じゃない」に援用されました。言いたいこと(主節)は「僕はそれを信じないよ」ですから、Whatever you sayもNo matter what you sayも主ではなく副詞なわけです。他も同様です。
・No matter who says so,~=誰がそう言おうとも、そんなことは問題じゃない
・No matter when you need me,~=君がいつ僕のことを必要としようとも、そんなことは問題じゃない
・No matter where you are,~=君がどこにいようとも、そんなことは問題じゃない
・No matter how hard I try,~=僕がどんなに一生懸命そうしようとも、そんなことは問題じゃない
□whateverはもともと「何でも」の意味の名詞
僕らが生活している中で、「こと・もの」と言う機会がものすごくたくさんあります。「君の言うこと」とか「僕が欲しいもの」などがそれですね。「こと・もの」は英語にするとthe thing(s)。それを飾る関係詞は「モノはwhich」。だから僕らが「君の言うこと」とか「僕がほしいもの」と言うたびに「the thing(s)which you say」「the thing(s) which I want」と言わなきゃならない。つまり、the thing(s) whichのセットが頻繁に登場するわけです。ほら、ものすごく面倒でしょ!だからthe thing(s) whichを縮めて関係代名詞whatというのを作り出しました。「君の言うこと」や「僕が欲しいもの」は当然名詞です。
■君の言うことは実際に起こってしまうだろう。
The thing which you say will really happen.
What you say will really happen.
この「こと・ものwhatに-everがついて「何でも」の意味になります。そして、肯定文のanyは「何でも・いつでも・どこでも・誰でも」の意味を表現しました。だから上の英語はこうなります。
■君の言うことは何でも実際に起こってしまう。
Anything which you say will really happen.
Whatever you say will really happen.
whateverは「何でも」の意味の名詞なのだから、文の主語だけではなくて目的語(何を)にもなれます。
■僕は君の言うことは何でも信じます。
I believe anything which you say.
I believe whatever you say.
だから、同じ「whatever」に「何でも」の名詞用法と「たとえ何をしても」の副詞用法の2つがあるわけです。
でも、よく考えてみると、関係詞ってもともとは名詞の飾りですから形容詞のはずですよね!つまり、関係詞は直前の名詞の飾りの開始を告げる注意記号です。「ここから、直前の名詞の飾りが始まりますよ!」と読者に教えてくれるわけです。飾られる直前の名詞のことを「先行詞」と呼びましたね。だから、関係詞が導くものは、絶対に形容詞のはずです。なのに、複合関係代名詞whateverは名詞にもなり副詞にもなるというブリブリおかしなコトになってしまってますね。!あ、ちょっと書くつもりが長々と説明してしまいました。今日はここまでにしましょう。太陽君、号令をおねがいします。
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2 Comments
以前からno matterやwhateverなど、なにがなんだかまからない状態でほったらかしにしてしまっていたのですが、このページを見さしてもらってスッキリしました!とてもわかりやすい説明で中学生のころからこのページを見つけていたらどんなによかったかと思いました。今後も活用させていただきます!ありがとうございました!
お役に立ててうれしく思います。何か質問があるときは、遠慮なくコメントしてくださいね。
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