■今度、僕の誕生会を開きます。
I am giving a party to celebrate my birthday.
この toの用法なのですが、「自分の誕生日を祝うためのパーティー」とも「自分の誕生日を祝うために開く」とも読み取れます。つまり、名詞 partyを飾る形容詞用法のtoとも、動詞 am givingを飾る副詞用法のtoとも解釈できるわけです。どうしてかというと、英語は先ず言いたいことをいっておいて、次にtoがその「補足説明」を指さしているだけだからです。つまり、「僕はパーティーを開くつもりだ」が大切な情報で、それがどんなパーティーなのかとか、それを何の為に開くのかなんてただの補足説明に過ぎなのいから、どっちでも良いわけですよ!
ということは、僕らがこのtoは形容詞用法だ、副詞用法だと騒いでいるのは、ほとんど意味がないわけです。ま、すべてのtoがこの例文のように曖昧なわけではないのですが、用法の判別よりも「言いたいこと」to「その補足説明」の流れの方が大切だと言うことがここから分かります。ま、気を取り直して「副詞になる」を勉強しましょう。
■あなたに会えてうれしい。
I am happy to see you.
■この本は一日で読んでしまうのが難しい。
This book is difficult to read in a day.
■彼女は80才まで生きた。
She lived to be eighty.
■あなたに会うために僕はここに来た。
I came here to see you.
発想はやっぱり「言いたいこと」to「その補足説明」です。自然にわいてくる疑問に答える方向に文が流れてゆくのを味わってください。こんな具合です。( )の中は学校英文法での呼称です。
ぼくは嬉しい!→(なぜ?どうして?)→君に会えたから(感情の原因)
この本は難しい→(なにするのが?)→1日で読んでしまうのが(判断の根拠)
彼女は生きた→(その結果?)→80才になった(結果)
僕はここに来た→(なにするために?)→君に会うために(目的)
上の2つには特徴があって、「人 is 形容詞」か「モノ is 形容詞」の型にハマります。そして、人やモノを飾る形容詞の後ろに、「なぜ?どうして?」のtoや「なにするのが?」のtoが来るわけですね。「感情の形容詞」や「判断の形容詞」にはこんなのがあります。ざっと見回して、知らない形容詞があったら辞書を引いておきましょう。
★「人 is 形容詞」のパターン
人is「感情」(俺は怒ってるんだ!)→なぜ?どうして?→君が来ないからだ
怒(いかり)[angry, annoyed, irritated]
哀(悲しみ)[sorry, sad, lamentable]
喜楽(喜び)[happy, glad, pleased]
人 is「評価判断」(あたしってバカよね!)→なぜ?どうして?→あんな奴を好きになっちゃって
賢[clever, smart, intelligent, wise]-愚[foolish, stupid, silly]
善[good, nice, kind, thoughtful]-悪[bad, selfish, thoughtless]
礼[polite]-無礼[impolite, rude]
勇[brave, bold]-狂[crazy, cruel, naughty]
正直[honest]-不正直[dishonest]
★「モノ is 形容詞」のパターン
モノis「難易判断」(こいつは難しいね!)→なにするのが?→僕一人でやるのは
難[difficult, hard, dangerous]-易[easy]
可[possible]-不可[impossible]
快[pleasant]-不快[unpleasant]
益[useful]-無益[useless]
下の2つは「人はVする」に続いて「その結果?」や「なにするために?」のtoが来ます。「その結果?」には次の4つパターンがあります。ここでも、やっぱり「言いたいこと」to「その補足説明」の呼吸が大切です。
「SはVした」→その結果→「~になった」
「SはVした」→その結果→「~だと分かった」
「SはVした」→その結果→「~してしまった・~しただけだった」
「SはVした」→その結果→「決して~しなかった」
言いたいことをまずいって、次にそれを補足する英語の流れ方が分かりましたか?あ、不定詞の副詞用法については、「講義ノート52」で一度説明しています。もう1度読み直しておいてくださいね。
さて、母親が卒中で倒れ入院しました。入院の準備や手続きに忙殺されて、ブログの更新が遅れてしまい、ごめんなさい。幸い、命に別状はなく安心しています。ところで、入院先の病院名の英語表記が「×××Brain Clinic」となっているのにはびっくりしました。これは完全な和製英語で、ネイティヴには「脳ミソ病院」くらいに聞こえるはずです。薮下が「××× neurosurgery(ニューロ・サージェリー)」にしろと騒いでいると、「あたしはブレイン・クリニックの方が分かりやすい!ニューロサージェリーって聞いても何科の病院だかさっぱり分からないわ」と妹が言うので、ピンときました。そうなのです!これは間違いなく確信犯なんですよ!
この病院の医院長は、脳神経外科の分野では雑誌やテレビでよく名前を見るくらいの名医で、頭はブリブリ切れてます。だからBrain Clinicが和製英語であることは百も承知のはず。それでもあえて使っているのは、「脳神経外科」よりも「ブレイン・クリニック」の方がイメージが良いし、誰でも耳にすれば「何科」だかすぐに分かるというわけです。やっぱり僕ら日本人にとって、英語は装飾品なんですね。何だかとっても複雑な心境です。
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