【講義ノート25】「AしないうちにBした」
■その一行がそんなに遠くまで行かないうちに、雨が降り出した。
■雨が降り始めたとき、その一行はそんなに遠くまで行ってはいなかった
The party had not gone so far when it began to rain.
これは前にやった「Aした時すでにBしていた/まだBしていなかった」のパターンです。1つの英文に2つの和訳が付いている変わった例題になってます。英文の直訳は「雨が降り始めたとき、その一行はそんなに遠くまで行ってはいなかった」ですが、「その一行がそんなに遠くまで行かないうちに、雨が降り出した」とした方が自然な日本語に聞こえますね。どうしてこんな事になるのかというと、以前そこやここでもしゃべったのですが、日本語が勝手にそう「なる」の言語であるのに対して、英語は意図的に「する・させる」の言語だからです。
日本語では自然にそう「なる」わけですから「一行がそんなに遠くまで行ってなかったこと」も「雨が降り出したこと」も、この2つの出来事にはそんなに差はありません。つまり、2つとも勝手にそうなったと言う意味では等価値の出来事なのです。だから2つの出来事のうち、どちらから書き始めようがあまり問題はないわけです。一方、英語では人に伝えたい内容(主節)とそれがいつ起こったのか(副詞節)をちゃんと区別します。ここで人に伝えたい内容は「一行はそんなに遠くへは行ってなかった」ことで、それはいつの話かというと「雨が降り出した時」なわけです。
あ、「AしないうちにBした」が使えるのは主節が否定文の場合です。主節が肯定文だと、とんでもないことになります。というのは、日本語にすると主節と副詞節とが逆転してしまうのです。こんな具合です。
■僕が家をちょうど出ようとしたとき、雨が降ってきた。
I was just about to leave home when it began to rain.
では、類題をいくつか付けておきますので、「AしないうちにBした」で訳出できるように練習しておいてください。
I had hardly spoken to him before he was gone.
■あたしが話しかけないうちに、彼は行ってしまった。
I hadn’t gone a mile before I felt tired.
■僕は1マイルも行かないうちに、疲れてしまった。
They had not gone so far when they met a pretty girl.
■そんなに遠くに行かないうちに、彼らはかわいらしい女の子と出会った。
We had not been waiting long when / before the sun rose over the horizon. ■そんなに長い時間待たないうちに、太陽が地平線から顔を出した。
同じ英語で4択問題も載せておきましょう。左クリックでドラッグすると、答えが出てきます。
I ( ) hardly spoken to him before he was gone.【②】
①have・・・・・・・・・・・・・②had
③am
The party ( ) far when it began to rain.【③】
①has not gone・・・・・②isn’t going
③had not gone
I ( ) a mile before I felt tired.【③】
①didn’t go・・・・・・・・②hasn’t gone
③hadn’t gone
They ( ) very far when they met a pretty girl.【①】
①had not gone・・・・②have not gone
③had not been
【第6章 完了形(1)】【第7章 完了形(2)】
・
This was written by
yabu. Posted on
土曜日, 10月 1, 2011, at 8:34 AM. Filed under
「ヤバイ英文法」. Bookmark the
permalink. Follow comments here with the
RSS feed. Trackbacks are closed, but you can
post a comment.
7 Comments
すみません。
argueについて
覚えてなければいけないことを
教えてください。
あと、
AS it is raining、
I would ( ) stay at home.について
なぜ、ratherが、( )に入るかということと、
asがなぜ、「理由」になるか、教えてください。
argueは「ああ!牛丼は吉野家だと主張する」の連想記憶術を覚えていないといけません。あ、これは冗談です。えっと、「議論する」の意味を持つ動詞で、他動詞ならばdiscuss、自動詞ならばargueだと記憶しておく必要があります。
■僕らはそのことについて弁護士と議論した。
We discussed the problem with a lawyer.
We talked about the problem with a lawyer.
We argued about the problem with a lawyer.
discussは他動詞だから前置詞は不要、でもargueやtalkは自動詞だからaboutが必要です。
そして、asについては「ので、とき、ように、連れて、しながら、なのだが、資格、比較、関係代名詞」の8つ用法があります。その中の「ので」が理由を表します。薮研の「ルール16」に載ってるので勉強してくださいね。asは国立大学2次試験の和訳では常連ですから、これは絶対に覚えてなければいけません。
え、ratherについては・・・
あと、覚えといた方がいい
接尾辞と接頭辞の
それ自体と意味を教えてください。
ratherは「肯定的rather」と「否定的rather」の区別が大切です。
■この部屋はちょっと寒い。
It’s rather cold in the room.
■これはかなり良い本ですね。
This is a rather good book.
この様に、同じratherでも否定的な「ちょっと」と、肯定的「かなり」の訳し分けができるとカッコ良く訳出ができます。あとは、rather A than Bとかrather A than B、would rather doなどの構文を覚えておくと良いでしょう。
そして「接頭語」や「接尾語」ですが、これは藪研の連想記憶術の中に所々織り込んでいます。それだけを斜め読みしてもかなり単語の構造が分かってきますよ。
はじめまして。現在高2の池永睦と申します。講義ノート25を読ませて頂き、とても勉強になりました。ところで、質問がございます。講義ノート25の下記の問題ですが、①でも正解に思いました。その理由は、farは副詞なので一般動詞goに直接後置でき、意味(訳)も「それほど遠くに行かないうちに」となると思ったのです。なぜ①は正解ではないのでしょうか?
They ( ) very far when they met a pretty girl.
①had not gone・・・・②have not gone
③had not been
池永睦くん!これは君の言うとおりで、薮下のミスです。この問は①が正解です。早速訂正しておきました。③の可能性はこんな場合です。
⊿僕はそれまでに家からそんなに遠くには行ったことがなかった。
I had not been so far away from home.
でも、この問題は「遠くに行ったことがある」という経験ではなくて、「遠くに行ってしまう」という完了ですからhad not gone so farじゃないといけません。
薮下先生、どうもありがというございました。
また、③の可能性の解説までして下さり、とても嬉しくおもいました。本当にどうもありがとうございました。
Post a Comment