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第1課 「単語」(23)動詞には単体動詞と句動詞がある

「やり直しの英文法」の23回目です。前から動詞を色んな視点から分類しています。
1.「be動詞とそれ以外の動詞(一般動詞)」
2.「自動詞と他動詞」
3.「動作と状態」
4.「日本語の発想で上手く行く動詞と行かない動詞」
5.「単体動詞と句動詞」
今回は動詞を「単体動詞と句動詞」とに分類します。「動詞」というのは、2語以上が集まって、1つの動詞の働きをする語のことを言ってます。2語以上がれをなしていると考えて「動詞」という場合もあります。ま、もともと「」の意味が、「2つ以上の単語が集まって1つのまとまった意味を表すもの」ですから、そのまとまった意味が「動詞」だというだけです。逆に、「句動詞」とは反対の意味を表すのが「単体動詞」です。あ、「単体動詞」なんて言い方はないのですが、単一の語ででき上がっている動詞ということです。
・単体動詞=単一の語ででき上がっている動詞
・句動詞=2語以上が集まって1つの動詞の働きをする語句
さて、英語は「核心から周辺へ」と広がってゆく言語です。例えば住所の書き方を見れば分かります。
愛知県名古屋市東区砂田橋2丁目1の58
1-58, 2-Chome, Higashi-ku, Nagoya, Aichi Prefecture
あ、これは薮下が教えている名古屋高校の住所です。日本語は「周辺から核心へ」向かって収束しているのに対して、英語は「核心から周辺へ」と拡散してゆきます。学校を示すのに、英語は先ず1-58という地図上の1点から始めて、次にそれがある町、区、市と進んでいって、最後に県が来てます。一方、日本語は正反対の方向に進んでゆくのが分かります。英語を勉強する上で、日本語とは真逆のこのベクトルを意識することがブリブリ大切です。例えば英語は先ず5文型を使って言いたいことを言ってしまってから、次にそれを「どこ」でやったのか、「どの様に」やったのか、「いつ」やったのかという副次的な情報を付け足します。また、先ず話題の核心である「名詞」を言っておいてから、2語以上の飾りをその後ろに付け加えます(ETの法則)。そして、句動詞も同じで、基本的な動きを先ず言っておいてから、次にそれが向かう方向とか速さとかを後から付け足すわけです。例えばget upがそうです。
あなたは何時に起きますか?
What time do you get up?
get upは2語で1つの動詞の働きをしていますから「句動詞」です。そして、「起きる」という行為は自分で勝手にできる動作で、「何を(目的語)」は必要ないので「動詞」です。だから、get upを「動詞」と呼ぶことがあります。さて、getは「ある状態になる」という基本的な動作を表現し、次に続いてupがどんな状態になるのかを方向として示しているのです。だからget upは「upの状態になる」が原義で、upするものが何かによって色んな意味に成ります。
彼は椅子から立ち上がった。
He got up from the chair.
それを2階に運び上げてください。
Please get it up to the second floor.
自分の身体を椅子からupの状態にするのですから「立ち上がる」。次のget upは物を2階にupするのだから「運び上げる」。あ、itがgetとupの間に割り込んでいますね。これはget up itにすると、代名詞で言いたいことが終わってしまいます。代名詞は普通の名詞に比べると軽いので、文のお尻が軽くなって安定が悪いわけです。だからget upと合体させて大きな塊(かたまり)にすることで文を安定させているわけです。ま、これはまだ分からなくてもOKです。気になる子はここを参照してください。
薮下は中学の頃、英語の花田先生にこんな質問をしたのを覚えてます。「同じgetでもIt gets darkは[暗くなる]なのに、なぜI get upが[起きる]なのですか?」すると、花田先生は「そんなバカなこと考えずに、get up=起きると覚えてしまいなさい」と言い放ちました。それ以来、薮下は英語が大嫌いになりました。もうおわかりだと思うのですが、getは両方とも「ある状態になる」で、get darkは「暗い状態になる」、get upは「upの状態になる」になっているわけです。だから2つのgetは全く同じ意味なんです。get upくらいなら簡単ですが、これからたくさんの句動詞を覚えないといけないので、この「基本的な動き+その方向や速さ」という発想がとっても大事になってきます。

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