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森田君の挑戦(33)

<問題>
2010年度・京都大学・Ⅲ(1)

子供の頃には列車での旅行というのは心躍るものであった。年に一度、夏休みに祖父母の家に行くときには、何時間も列車に乗ると考えただけでわくわくした。今では長距離列車を見ても、子供のころのように気分が高まることはないが、大きな駅のホームに日本各地に向かう様々な列車が並んでいる光景は鮮明に思えているし、発車の瞬間の独特の高揚感を思い出すこともある。

<答案>  

When I was a child, travel by train used to fascinate me a lot.  Once every year when we were going to visit my grandparents’ home, only the thought that I would be on a train for many hours made me excited.  Nowadays if I see an express train, I don’t get excited as I did in my childhood.  However, I’ve vividly remembered the sight of many kinds of trains bound for everywhere in Japan in the large station and I sometimes recall the unique enthusiasm when a train was about to leave.
<読者への挑戦>
赤い部分の英語が間違っています。さて、どうしてそれが間違っているのか、またどうすれば正しい表現になるのかを考えてみてください。
<添削>
森田君!ほぼ完璧な英作文ですね!これだけの英語が書けたら、京都大学も楽勝ですよ!世間ではセンター試験の出来が思わしくなくて、志望校をどんどん下げてる様子ですが、ここはひとつ強気で突っ走りましょうね!
さて、今日は「独特の高揚感」について勉強しましょう。「高揚感」をuplifting feelingなんて英語にできる受験生はそうはいません。普通は「高揚感」を「興奮」と読み替えてexcitementを使うところでしょう。森田君が使ったenthusiasmにも「情熱」や「熱狂」という意味があるので、「高揚感」の意味で使えないこともありません。それに、「独特な」はuniqueでバッチリなのですが、この2つを組み合わせることはできないのです。
⊿独特の高揚感
the unique enthusiasm(×)
my special enthusiasm(○)
どうしてかというと、enthusiasmはuniqueなものに決まっているからです。というのは、enthusiasmは、何かにとりつかれた様に「他ではない」「唯1つの」ものに熱をあげている心の状態なわけだからです。ですから、「独特」の意味を持つpeculiar、distinctive、individual、characteristicはどれもenthusiasmと一緒には使えません。この文脈での「独特な」は、どちらかというと「特別な」の意味なので、specialを使うのが良いでしょう。それに、思い出すのは「皆が知ってるあの」高揚感ではなくて、「前に自分が感じた」高揚感だから、the enthusiasmではなくmy enthusiasmですね。

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