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森田君の挑戦(17)

<問題>
1994年度・京都大学

雨は降らなくても降りすぎても災いを招く。天気予報という言葉さえなかった時代、先の天気は自分で判断するしか術がなかった。だから人々は真剣に空を眺め、風を読んだに違いない。天気に関わる言葉が豊かなのは、そのせいだろう。

<答案>

If it has not rained for several days, bad things will be caused.  Equally, if it rains too much, the same result will be brought about.  In the times when people didn’t use even the words “weather forecast,” they had no choice but to judge for themselves the weather of the future.  Therefore, people must have seriously looked at the sky and judged the strength of the wind and the direction in which the wind blew.  Thanks to this, we can use many words about the weather.
<読者への挑戦>
赤い部分の英語が間違っています。さて、どうしてそれが間違っているのか、またどうすれば正しい表現になるのかを考えてみてください。
<添削>
森田君!「雨は降らなくても降りすぎても災いを招く」を、君は2つの条件に分けて上手に表現しましたね!ただ、「起こる」をbe causedにしたのは失敗でした。なぜかというと、causeは「原因+cause+結果」と並べて、理由や原因に力点を置く表現からです。それを受け身にしても同じことで、やっぱり「結果is caused by原因」となって、全体に「by原因」が外せない要素になります。ここでは、自動詞occurを使うのがよいでしょう。さて、今回は「人々は天気予報という言葉さえ使わなかった」、「先の天気」、そして「天気に関わる言葉」の3つを勉強しましょう。
①people didn’t use even the words “weather forecast”
「天気予報という言葉さえ存在しなかった」なら、even the words “weather forecast” didn’t existで良いのですが、「天気予報という言葉さえ使わなかった」とすると、evenの位置が問題になってきます。天気に全く関心のない人がいて、彼は普段から「天気予報」という言葉さえ使わなかった、というのであれば、He didn’t use even the word “weather forecast.”でかまいません。でも、この文脈では「人々は天気予報という言葉を使うことさえしなかった」じゃないと筋が通りません。原則、evenは飾りたい言葉の直前に置きますから、evenの位置によって意味が全然変わってしまうので注意が必要です。
彼でさえその問題を解くことができた。
Even he could solve the question.
⊿彼はその問題を解くことさえできた。
He could even solve the question.
⊿彼はその問題でさえ解くことができた。
He could solve even the question.
だから、people didn’t use even the words “weather forecast”をpeople didn’t even use the words “weather forecast“にしてやります。
②the weather of the future
the weather of the futureにすると、「ずっと先の未来の天気」の意味になってしまいます。例えば、地球温暖化が進んで異常気象が顕著化する未来の天気というのであれば、これでもかまいません。でもこの文脈では「直近の天気」のことを言っているのでthe weather in the days aheadとしてやります。あ、このinは「後のin」で、「2日後に」をin two daysと言うときのinです。あ、あ、同じ「数日後」でも、過去の文脈か未来の文脈かでは使う前置詞が違いますよ。
数日後に僕は彼女に会った。
I met her after a few days.
数日後に会うのを楽しみにしています。
I am looking forward to seeing you in a few days
もしa few daysを使って「先の天気」を言いたければこうします。inの有無で意味が違ってくるので注意してくださいね。どちらにしてもaheadを使うのがポイントです。
⊿数日先までの天気(この先2,3日間の天気)=先の天気
the weather a few days ahead
⊿数日先の天気(2,3日後の天気)≠先の天気
the weather in a few days
③many words about the weather
あ、この英語で間違いはないのですが、赤本にちょっと気になるところがあったので、あえて話題にしてみました。「天気に関わる言葉」は、赤本がやっているようにour vocabulary about the weatherでも良いのですが、vocabulary about the weatherよりもvocabulary to describe the weatherを使います。aboutを使うと小学生が使うような稚拙な英語に聞こえます。さらに赤本、「豊富な」に該当する形容詞はrich / large / hugeなどでもよいがmanyは不可、と書いてます。これについては、何人かの子から「なぜmany wordsじゃいけないの?」という質問を受けました。別にmanyでもかまいませんよ!だから、森田君が書いたmany words about the weatherでも全然OKです!これは赤本の説明不足です。vocabularyを飾る形容詞はabundant、rich、large、hugeなら良いがmanyは不可、と赤本は書かなくちゃなりませんでしたね。だって、「豊富な語彙」は何もour abundant vocabularyだけじゃなく、森田君がやったようにmany wordsでも良いわけですから。

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