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森田君の挑戦(4)

<問題>
2010年度・京都大学

私たちは漠然と犬やイルカを賢いと思っているが、動物の賢さを測る客観的な基準に基づいてそう判断しているわけではない。そういった動物の場合、人間の命令によく従うほど、頭が良いように見えるだけではないだろうか。人間の場合には種々のいわゆる客観テストなるものがあるが、それも結局、出題者の指示によく従うことが高得点に結びついているのかもしれない。

<答案>

We vaguely think that the dogs and the dolphins have high intellect but our judgement isn’t based on an objective standard which measures the intellect of animals.  In the case of animals, we may think that animals that follow us have high intellect.  In the case of mankind, we have a lot of objective tests in order to measure our intellect.  But only people who follow what the tester indicates may be able to get a high score in the test after all.
<読者への挑戦>
赤い部分の英語が間違っています。さて、どうしてそれが間違っているのか、またどうすれば正しい表現になるのかを考えてみてください。
<添削>
森田君!今回は冠詞や名詞の単複のミスが1つもありませんでしたね!なかなか感心です。特に、「出題者」をtesterとしたところなんか、実に頭が柔らかい!薮下は思い付きませんでしたよ!英英辞典で確認しましたが、ちゃんと「テスト作成者」の意味が載ってました。普通は、the person who made the tests なんかの分析的表現で逃げるんですがね。あ、赤本の解説に「出題者=the person who set the tests」とありますが、これは真っ赤なウソです。set the testsなんて表現はありませんよ!
①intellect
さて、先ずは「動物の賢さ」の表現です。「賢さ」に当たる英語は、intellectとintelligenceの2つがあります。森田君が使っているintellectは、「人間の持つ論理的思考力」のことで、普通は「知性」の日本語を当てます。でも、問題文は「犬やイルカの賢さ」のことを言っているのでintellectは使えません。一方、intelligenceは動物にも人間にもある「頭の働き」のことで、普通は「知能」の日本語を当てます。ま、最近の辞書の訳語は結構いい加減ですがね。
動物には知性はなくても知能はある。
Wild animals have intelligence, even though they lack intellect.
あ、赤本の<解答1>はanimal intelligenceになっているのですが、<解答2>ではanimals’ intellectual abilitiesを使ってます!いくら犬やイルカが頭が良いからと言っても、動物にintellectは使いません!ま、「犬やイルカは人間と同じくらい賢いじゃないか!」と言われればそれまでですがね。でも、赤本は最低でもintellectとintelligenceの違いくらい説明する義務があるんじゃないか、と薮下は思います。
②follow us
次に「人間の命令に従う」ですが、森田君が書いたようにfollow usにすると、「僕らの後ろをついてくる」の意味にしかなりません。「follow 人’s instructions(指示に従う)」とか「follow 人’s command(命令に従う)」という表現はあるのですが、「follow人」には「人の後をついて行く」の意味しかありません。この様に、follow は使い方が面倒なので、obey の方をお勧めします。obey は「obey人’s order」でも「obey人」でも、どっちでも「人の命令に従う」の意味で使えます。ね、こっちの方が簡単でしょ!だから、obey usにしてやります。
③get a high score in the test
最後に「テストで高得点を取る」ですが、in the testではなくてon the testと言います。このonは「手段・方法のon」と言って、これなら聞いたことがあるでしょう。
僕はその試合をテレビで見た。
I watched the game on television.
「徒歩=on foot」「楽器=on the violin、on the piano」「電気製品=on a PC」なんかと一緒に覚えておいてください。

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