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【講義ノート180】名詞構文(1)

『フォレスト』によると、名詞構文とは「文に等しい内容を名詞中心に書き換えたもの」で「動詞か形容詞を名詞に書き換えて、その周りに必要な要素を付け加えて作る」らしい。そして、「その周りに必要な要素を付け加える」って言うのは、具体的にはofを付けることらしいのです。
マネージャーが毎月会費を集めます。(文)
The manager collects the membership fees every month.
・・・・・・・・・・・・・
毎月会費の徴収があります。(名詞中心に書き換えたもの)
There’s a collection of membership fees every month.
動詞や形容詞を名詞化するのは分かるんだけど、どうしてofを付け加えるのかがこれではさっぱり分かりません。つまり、名詞構文なのだから、collectを名詞化してcollectionにするのは良いとして、なぜmembership feesの前にofがいるのかの説明が全くありません。学校英語って、この様に「よく分からない」部分が多すぎるよね。『フォレスト』がここで先ず説明しなくちゃならないのは、A of Bの用法でしょ!それをせずに、「その周りに必要な要素を付け加える」なんて言うからわけが分からなくなるのですよ! この意味のない強引さが、頭の良い先生達のバカなところだと薮下は思います。だから、参考書を読んで、書いている内容がよく分からなくても、それは書いている方がバカなのであって、自分がバカだから分からないんだと思わないことですよ!
A of Bは、AにもBにも名詞が来て、「A of B」全体も名詞として働きます。そして、大体「BのA」と訳出できるのですが、次のように訳し分けることができると、和訳では採点者のウケが良くて高得点が狙えます。こんな具合です。
・「BがAする」(主格)
・「BをAする」(目的格)
・「Bの持つA」(所有格)
・「BというA」(同格)
・「Bの中のA」(部分)
・「BでできたA」(構成要素)
・「AのB」(単位・数量)
上の例文だと、採点者を唸(うな)らせたければ「BのA」じゃなくて「BをAする」とやります。つまり「会費の徴収」と訳すのではなくて「会費を集めること」とやるわけです。ま、「会費の徴収」とやっても減点はされないのですが、名詞表現を動詞化して訳出できると、「ほ~、やるね!」と感心されるわけです。じゃあ、なぜ「BのA」という名詞表現じゃなくて、「BをAする」とか「BがAする」という動詞表現で和訳する方が良いのかというと、英語が名詞表現を好むのに対して、日本語は動詞表現を好む言語だからです。あ、上2つの青いやつが『フォレスト』が説明をすっ飛ばしてるA of Bです。上の2つには「Aする」の動詞表現が含まれてますよね。他の5つには「Aする」がありません。名詞の動詞化に関わるのは上の2つだけです。
彼の勇気の欠如は、僕らに彼を軽視させた。
His lack of courage made us think lightly of him.
英語が名詞表現を好むのは、英語が「させる」の言語だからです。上の例文で言うと、「彼の勇気の欠如が僕らに彼を軽視させる」わけです。そして「させる」の主語は「彼の勇気の欠如」という名詞じゃないといけません。でも、「彼の勇気の欠如」っていう日本語って、ちょっとヘンな感じですよね。どうしてかというと、日本語は「なる」の言語だからで、「僕らは彼のことを軽視するようになる」となって、「彼の勇気の欠如」という名詞表現とは結びつきません。それよりも「彼には勇気がないので、僕らは彼のことを軽視するようになる」の方が日本語的です。つまり、日本語は動詞表現と相性が良いわけです。
彼が事業で成功したという知らせに、僕らは喜んでいる。
We are pleased with the news of his success in business.
テキストの例文311も、「彼の事業での成功」ではなくて「彼が事業で成功したこと」とやってやるときれいな日本語になります(フォレストはやってないですけどね)。つまり、名詞表現を動詞表現にしてやれば日本語的な訳語ができあがるわけです。名詞表現his success in businessは、He succeeded in businessという<文>に等しい内容がsuccessという名詞を中心に書き換えられたものです。ここまではさっきやった「名詞構文」の定義通りです。でも、「その周りに必要な要素」なんて1つも付け加えられてませんよ!ほらね!もう定義と食い違ってるでしょ!こういうことをやってるから英語が分かんなくなるんですよ!あ、<the news> of <his success in business>のA of Bは同格のofで、「BというA」の意味ですから、「BがAする」や「BをAする」とは全くの別物です。
【第35章 名詞構文・無生物主語】例文=311

4 Comments

  1. 委員長 wrote:

    こんにちは
    先回はありがとうございます
    質問があります
    英語問題総整理の100ページの
    324の英文の不可算名詞aidの前にsomeなどの
    冠詞が付いてない理由を教えてください
    It’s doubtful whether aid is reaching the
    poor people.
    →援助物資が貧しい人たちに届いているか疑わしい。
    英語問題総整理の104ページの
    335の英文のcouldはどういう役割を
    しているのか教えてください
    Mary and Paul lived on what they could grow for themselves.
    →メアリーとポールは自分たちで作ったものだけを食べていた。

    土曜日, 8月 18, 2012 at 1:11 PM | Permalink
  2. yabu wrote:

    委員長!aidは不可算名詞です。ですから、例文のように無冠詞単数形で使ってもOKです。でも、someが付かないのかというと、そうではありません。ただし、some booksの様な「何冊かの、いくつかの」の意味のsomeではなくて、some sort ofと同じ「何らかの」の意味のsome、「かなりの・相当な量の」の意味のsomeです。こんな具合です。
    ⊿彼らはその村に食料という形でかなりの援助を行った。
    They gave the village some aid in the form of food.
    そして、冠詞のtheは可算名詞にも不可算名詞にも普通に付きます。
    ⊿彼らがその村に行った食料という形の援助
    the aid that they gave to the village in the form of food
    このtheは「飾り予告のthe」で、後ろに関係代名詞thatが導く飾りの文があるのを予告しています。
    さて、couldの用法ですが、これは「可能」のcanの過去形です。つまり、「彼らが自分たちで育てることができるもの」の意味です。335には「自分たちで作ったもの」という和訳がついているので分かりにくいかも知れませんね。

    日曜日, 8月 19, 2012 at 9:08 AM | Permalink
  3. CH wrote:

    こんにちはお世話になります。
    質問させてください。
    動詞表現の文を名詞構文に書き換える問題で、名詞構文に動名詞を使用することはできるでしょうか?例えばこんな具合に。
    I’m surprised that your failed.を
    I’m surprised at your failing(failure).
    Jane got angry because they laughed.を
    Their laughing(laughter/laugh) made her angry.
    意味が不自然であまり使用しないと思いますが、文法的にこれを間違いなのでしょうか。

    土曜日, 1月 16, 2016 at 2:41 PM | Permalink
  4. yabu wrote:

    CHさん!回答が遅くなってごめんなさい。リンダが肺炎になってしまって、ずっと1週間つきっきりで看病しなくてはなりませんでした。咳が出るので持病の喘息が悪化して、おまけに風邪までひいてしまってもう大変でした。
    さて、ご質問の名詞表現ですが、surprisedかangryかによってatの後ろに来るものが違ってきます。こんな具合です。
    ⊿彼が試験に落第したなんて驚きだ。
    I’m surprised that he hailed in his exams.(○)
    I’m surprised at his failure in his exams.(○)
    I’m surprised at his failing in his exams.(×)
    thatは前にここ(http://blog.meigaku.ac.jp/yabu/?p=5335)でやったように、「なぜ・どうしてのthat」で、感情の根拠を表現できました。一方、atは驚きの対象を指さしていて、文法的には前置詞の後ろには名詞が来てればいいので、名詞のhis failureでも、動名詞のat his failingでもOKなはずです。でも、動名詞は使いません。
    angryの場合はどうかというと、この形容詞は人に対してしか使えません。つまり、「be angry at 人」にしかなりません。CHさんが作った例文にはat themが省略されています。こんな具合です。
    ⊿ジェーンのことを彼らがあざ笑ったので、彼女は腹が立った。
    Jane got angry [at them] because they laughed at her.(○)
    Jane got angry at their laughing at her.(×)
    ですから、at their laughing at herという表現はありません。じゃあこれを主語にしたらどうかというと、やっぱり不自然です。
    ⊿彼らが彼女のことをあざわらったことが彼女を腹立たしくさせた。
    Their laughing at her made her angry.(△)
    どうしてかというと、they laughed at herというのは彼女を怒らせた詳細な理由だから、やっぱりbecauseの後ろに持ってきた方が自然だからです。不定詞はまだやってないこと、動名詞はすでに何度もやってることを表現するのに使いますから、their laughing at herは「彼らが彼女のことをあざ笑う」という行為が過去に何度も繰り返されていて皆がよく知っていることの意味になってしまいます。もし動名詞ではなくて代名詞にしてしまえば問題はありません。
    ⊿彼らは彼女のことをバカにして笑ったそのことが彼女を立腹させた。
    They laughed at her. That made her angry.
    前置詞は「名詞の前に置く詞(ことば)」だから、文法的には名詞でも動名詞でもatの後ろに来るはずです。でも、現実の英語はなかなか文法通りになってはくれません。ここら辺が言葉のやっかいなところです。文法というのは後付けのルールですから仕方がありません。

    日曜日, 1月 17, 2016 at 4:01 PM | Permalink

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