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【講義ノート170】「時制の一致」って何?(1)

■ジェイクは疲れていると思う。
I think that Jake is tired.
■ジェイクは疲れていると思った。
I thought that Jake was tired.
従属節that+文の中の動詞の時制が主節の動詞の時制との関係で決まることを時制の一致と呼ぶ。上は「ジェイクが疲れている」のも、そう「私しが思う」のもどちらも現在の同じ時点のことだから、2つとも現在形になっている。一方下は、「ジェイクが疲れている」のも、そう「私が思った」のも過去の同じ時点での事であから、2つとも過去形になっている・・・。
「時制の一致」に関する説明は大体がこんな様なものです。上の説明文も『フォレスト』からの引用です。これを素直に読むと、従属節中の動詞は主節の動詞で決まるので、上の例文はthinkが現在形だからisも現在形になって時制が一致してるし、下の例文はthoughtが過去だからwasも過去形になって時制が一致してる、と思っちゃいますよね!?だって「時制の一致」なのですからね!ところが、実際は全然違うのですよ!次の例文を見てください。
ジェイクはあの時疲れていたと思う。
I think that Jake was tired then.
ジェイクは最近疲れていると思った。
I thought that Jake is tired these days.
上のは、主節が現在形でも従属節は過去形だし、下のは、主節が過去形でも従属節は現在形でしょ!時制なんて全然一致してないじゃん!!というわけです。そもそも「sequence of tense(時系列)」に、どうして「時制の一致」という訳語が振られたのでしょうか。それに、参考書の説明書きはthink→is、thought→wasの「横の一致」を強調しているのが失敗の原因じゃないですかね?
「時制の一致」って何なのかを知るには、日本語と比べてみるとそのポイントがハッキリします。と言うのも、日本語って時間にとってもいい加減な言葉だからです。さっきの例文でやってみましょう。
■ジェイクは疲れていると思う。
I think that Jake is tired.
■ジェイクは疲れていると思った。
I thought that Jake was tired.
普通に考えると、過去の出来事は過去形で書くのが常識なのに、その点日本語はとっても非常識です。だって「ジェイクは疲れていた」という過去の出来事でも現在形で表現していますよね。本当なら下の英文は「ジェイクは疲れていと思った」なのに、この日本語ってちょっとヘンです。それに対して英語は過去の出来事は過去形でちゃんと書かれています。この「過去の出来事はちゃんと過去形で書きなさいよ」というのが大切なのですよ!そして、「時制の一致」が問題になるのは、これから勉強する「話法の転換」くらいなものです。あ、「話法の転換」って何を変えるのかというと、がぎカッコ(”” = ダブルコーテーションマークのことで顔文字ではありません!)を外す操作のことを言ってます。こんな具合です。
・・・I said, “I am interested in gospel music.”
・・・・・・・・・・・・
I said that I was interested in gospel music.
がぎカッコ(“”)の中身は、口から出た生の言葉を閉じ込めているのだから、時制とは関係なくいつも現在形です。そのがぎカッコ(“”)を外すと、現実の時間の中に放り出されるので、時制の制約を受けるようになります。そこでさっきの「過去の出来事はちゃんと過去形で書きなさいよ」というルールが適応されるわけです。だってsaidから分かるように現実時間は「過去」なんですからね。この「がぎカッコを外す」という操作を抜きにして「従属節の中の動詞は主節の動詞の時制との関係で決まる」なんて言うからわけが分からなくなるのです!言い換えると、「横の一致」じゃなくて、amwasの「縦の変化」が大切なのですよ!逆に、「時制の一致を受けない」とは、現実の時間とは違って頭の中にしかない妄想時間の「仮定法」、時間を超えて変わることのない「真理・真実・性質」や「習慣的な動作・継続的な状態」だということが分かります。
【第34章 話法】例文=299

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